恐ろしい レバ刺し・鶏刺し 身体障害の後遺症?


  

 

 

 


O−157の記憶が薄れ、生レバーや鶏の刺身を食べる人が増えています。
生レバー等は、知性のある人間の食べ物ではありません。生は、寄生虫や細菌の宝庫です。

キャンピロバクターは鶏や牛の腸内に普通に棲んでいる常在菌です。
牛の肝臓にはいないので、食中毒の原因にはなりにくいと考えられてきました。
しかし、以下の発表がありました。

厚生労働科学研究食品安全確保研究事業
健康な牛の肝臓及び胆汁中のカンピロバクター汚染調査を行ったところ、カンピロバクターは、従来、胆汁には存在しないと考えられていましたが、胆嚢内胆汁236検体中60検体(25.4%)、胆管内胆汁142検体中31検体(21.8%)、肝臓では236検体中27検体(11.4%)が陽性でした。

胆管は肝臓内に張り巡らされた毛細管のようなものです。20%はキャンピロバクターに汚染されていると考えるべきです。

キャンピロバクターは食中毒の原因菌で、高齢者や幼児では死亡例も見られます。しかし、抗生物質の効果もあり、軽い感染症として軽視されてきました。医師の認識もその辺です。

ところが、最近手足の麻痺をきたすギランバレー症候群(GBS)との関係がわかってきました。
厳密な科学的証明はできていませんが、統計学的にははっきりしています。

ギランバレー症候群GBSは、手と足が麻痺する病気です。子供などでウイルスが原因として疑われることが多く、この場合大抵よく回復します。稀に、呼吸筋まで麻痺が進み死亡例もあります。

これでも、余り重篤な病気の感じがしません。

ところが、キャンピロバクター関連のGBSでは後遺症が高率で、身体障害者になる率が高いと考えられるようになりました。
次のような記載があります。

まず後遺症の残る率ですが、50%を超えています。この数字は神経内科のスタッフから見れば低い数字に見えるかもしれませんが患者にとってはかなり深刻です。GBSを経験した半分以上の人が後遺症を持っているということですから、やはりGBSは予後のいい病気とは言えないです。身体障害者登録をしたのは17%ということでGBS経験者のうちやく2割の人が障害者として生活しているということです。また男女比ですが約2:1ということで、これはネット人口の男女比も考慮すれば約3:2ということになり通常言われている男女比とほぼ一致します。カンピロバクター菌を摂取する確率が男女で差があるとは考えにくいので、やはり男性のほうが発症する率が高いようです。

調べるとGBSは
年間2000人発症し、5割が後遺症を残し、2割が身体障害者手帳の発行にいたり、約50人が死亡する。決して軽い病気ではない。 ということです。死亡率も2〜3%はあります。

つまり、ギランバレー症候群で後遺症が残るのは1000人で、障害者として生きていかなければならない人が年間400人位でているが、その原因として生レバー・鶏刺し・生肉(牛も)がきわめて疑わしいということです。(現状の科学的知識で)

生レバー・鶏刺し・生肉は知性のある人間の食べるものではありません。キャンピロバクターは加熱にはきわめて弱いのです。

幼児に食べさせるなど、バカ親です。

2005.5.1
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河合 医院

初級システムアドミニストレーター 河合 尚樹

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追加
もちろん、鶏やレバーを調理したまな板や包丁で、サラダ等生野菜を調理するのはきわめて危険です。

鉄は重要な栄養素です。昔は鉄分の不足ばかりが重要視され、過剰はほとんど問題になりませんでした。
しかし、最近では少しの鉄の過剰も肝炎にはきわめて悪化要因であり、鉄分除去が標準治療になっています。

思春期女子で、ダイエットの傾向のある子は、生理不順もあり鉄分の補給は重要です。しかし、これとて、肝炎を否定する根拠がありませんので、過剰に摂って良いか不明です。血液検査する以外に判断根拠はありません。検査をすれば、控えるかもっと摂るべきかの助言が可能です。

アホ番組のように、「これさえすれば健康になれる。」などと叫ぶわけにはいきません。知性と理性があれば、現実は単純化できません。

探偵ナイトスクープで、痔の治療に生のナメクジを飲むという民間療法が紹介されました。ナメクジは危険です。
ナメクジ・かたつむり  広東住血線虫  髄膜炎を起こす 死亡率高い 手で触っただけで皮膚から入ることあり ナメクジが動いただけのレタスのサラダで感染例あり よく洗うこと

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