GABAが売れています。
特に、神経を沈静化させるのが目的らしいです。
知りませんでした。一流企業でも、業者の宣伝などに乗るような軽薄な河合 医院ではありません。興味もありません。
・神経抑制作用 よって 癒し系
・血圧降下作用
・更年期障害の改善
・肝機能改善作用
・腎機能活性化
・肥満防止・ダイエット
・整腸作用
・動脈硬化予防
・がん予防・抑制
・アルツハイマー型痴呆症の予防・改善
・栄養補助食品として
だそうです。科学的に証明されてもいないでしょう。よく売れているようです。
食品化学の教授なども推奨しているようです。論文を拝見したいものですが・・・。
さて、GABAには神経細胞の成長にも関与しているそうです。
GABAは神経だけに分布するわけではありません。全身に広く分布しています。
ここから、成長に広く関わっているのではないかと研究が進んでいます。
さて、ここからです。成長といえば・・・・。怪しいものです・・・・。
面白い論文がありました。阪医誌 65(1) 1-11
GABAの増加していることが証明されている癌 大腸癌・乳癌・胃癌・前立腺癌・神経膠腫
GABA受容体が増加している癌 肝臓癌・乳癌・神経芽細胞腫
GABAは神経細胞の運動に関与する。 つまり、癌や白血球の運動性にも関与している。SW480大腸癌の運動性をあげる。転移する前立腺癌ではGABAが多い。乳癌細胞でGABAが増加しており、GABA類似物質で癌の細胞移動が促進される。前立腺癌でGABA受容体を介してMMPが増加し、これは組織浸潤性(つまり転移の完成)に関与する。これは、直接癌細胞増殖にも関連している可能性がある。
もちろん、GABAが直ちに発がん物質であるとはいえません。科学的証明がありません。
GABAが原因なのか、副次産物か、修飾因子なのか、結果なのかも判断できません。
細胞実験で真実でも、人体にまったく影響のないことも多いものです。(たとえば、肝臓や腎臓で無害化が先に起こるなど)
完全な科学的証明はありません。
しかし、蓋然性の高い推論は、「GABAは初期の癌の受容体に作用し、促進する可能性がある。」「GABAは癌転移を促進する可能性がある。進行癌にも危険。」です。
あくまでも推論です。しかし、業者、健康情報、健康番組やマスコミに踊らされ、人工的に健康食品や特定物質を高濃度に摂取するのは馬鹿のすることだと思っている私でした。
根拠が希薄だといえ、私なら「癌の恐れのある人はGABAを摂るべきでない。」と言います。
そして、癌に絶対ならない人などいません。
科学的証明にはまだ多くの実験、つまり時間がかかります。
私の推論が絶対正しいなどと言っているわけではありません。証明はまったくありません。これからです。
あくまで、現時点での(科学的)私的推論です。
2006.7.1
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河合 医院
初級システムアドミニストレーター 河合 尚樹