郵便番号の7桁化で業界は潤っているようです。印刷物の変更,はんこの作り替え,コンピューターのプログラム変更,莫大な経費がかかります。発案者の郵政事務次官は関連業界に天下りできて結構と言うものです。
郵便番号の読み取り装置はNECと東芝の独占で,さらに,一台ずつ交互に入札しているという,りっぱな談合でありますから。
(追記)1998年4月朝日報道より(普通これくらいの記事なら大きく一面に載ってもよいのに3面の小さな記事で載せているのが滑稽ですが。)NECポスタルテクノレス社長に郵政省東京貯金事務センター所長が,郵政政務次官がが顧問に,東芝の日本自動機器保守社長に郵政省資材部長が(物資調達の責任者),その他重要ポストに両社あわせて50人以上が天下りをしています。さらに,東芝の特約代理店の極光電機産業にも郵政省官僚が天下りしています。機器の調達総額は2500億円以上になります。(追記終り)
お年玉付年賀状の寄付金の使われ方も奇妙です。貧しい方への生活援助に使われると思われていますが,実際は放送番組センターなど福祉と関係なさそうな(郵政省に関係のありそうな)団体にも多額の資金が支払われています。1位は日赤ですが,寄付金額第二位には何と,日本郵便友の会で1億8500万もです。もちろん,天下りする人を,書く必要もありません。善意の寄付を利用した,政府官僚による詐欺です。
新聞社も関連放送会社があり,第3種郵便物認可,衛星放送への進出やインターネット進出もあるので,批判できないのでしょう。
被害者が医師だけというので,あまり知られていませんが,同じ様な事が3月から行われます。何の予告もなく,6ケ月位で全面的にカルテをB5判からA4判に変えろとの,厚生省のりっぱな通達です。法律で改正されたのではありません,役人の通達です。それなのに,強制力があります。
「国際的に通用するのはA判だからと」いう御立派な理由だからだそうで,役所の用紙もAに変わるからだそうです。持ち運びには便利という特性がありますが,B判は確かに美濃紙という日本独自の規格から出たもので国際的には通用しません。
まったく,日本語で姓名の書かれた,日本の商品の薬品名で書かれた日本のカルテを,国際的に通用させていただくという,お役人様のありがたい「国際的視野にたった」提言は,まことに迷惑なものです。
一番困るのは,カルテの整理棚です。大きくなるので現在の整理棚をすべて入れ替える必要がでてきます。これだけでも,小さな医院でも十万円以上の出費です。大きな病院の棚を変えるのは大変です。改築するわけにもいかず,大きくなった棚を入れるにはどうしたら良いのか,頭が痛くなります。紹介状や,それを入れる封筒も作り直す必要があります。病院では,カルテに表紙をつけたり,バインダーで綴じているのが多いので,これを入れ替える経費も大変です。コンピュータプログラムは改変する必要があります。全国で在庫のB判カルテは処分されます。CO2排出制限を京都で討議した3月後です。関連業界は大いに潤っています。
将来的にはA判化するので,B判との混在を十年くらい猶予するという通達ではいけないのでしょうか。規制緩和とはどこの国の言葉でしょうか。
どこかの国士風にいえば,「この国のかたち」とはこういうことです。