新たな相棒
それから数週間は外に買い物にいく時間すらもない程ハードでした、夏に控えたバンドの事も含めて、ライヴハウスの手配や曲のセットリスト、器材リストなどを横でつくりながら講義を受け、チームプレゼンテーションの準備をしていました。そして、2月に入り、新しいPowerBookを購入する事を決定し、その日から雑誌を漁る日々が続いたのです。。。
まずは友達の買っている雑誌を借り、PowerBook3400cを狙いました。しかし、保険がおりない事を考えて2400cに、その数日後、AppleがPowerBookの最大30%値下げを慣行したので「これは!」と思い2400cに狙いを定めたところ、「画面が小さくキーボードが使いづらい上にCD-ROMドライブが別売りで、メモリも64MB最高とはいってももっと増設は可能だ(後日これが間違いであるとわかりました)」という話しを耳にし、「じゃあ1400c/166にしよう」とApple onlineで注文しました。丁度G3デスクトップがでたころで同じく$1999だったのを覚えています。届いたばかりのPowerBookに前もっていた周辺機器を使おうと試みたのですがネットに繋げる為のPCカードと呼ばれる道具がなく注文せざるを得ませんでした。結局、その日はほとんどさわらずに新しい日が来るのを待つのみとなりました。でも、さわれないとなるとつい触りたくなるのが人間というやつの性で、ちょこっと触っては落とし、ちょこっと触ってはまた落とすの繰り返しが少し続き、明日を向かえるために壁に貼ってあったMuchaのポスターにおやすみを告げました。次の日、注文したメモリとPCカードを郵便局に取りにいき、ドキドキしながら「デパートのレストランコーナーでよく見かける新しいおもちゃを買ってもらった直後の子供」の如くハイテンションで部屋に戻っていきました。
16MBから48MBまで32MBのメモリの増設をし、PCカードをインストールし、ネットワークに繋げた後、日本語化キットをいれ、CD-ROMがあることに感動していました。さっそく、必要なソフトやファイルをDLし、166MHzのスピードに酔いしれていました。今となっては166MHzは決して速くありません。が、当時、自分が最初に使っていたマシンのCPU(コンピューターのエンジンとか、頭脳と思ってください。)は25MHzだったので、自分にとっては脅威の速度となっていました。言い替えれば「今までママチャリ(自転車)だったのに、いきなりFZR(バイク)に乗り換えた」気分だったのです。まずもっていままでのPowerBookは68Kという一昔も二昔も前の種類のCPUでした、そんなママチャリから、PowerPC166MHzというFZRに乗り換えたものだから感動の嵐でした。今まで使えなかったあこがれのPPCマークのついたフリーウェアを片っ端からDLし、「試しては感動」を繰り返したり、今までとは一味違う「SVGA画像(良い画像)っぷり」をホームページを閲覧することにより激しく体感していました。メモリの関係でそれまで使えなかったOutlook ExpressやInternet Exproler, Netscape Navigator, Communicatorの、しかも68KではなくPPCをクリックしてダウンロードし、使用したときの感動。取り分けOutlookには驚かされました。1. ファイルが送れる。2. 複数のアカウントを使わせてくれる。 3. 見た目が何か好き。4. それでも設定がわからなかった。 というステキな機能が満載でいてフリーという素晴しさに驚愕すら覚えたものです。それまで、自分はソフトの仕様もありファイルを送ることができなかったので、メールでファイルを受け取ったり送れた瞬間、それはもう類人猿が火を使えたのと同等の進歩、いや、むしろ「進化」に等しいのではないかと感じたのを覚えています。それにより、自分の行動のキャパシティーも確実に広がりました。バンドマネージメント、エッセイ(論文やペーパー、白ワニさんの事です)、チームプロジェクト、PowerBookをもってミーティングに出た事も数知れませんでした、現在も自分の傍らで活躍しています。
そんな相棒との出合いにより効率良く物事を片付けていけるようになり、車の事を思い出す時間ができたのです。ちょうど時は五月の終りの頃でした、そう、夏休みのための一時帰国がせまっていたのです。
つづく
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