こんなのは､インチキです｡
水はプラスとマイナスの双極子と考えられるのは事実です。この弱いプラスとマイナスの引力で水は複雑な構造をとることが可能です。
ちょうどベンゼン環やブドウ糖のように平面の六角型に並んだ水クラスター、五角形に並んだものも見られます。権威ある科学雑誌「Science」の表紙を飾ったのだから､存在に間違いは無いのです｡
また、金属イオンを中心にした大きなボール状、ちょうどカーボンのC６０の形のものさえ証明できるようです。
多分、MRIの高度の進歩により、
水の立体的相互関係が検出できるのでしょう。
すばらしい、
科学の進歩です。
最初の話とは違うではないかと思われるでしょう。
もちろん、業者が「強い磁気でクラスターを分解し、クラスターを小さくする」（逆に大きくしても良いのですが）が可能だとは信じられません。
しかし、たとえ水クラスターが業者のいうとおり操作できたとしても、そのインチキ性に疑いの余地はないのです。
水分子の弱い相互作用は世界の根本原理の物理的法則に従います。その相互作用の引力は余りにも弱いのです。 百歩譲って、業者の言うとおりの水クラスター構造が出来上がったとしても、 その構造を維持できるほどのエネルギーはどこにもないのです。
それゆえ、氷という固体分子の中でも水クラスター構造の持続時間は数千万分の1秒でしかないのです。 体温下では数兆〜数十兆分の１秒です。逆に言えば、水クラスター構造は１秒間に数兆回も変化しているといえます。
これでは、服用して細胞に届くはずがありません。
業者の広告がうそでなく、水クラスターを生成できたとしても、持続時間は数兆分の１秒です。
これでは、 服用して健康になれるはずはありません。
朝日新聞はうそ広告を掲載し続ける新聞として、このホームページでは有名です。
ある日浄水器の宣伝で、「酸化還元電位で塩素を分解する」と広告していました。酸化還元電位で塩素は分解できません。
また、分解した塩素はどこに消滅するというのでしょうか？物質の消滅は核融合か核分裂でないと起こらないのですが・・・。消えるはずはありません｡
また、 活性水素水というのも売られています。 よく読むと、単に水素発生粉末か、電気分解をして水素を溶かしているだけのようです。 「活性酸素を活性水素が除去する」との触れ込みですが、業者の言う活性水素を利用する酵素システムを人間は持っていないので、水に溶けた水素を利用することは人体にはできません。 そもそも、 水素は水に非常に溶けにくいのを利用して精製するくらいですから、水素水など意味がありません。溶けた水素が活性化されるものではありません。水素分子を直接活性化し利用できる酵素系を人間は持っていません｡
逆に酸素をたくさん溶かした水も売れています｡いったい、活性酸素を除去したいのか、酸素を取り入れたいのか､デタラメもいいかげんにしてくれ･･････。
もちろん、酸素がたくさん溶けた水を飲んで健康になったという論文などありません｡（あったらインチキでしょう｡）
数万円から数十万円もの器具を購入するのはお金を捨てるようなものです。
利用可能なのは､強酸性水が消毒に使えるくらいですが、これも原理は次亜塩素酸の作用であり、素人が使ってよい結果が出るとは思えません。塩を電気分解しているのですが、ハイターの消毒原理と根本的には大きな違いはなく、素人ならハイターをつかえばよいのです。
消費者センターで、高額機器を買わされたのに効果がないと苦情件数の上位にいつもあるのが浄水器です。
生体・代謝に有利な水クラスターなど､存在しません｡日本の水は軟水で、おいしいのは有名です｡パリで「サントリーのおいしい水」は1本8000円くらいになるそうです｡普通の水を飲めばよいのです｡人で科学的に証明された､健康になる水など無いと考えてよいでしょう｡
2005.7.10追加
水の取りすぎで死亡
研究は２００２年ボストン・マラソンに出場した４８８選手を対象に実施され、１３％の選手が血液中の塩分が危険な状態の低レベルに落ち込む「低ナトリウム血症」に陥ったとしている。２８歳の選手はゴールまで残り６キロで「低ナトリウム血症」のため死亡。それ以来、レース主催者は水分の過剰摂取は危険と出場者に警告している。
研究グループは「最も危険なのはレース後に体重が増えているような選手」と結論づけ（１）３〜４リットルの水分補給（２）スローペース（３）女性（４）肥満度指数が２０％以下のやせ形-などの条件を満たす人は可能性が高いという。また今回の研究結果ではどんな種類の水分でも同じとされ、研究者は「一般的に利用されている『スポーツドリンク』でも保護されないと理解することが重要だ」と説明した。
2005.7.1
http://geocities.datacellar.net/kawaiclinic/
〒6050842 京都市東山区六波羅三盛町170
河合 医院
初級システムアドミニストレーター 河合 尚樹