私は何とかコラーゲンを増えないようにすることを望んでいます。可能ならば,肝硬変の進展を止められるのです。コラーゲンで硬くなったのが肝硬変です。
迷信の様に,食べたコラーゲンがそのまま体のなかで同じコラーゲンになるとしたら,皆が肝硬変になるでしょう。肌の張りどころでありません。コラーゲンは普通の蛋白質から吸収したアミノ酸からできるのであって,直接体内に入るわけではありません。普通に蛋白質を摂取すればよいのです。コラーゲンの合成にはヴィタミンCも必要です。健康に注意した食生活をすれば,コラーゲンなどとる必要はありません。コラーゲンがそのまま腸から吸収されるなら,前に述べたとおり,ウイルスや細菌がすぐに侵入し,生きていられません。
肌の張りを保つには,コラーゲンをこわさないようにすることです。それには紫外線を避けることです。それ以外に有効な方法はありません。
重大改訂 2000.03.22
狂牛病で重大な事を思い出しました。たしか,狂牛病の牛からゼリーが抽出され輸出されていました。加熱してあるので危険性はないと考えられましたが,念のためと,日本でも回収したと思います。実際ゼリーからは感染は起きていません。しかし,狂牛病の病原プリオンは120度の加熱でも死なない(不活化されない)といわれています。それゆえ,ゼリーも危険だと考える余地はあったのです。
コラーゲンは、やはり濾過滅菌だそうです。細菌は通れませんが、ウイルスは通過します。コラーゲンとして分離しておいてから,加熱したのでは蛋白質が変性しコラーゲンの有用性?はありません。
もしも,いいかげんな滅菌を行っているなら,狂牛病の様な未知の病原菌が紛れこむ可能性が否定できません。
最近はコラーゲン入りの飲料も市販されています。安全性を確認できるまで,摂取しないことをすすめます。
コラーゲンを摂取する必要性や有効性はなにもありません。普通の蛋白質と差異はまったくないからです。しかも,コラーゲンと銘うちながら,加熱しては意味がないでしょう。
人類の医学上の最大の発明は,火を使うことだったと考えています。加熱により,病原菌や寄生虫が死滅し,人類の寿命は飛躍的に伸びたはずです。
最近の朝日新聞,土曜日の夕刊で「すてきなおやじ」というコーナーがあり,盛んにいかに生肉が美味か,生レバーが美味かと書いていました。O−157騒ぎがあったのはつい最近です。こういう記事を平気で載せるから,マスコミを軽蔑するのです。見識もなく,一貫性もありません。面白ければよく,売れればよいのです。
2000.10.01 追加
調べてみると恐ろしいことを発見しました。顔に塗るだけでプリオンは感染するのです。狂牛病のプリオンは健康な皮膚からは侵入しませんが、少しでも傷があると簡単に吸収され、発病することが動物実験で判明しています。髭剃りあと、女性のうぶげ剃りあと・吹き出物なら簡単に吸収されるということです。目に見えない傷は必ずあるものです。
狂牛病のない牛を使っていることになっていますが、狂牛病や未知の病気がコラーゲンで拡大する可能性はゼロではありません。狂牛病は人に感染してから症状が出るまで10年以上の時間がかかります。
口の中は歯などで目に見えない傷が多くあります。飲むなどはもってのほかということになります。
LANCETという権威のある医学雑誌で、牛ではプリオンは皮膚と消化器の粘膜をターゲットとして侵入するという論文を見つけたぐらいです。人はもっとも危険な行動を行っているとさえ推定できるのです。Lancet, 1999 Nov, 354:9191, 1702-3
人でも、プリオンに似た蛋白が皮膚や消化器粘膜で検出されるという論文もあります。Am J Pathol, 1998 Nov, 153:5, 1353-8
狂牛病は、飼料に混入した生の羊の肉から伝染したとされています。それなら、さらに牛から人間に伝染して当然です。上の2論文から、人に伝染するときには、皮膚または消化器からだと推測するのがもっとも科学的なのです。
完全に安全と証明されるまで、使用しないのが科学的です。健康のためにコラーゲンを撲滅しましょう。こんなものをわざわざ使用する人の気が知れません。はっきり、非科学的流行やマスコミと業者に踊らされた馬鹿者だと断言したほうがよいかもしれません。 コラーゲンは生肉を食べるようなものなのです。ウイルスやプリオンを呼び込んでいるようなものなのです。(生肉はさらに寄生虫の可能性が増えます。)
牛のプラセンタエキス(胎盤エキス)使用化粧品も同じ危険性があります。
http://geocities.datacellar.net/kawaiclinic
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