-ある、週末の出来事1
アメリカに来て、大陸の広さを感じる一番の方法は車を
運転することだと思われます。日本で車に乗っていた人なら
その快適さは身にしみて感じます。時速80Km以上で走り
続けながら広大な景色につつまれ、好きな曲をかけてアクセ
ルを踏みこむ。日本にくらべると少し道が広く、高速道路の
料金も格段に安い(高くても数$)ので遠出するのはさして
苦ではありません。自分も車に乗ってある程度遠くに出かけ
る事も嫌いではないのでよくマンハッタンに行ったりしてい
ました。今、自分が住んでいる場所はポツダムとよばれるマ
ンハッタンから8時間、カナダ国境から数十分の距離に位置
しています。そんなポツダムからマンハッタンに行ったある
週末の話を書こうと思います。
去年の冬、自分は重い荷物と共に日本からNYのJFKに戻ってきました。その時の荷物は1.大きなトラン
ク、2.Powerbook 520cを入れたバッグ、3.背中で背負える
タイプのデイバッグ、の3つでした。ポツダムに戻る前に一
旦クイーンズにある友達のアパートに泊めてもらい、それか
らポツダムに戻ろう、という計画を立てていました。その
為、JFKでイエローキャブをひろい、クイーンズを目指しま
した。この時、タクシーのドライバーの名前と番号をチェッ
クし忘れたのが総ての始まりだったのです。いや、始まりは
このタクシーに乗る時点だったのかもしれません。いろいろ
と小さなことを話し、長時間のフライトで疲れた体を休めな
がら外の夜景をみていました。その夜も同じ様に、自分があ
る人を見送った夜と同じ様な穏やかな夜でした。少し揺られ
て、見なれた景色が端々に見えてきました、少しずつ記憶を
辿り、パズルのピースが本来あるべき所に戻るかのように、
少しずつ思い出していきました。そして、見なれた場所で、
友達の家の近くまで来たのでドライバーを止め、「荷物を車
の中に入れておくから、トランクをとって、この荷物をとる
までまっててくれ」といい(ここがいけないところです
(笑)チップも払ったのならドライバーに取らせるべきでし
た)、先に金を払い、PCのバッグを置いて車のカーブート
(トランク)から旅行用のトランクを出した時、キャブは立
ち去ってしまいました、そう、PCの鞄をつんだまま、仕方
がないのでナンバープレートを調べましたが後ろにはついて
なく、ナンバーを控える事すら無理でした。もしも走れば番
号くらいは知ることが出来たかもしれませんが、周りに数人
の浮浪者を見つけたのでやめました。ここでPCを追い掛け
る、という事は他の荷物を置いていかなければいけない、す
なわち、それらを失う可能性もあったわけです。そのため、
まず落ち着き、友達のアパートを目指しました。そしてかる
く挨拶をした後、主旨を伝え、電話を借り、空港、イエロー
キャブ会社、そしてJFKエアポートと、くまなく連絡を入れ
ましたが、結果はNoでした。どの人間も「番号と運転手の
名前が無ければ何も出来ない」としか言われなかったので日
を改めて警察に行く事にしました。「もしも物が戻らなくて
も金額の一部でも構わないから保険で少し戻せるはずだ。」
という甘い考えを持ち、講議が始まるので日を改めてクイー
ンズに来る予定を立て、一旦ポツダムに戻る事を決め、クイ
ーンズを後にするのでした。
つづく
-このまま笑い話ですますのもいいかな、と思ったのですが、同じような被害に合わない為に、と軽くこの体験から学んだ事をかこうと思います。
まず、飛行機の機内、そして機内の荷物に関して、と、イエローキャブについてお話したいと考えてます。近日現在執筆する時間もないのでのんびりとお待ち下さい。
| Home | Next | Back |