機内


  JFKに到着後、飛行機に乗る前にチェックインを済ませ、荷物を預け、必要な物*だけをもってロビーにでました。飛行機のボードが始まるまで珈琲を飲みながら待とうと思い、スターバックスのブースで他の珈琲と味を見分ける事が不可能なスペシャルブレンドを頼み、少しずつ流し込みながら目を覚ましていき、飛行機のなかで飲むためのペットボトルの小さな水とキャンディーを買い、ボードにむかいました。
  ボードを終え、チケットをチェックしながら中途半端に長く脆そうな道を歩いて飛行機の入り口に向かい、フライトアテンダントさん達を越え自分の席となる通路側のシートの頭上にあるシェルフに荷物を置き、手元に必要な物だけを厳選したつもりのバックパックだけをもち、スリッパに履き替えリラックスする体制を整え、手元の雑誌から音楽と映画をチェックし、フライトを待っていました。フライト後に独特のチューブラジオから流れてくるような音質の音楽を聞き、LAまでの時間の殆どをサングラスとオレンジジュースと音楽ですごしました。
  LAの空港で少しつかれた体を延ばし、中途半端に睡眠をとった体を奮い起こし日本までの距離を考えなぜか食べないとわかっているスニッカーズを買ってボードに向かいました。
  飛行機の中で同じようにバッシュからスリッパに履き替え、サングラスをかけ、さっそく眠る体制を整えフライトを待ちました。LAから成田までの機内は非常に快適で、シート各々にモニターがついていてチャンネルを個人で変えることもでき、更に英語バージョンのスーファミが付属されてかなり至れり尽せりでした。
  飛行機がランディングオフした後はのんびりと休息をとり、雑誌の中の誰が買うのかわからないがどこか心ひかれる機内販売のカタログを楽しみ、モニターの中のジャッキー・チェンとメル・ギブソンをみたり、スーファミのF-ZEROをし、胃の疲れさえ考えなければなかなか悪くない食事を流し込むという一連の作業を繰り返して過ごしました。その作業に疲れ、眠っているとおなじみの光景がみられました。体内時計が丁度2時、3時ごろ、という睡眠タイムにはいると飛行機の窓の内側の日除けが全部閉じられ、真っ暗になって眠りやすくなるのですが、体内時計が違う隣の人の開けた日除けからの一筋の閃光を浴び、サングラスに感謝して日本までを過ごして居ました。
  おやすみタイムから明け、機内の電気がつき、おしぼりを手渡され、顔をふき、手をふき、緩やかに目覚めた直後、お食事タイムになだれ込みました。疲れた胃にやさしいフライトアテンダントさんの「エッグor シュリンプ?」というどうやっても比べられないはずの二つを選択肢にだされ、オムレツをえらび、コーヒーを待ち望みながら食事を取りました。あともう少し、というアナウンスに心を踊らせつつ 食後のコーヒーを楽しみました。
  数時間がすぎ、あと1時間足らずで日本というアナウンスと共に必要な書類を全て整え、スリッパをバッシュに履き替え、荷物を片付け、準備を整えました。
  飛行機が空港に着き、のんびりと腰を上げシェルフの荷物を持ち、長くて短かった旅と自分をなんとか心地よくしようとがんばってくれた機内と、その椅子にありがとうを告げ、蟻のような行列に紛れフライトアテンダンスさんにありがとうを述べサングラスをかけ、飛行機から足を踏み出しました。


つづく


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