香港ではニワトリを処分したそうですが,インフルエンザウイルスは渡り鳥が運ぶという説もあるくらいですから,効果があるとは思えません。中国国内で流行すればすぐに香港に来るでしょうし,観光産業対策でしょうか。
6月ごろ,香港で3才児がとり型インフルエンザで死亡したとの報告がありました。子供なので,隠れた免疫異常等があったかもしれず,このホームページには載せませんでした。しかし,報道のごとく,11月にあらたに2人死者が出ました。アメリカのCDCが乗り出したのは世界的流行を懸念したためです。
これらの人々はとりから直接感染したと考えられ,人から人への感染ではないので,まだ安心していて大丈夫です。しかし,限られた例とはいえ,人に感染したのは重大です。人に感染しているうちに,遺伝子に突然変異をきたし,人類に重大な被害をもたらすヒト新型インフルエンザに変化することは十分ありえるからです。過去の例から,もしこれが起こるとすれば2〜3年先と考えられています。 現在はまだワクチンができていません。
放置した場合の被害予想は,日本だけで3000万人が罹感し,10万人が死亡するということです。華南地方の動向を注視していればある程度流行予想は可能です。
あれほど予防注射は効果がないと言っていたマスコミが,一転,予防注射推進論になったのはおめでたいことです。
1998.01.06