肝臓治療の最近の傾向


  

 

 

 


慢性肝炎について

インターフェロン・リバビリン・セロシオン花盛りでした。つまり、いままで難治性で治癒率の悪かったものが、インターフェロンと新しい抗ウイルス薬でかなりの治癒率が見込めるということです。
さらにどうすれば治癒率の向上できるかという事に議論が集中しています。

結構副作用の熱などで不快になるのも事実です。このため、患者さんでもインターフェロンを嫌がる人が多いのですが、かなりの治癒が見込めるので、科学的にはインターフェロンを使わないほうが理解に苦しみます。

治療目的は肝臓ガンによる死亡を減らすことです。仮にウイルスが消えず治癒しなくても、肝臓癌の危険はほとんどなくなりますから、治療しないほうがおかしいと思います。積極治療を薦めます。

肝臓癌について

手術で癌の周りを十分離して取れば、再発は少ないのは異論がありません。限局したものには手術は有効です。

手術しないときに関しては、 RFつまりラジオ波治療が花盛りで、いままでは主流だったアルコール治療は恥ずかしくて発表できない雰囲気でした。肝臓癌は小さいうちは薄皮(線維被膜)に包まれたまんじゅうのようなものです。アルコールを注射すればあんこの部分の癌は死にます。しかし、少し大きくなると饅頭の中にさらに饅頭が入っているような状態になります。皮が入り込んでくるようなものです。ここに、アルコールを注入しても皮が邪魔になり全体にアルコールが行き渡らない恐れがあります。ラジオ波で熱をかけると、アルコールと同様に癌は死にますが、熱は薄皮に関係なく回りに伝わりますから、理論的にはラジオ波のほうが再発が少ないだろうといわれています。このため、医師の間ではラジオ波が一大ブームになっています。3個以内、3cm以内くらいが大方の目安です。

患者さんの為になると思い、医師も飛びついているのですが、科学的にラジオ波の方が絶対いいというデータは存在しません。東大が実証するために、ランダム化試験を発表していました。ところが、統計的に差は出ませんでした。ラジオ波は最近開発されたものであり、3年の経過しか見ていませんので、差が出なかったのが最大の理由と思われます。今後の検討が必要です。

ラジオ波にも針にいくつかの種類があり、癌の焼け方にも差があります。これも、検討課題ですが、最近はクールチップというのが主流のようです。
ラジオ波にも欠点があります。針が太くて、あまり深くて角度がつけにくいときには針を刺すのが困難です。 アルコールは針が細いので、かなり面倒な角度や深さでも実施できることが多いです。

機械の値段は300万円台で医療器械としては安いほうですが、使い捨ての針の値段は一本10万円程度するのも欠点です。医療費抑制の折に針の値段が保険では引き合いません。
アルコールなら、針の値段だけでかなり安いので、どこの病院でも可能です。

どの治療法にせよ、早期発見が重要なのには異論がありません。

追加

驚異のアガリスク・プロポリス・クロレラ・さめ軟骨の発表は日本肝臓学会にはありません。学会は発表を受け付けます。自信があるなら、学会で慢性肝炎や肝癌への効果を発表すればよいのです。できないのは、効果がいんちきだからにほかなりません。

医師より金儲けの業者を信じるのは馬鹿のすることです。

2000.08.01
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河合 医院

初級システムアドミニストレーター 河合 尚樹

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