不整脈や狭心症の診断をつけるには,どうしても,発作時の心電図が必要となります。 医院に備え付けの心電図は,詳しくいろいろな部位も良くわかりたいへん重要なものですが,残念ながら,せいぜい15秒程度の安静時の記録しか得られません。しかも不整脈や狭心症の心電図変化は一日のうちでもきわめて限られた時間しか出現しません。また,本人がまったく気付いていない狭心症や不整脈の発作も存在し,これらも気付いているのと同じくらい重要な病気の一部です。 また,不整脈に関しては,正常人でも結構存在し,その型とともに一日で何度くらい発作が生じているかも重要で,軽度のものは放置しておいて構わないのです。(良性の不整脈)ただし,心筋梗塞後の不整脈は,良性のものでも注意しなければならないことがあります。 これら限られた時間の心電図変化や,本人の気付いていない不整脈を捉えるには, 一日中の心電図を記録するのがもっとも確実です。
注意点
1.つけたままで整形外科や接骨院等にいかないでください。マッサージなども心電図が乱れてしまいます。精密な電子製品ですので,電気治療や赤外線等の治療器,静電気による治療などは機械をこわすおそれがあります。同様に電子レンジにあまり近づくのも避けてください。携帯電話や無線もも遠ざけてください。
2.機械は濡れてはいけないので,当日はお風呂に入れません。
3安静にしすぎるとかえってわかりにくくなります。.普通に生活していただいてかまいませんが,機械に強い衝撃が当たるような行動はさけてください。
4.前あきの下着を着てきてください。長いスリップなどは機械をつけにくくなります。前があかなくても短いシャツなどにしてください。
5.24時間ではずさないといけません。次の日のほぼ同じ時刻にこれる日を選んで,つけに来てください。
6.一週間に数回しか起こらない発作も,本人が気付いていないだけの場合が多いので,検査を受けてください。しかし,稀には発作がつかまらない場合もありますので,気になれば,何度もくりかえして受けてみるのが重要です。
7.少しでも不快感や胸の痛み,不整脈などいつもと違う感じがあれば,遠慮なく機械の前の破れたような小さな窓から,一番大きなボタンを指でゆっくり押してください。前後3分間が拡大記録されて,異常が良く解ります。多く押すほど,はっきりしますので,遠慮なくどうぞ。できれば,そのときの時間を記録して報告してください。
8.薬の効果でどれくらい発作が減ったか,薬があっているのかの判定に,非常に重要です。薬が効いている方も繰り返して受ける必要があります。
河合 医院