プールとO−157

アメリカジョージア州のプールで幼児がO−157に感染し死亡したとの記事がセンセーショナルに踊っています。日本のマスコミは程度が悪いので,センセーショナルな事は好きですが,掘り下げが足りなく,必要な情報は報道されていません。皆さんが本当に知りたいのはプールに子供を連れていって良いかという事でしょう。

プールは保健所が水質を監視しています。厳重に塩素濃度が規定されています。普通に経営者が規制を守っていれば,O−157は死滅します。感染することはありません。

では,何故死者がでたのでしょうか。日本のマスコミのばかな点はここにあるのですが,十分な報道がないので,ここからは想像するしかありません。

ヒントは「公園の児童用プール」です。2才の子が入るのですから,深さが20〜30cm位の浅いものでしょう。水もかわることが少ないところに,大勢が入り,しかもうんちを漏らす子もいたのでしょう。浄化装置がついていても,簡便なもので,塩素濃度が管理されていないものでしょう。こういう環境で感染したと考えます。

こういう点を報道できないマスコミの能力の低さにあきれるのです。

日本でも,幼児用のビニールプール,児童公園の浅いプール(プールというより水遊びようのもの)は危険性はありえます。

薄まるのと塩素で少しは危険が減るのですが, 日本のプールでも危険はありえます。乳幼児プール教室,親子プール教室などと称して,子供に紙おむつをしてプールに入れているところがあります。紙おむつは吸水性のポリマーでできていますが,もちろんプールの水を吸水してうんちをとめる事はできません。O−157を保菌していれば大量に流れ出します。近くの公的プールでもおむつをしてプールに子供を入れている非常識なばか親がいます。慌てて逃げ出したことがあります。うんちの管理のできない子をプールに連れていくなどは禁止すべきことですし,常識的に考えても,他人に迷惑をかけたり,不快な思いをさせるべきではありません。感染による被害が出れば,当然管理者と親は法的賠償責任が生じます。

幼児のプール教室が意味のないのは,このホームページに別の項目で載せていますので,ご覧ください。

金儲け主義のプール経営者は困ったものです。余談ですが,プール関係者はしらみが繁殖していても無責任に放置しているところも多いようです。悪いうわさで来訪者が減ると経営に影響がでるからです。

銭湯も保健所が塩素濃度を監視していますので,心配はありません。

いずれも,経営者がまともなことをしているという前提で,まず心配は少ないという事です。 


1998.08.01
http://geocities.datacellar.net/HotSprings/4347/
〒6050842 京都市東山区六波羅三盛町170 河合 医院

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