社会のウソ、バラします
(以下の文章は「檻のなかのダンス」P236-253のものです。図、写真は省略してあります。)
覚醒剤に関して、国が大がかりな情報操作をしていたのを知ってしまったので、バラしてしまう。自分まで迷惑を被ったし。
とりあえずこれを読む前に、今持っている覚醒剤についての知識やイメージは、"常識"や"事実"じゃなく、単なる「ひとつの説」だと思ってほしい。しかもそればかり聞かされてきて、他の説を聞いたことがなかったのだと。実際にそうなんだから。
で、その知識は全部デタラメです。なんて言っても信じてもらえないだろうが、これを読み終わった時には、そうでもなくなっていると思う。
[1] 幻覚・妄想も、寝れば治る
覚醒剤と言えば「一度手を出したらやめられなくなり、いずれ幻覚・妄想や凶悪犯罪に行き着く」恐怖のクスリのはずだ。今は第3次ブームだそうで、確かに覚醒剤をやっているヤツはたくさんいる。なのに錯乱してるヤツとか、覚醒剤凶悪犯なんて全然いないのはなぜなんだ?
実は「覚醒剤=幻覚・妄想・凶悪犯罪」というのは、世界でも日本だけの"常識"なのだ。ヨーロッパヘ行ってドラッグの本や雑誌を見て気づいたが、薬害としての「幻覚・妄想」は「不眠」なんかと一緒に「やめて数日寝れば治る」と軽く扱われていた。これが欧米の研究者の一般的な見方なのだ。
しかし日本の研究者だけが、「幻覚・妄想は少しずつ蝕まれた脳の致命的な損傷のせい」という独自の説を主張しつづけて、国際学会でも孤立しているらしい。しかもその説は、50年代のヒロポン・ブームの頃、つまり脳のことなど何もわかっていない時代に、特に根拠もなく提唱されたものだ。
確かに幻覚・妄想が長引いたり再発する人はいるし、それは欧米でも認められている。「パーセンテージ」の問題なのだ。おそらく使用者全体の1%未満であろう幻覚・妄想例や、さらにその1割程度の「再発(フラッシュ・バック)」の症例ばかりを取り上げて発表しまくり(欧米ではむしろ、覚醒剤によるフラッシュ・バックは否定されている)、専門書をよーく見ると「(幻覚・妄想の)80%を超える大部分の患者は断薬により1ヵ月以内(その多くは10日以内)に精神病像が消褪する(*1)」なんて書いてあるわけだ。
「再発」ケースにこだわる理由はまず、最初に「脳の損傷説」を唱えた人が、今も日本の覚醒剤研究の神様扱いで、今さらそれが間違いだとは言えないから。引くに引けず、その説に合うような再発例ばかり調べてるわけ。
さらに大きな理由は、そもそも研究者が撲滅運動をやっているから。それなら「寝れば治る」より「致命的」のほうが都合がいい。これはもう研究というより「撲滅運動」の一環なのだ。世界では相手にされない説でも、何も知らない国民に信じさせるのは簡単だ。こうして悲惨な例ばかり、さらに誇張して徹底的に広め、今あるイメージを作り上げたのだ。本当に。
[2] 警察ザタを起こす使用者は0.1%未満
では"乱用者"の何%くらいが、犯罪や事故などの本当の問題行動を起こすのか? 統計では「覚醒剤に起因する事件・事故」つまり"警察ザタ"は、70年代から今まで平均すると、多く見積もっても年間200〜250人程度だ。(*2)
また年間の検挙(逮捕や書類送検)者数は、ここ20年ではだいたい平均2万人くらい。実際の"乱用者"は検挙者の15〜20倍いると見るのが無難な線なので、30万〜40万人。とすると、警察ザタを起こす「迷惑な人」は、乱用者全体の0.05〜0.08%程度となる。つまり0.1%未満……だよ。1000人にひとりもいないって。これは「ほぼ全員が、騒ぎも起こさずに大人しく使用している」ということだ。
日本の覚醒剤史上で、幻覚・妄想から通り魔殺人をしたのは、川俣軍司ただひとりのはずだ。なのに全員そうなるようなイメージ操作を、誰かがやってきたらしい。
[3] 「生涯使用率」オランダで4%
「使用者はどんどん"幻覚・妄想"という破局へ向かっている」っていうイメージもウソ。オランダの大学で一般人を対象に毎年やってるアンケートで、覚醒剤の「生涯使用率」を聞いてみると、例年4%くらい。「ここ1年の使用率」を聞くと、これも例年0.1%くらいなんだそうだ。「覚醒剤の生涯使用率」という言葉すら信じがたいのに、この結果は「一生やり続けるけど、ここ1年はやってない」という使用者のほうが、圧倒的多数派だ、という意味らしい。みんな覚醒剤を休み休み、末長く使っている、と。実際に日本でも使用の長期化は、密かに大きな問題となっている。
自分の入った留置場に覚醒剤歴10年、逮捕は4度め、刑務所には2度入っているヤクザの人がいた。週に1gなんてペースでやっている時に、突然1年半とか刑務所にブチ込まれるわけだが、禁断症状なんて全然ないそうだ。世間で言われてることは「全部ウソ」で、それは自分のまわりでは常識だそうだ。ついでに「出たらまたやりますよ」とも言ってた。
20年覚醒剤をやり続けた末に、一切やめた人にも会ったことがある。
酒のことを考えてみればいいのだ。「絶対やらない」とか「キッパリやめる」なんて極端な決心などするほうが変で、みんな中毒にもならずに一生飲み続けているはずだ。覚醒剤だけ逆に、そんな極端な付き合い方しかできないはずがないのだ。同じドラッグなんだから。
[4] どんどん罪が重くなる
では覚醒剤の所持や使用が、いつの間にこんな重大犯罪になったのか? これがまたひどい話なのだ。
1951年 戦時中に、国が軍と工場で半ば強制的にやらせていた覚醒剤の残りが、戦後民間に放出され「ヒロポン」ブームとなり、「覚せい剤取締法」制定。製造や所持・使用を禁止したが、罰則は「3年以下の懲役又は5万円以下の罰金」だった。
1954年 ブームはやまず、また「取締法」改正。所持や使用の罰則は「5年以下の懲役又は10万円以下の罰金」と強化された。
1955年 乱用者は推定50万人にのぼり、またまた「取締法」改正。製造の罰則を強化し、ブームは鎮まったが、これにより、流通をヤクザが一手に握りだす。
1973年 第2次ブームにより、「取締法」7度目の改正。所持・使用の罰則は麻薬と同じ「10年以下の懲役」、製造や輸出入は最高で「無期懲役」に引き上げられた。ドラッグを憎む厚生省とヤクザを取り締まりたい警察庁が撲滅運動を引っ張り、医学的研究も本格的に始まった。それでも裁判ではまだ微罪扱いだった。
1981年 深川通り魔(川俣軍司)事件が覚醒剤のイメージを決定し、撲滅運動が爆発。判決も飛躍的に重くなる。政府が乱用者30万人と推定。
1982年 凶悪犯罪が急に減りだし、今に至る。
1984年 女性の服役者の半数以上が覚醒剤犯。
1986年 大阪の検事長が裁判官に「重罰主義」を要求。教育機関、地方行政でも撲滅運動が始まる。
1998年 以後、法改正、さらなる重刑化の要求、取り締まりの強化が続く。「需要根絶」のため末端使用者まで徹底して逮捕する方針で、男子受刑者の4人にひとり、女子の半数が覚醒剤犯という異常事態が続いている。
彼らのほとんどは、何かしたわけでもない、単なる個人的な所持や使用だろう。これはもう、取り返しのつかないようなことをしてしまってるんじゃないのか?
大体同じ「覚醒剤の使用」について、「強制→合法→微罪→重罪」なんて、50年くらいの間に好きなように変えてるんだから、「今の法律が間違ってる」って言っても全然おかしくないはずだ。付き合いきれない。
[5] 情報コントロールの仕組み
では、なぜチェック機能が働かないのか? 運動組織の構造を見ればわかりやすい。
撲滅運動は、厚生省、警察庁、研究者集団が三位一体となって推進されている。犯罪に関する情報は警察が握り、医学・薬理学的情報は研究者集団が厚生省の研究費で作り出す。つまり覚醒剤に関する情報はここに集中してしまっているため、外からのチェックができず、それを信じるしかなく、自由自在な世論操作、法改正、捜査・逮捕、重罰化……等々ができるようになっているのだ。
これらの監視のもとで、その情報を一層大げさに広めたマスコミの役割も極めて重要だ。また教育機関や地方自治体は、子どもから老人まで、社会の隅々にまで撲滅情報を浸透させた。
覚醒剤に関しては事実上「恐怖政治」が行なわれていると言えるのだ。その証拠に、"強制収容所"は罪もない人であふれてるし。
[6] 世界と日本の落差
海外での覚醒剤の取り締まり方を見ても、この国の異常さは際立つ。
(1)イギリス
違法ドラッグは次のようにランク分けして取り締まっている。
Aクラス:ヘロイン、コカイン、LSD、エクスタシーなど。
Bクラス:覚醒剤(ただし注射で打っている場合はAクラス扱い)、大麻。
Cクラス:睡眠薬、精神安定剤、鎮痛剤など。
個人の所持・使用に関する罰則は、Aクラスでは5年以下の懲役だが、B、Cクラスでは不起訴処分、つまり"訓戒"など。訓戒……か。「ダメだぞ」なんて。
ヨーロッパでは主に、実害を少しでも減らす政策への転換が行なわれ、単に禁止を叫ぶよりも、正確な情報を提供することが目指されている。「JUST SAY NO」から「JUST SAY KNOW」へ、というヤツだ。つまり麻薬の撲滅なんて不可能だと判断したのだ。日本も覚醒剤に関してなら大差ない状況なんだが撲滅以外、眼中にないようだ。
(2)アメリカ
覚醒剤ではないが、類似の作用を持つコカインの広まりに対して、80年代レーガン政権のもとで、日本がやっているような情報操作と「重罰主義」を実施した。しかし効果があがらない割に費用がかさみ、結局失敗に終わった。これは日本政府もよく知っている事実だ。しかも「重罰化」した時点でも、日本よりは軽かったりするわけだが。
(3)東南アジア
タイ、ミャンマー、マレーシアなどの東南アジア諸国では、のきなみ所持だけでも死刑という極端な"極刑主義"を取っていて、外国人でも所持だけでガンガン死刑にするので、これはこれで大きな国際問題となっている。
それとどの程度関係があるか知らないが、日本の撲滅派がこれらの国に積極的な麻薬取り締まり指導を行なってきたことは確かだ。
そして日本の覚醒剤撲滅の中心人物が、「東南アジアではもう100人近くも死刑にしてるのに、その効果があがらない」と嘆いている。こういう人なら、国内でだって、どこまでも「さらなる重刑化」を叫び続けるだろう。普通の人と違うから。大健全なんだから。
[7] アルコールとの比較
次はアルコールの規制の歴史や薬害を参考にして、この国の覚醒剤の扱い方の間違いを見てみる。
(1)取り締まりの歴史
19世紀以降、先進諸国では蒸留酒の量産とともに暴飲などの"酒による害"が増大したため、アルコールが社会悪視されだした。20世紀に入ると、酒害の医学的研究も本格化し、各国で禁欲的なキリスト教徒を中心に「禁酒運動」がさらに盛り上がった。日本では婦人風紀団体「日本基督教婦人矯風会」などが、禁煙や売春禁止などと一緒に禁酒運動を進めた。酒も今の覚醒剤のように見られた時期があったわけだ。
1909年 日本も含めた主要国間で「国際禁酒連盟」が結成される。
1919年 アメリカで「禁酒法」が強引に施行され、酒の販売と製造が禁止される。しかし人々は飲酒を止めず、マフィアが密造や密輸を仕切った。アル・カポネがヒーローになり、一般に"法"を軽視する風潮が高まった。
1922年 日本でも「未成年者飲酒禁止法」制定。これはさらなる禁酒への第1ステップと考えられていたようだ。
1933年 結局アメリカは収拾のつかない"無法時代"を迎え、「禁酒法」は破綻、廃止。以後代表的な"悪法"として語りつがれている。日本の禁酒運動は戦争によって挫折したが、法律は残り、現在でも未成年者の飲酒は"違法"になっている。
今の「覚せい剤取締法」はこの「禁酒法」そっくりに見えるが、撲滅人たちはこのことを知ってるんだろうか。
(2)依存性と耐性の比較
WHOによると、各依存性薬物の薬害は次ページの表の通り。(省略)
覚醒剤は精神依存(脳が欲しがる)の度合いは、アルコールよりやや強いものの、身体依存(手が震えたりして、体全体が欲しがる)はないとされる。
総合的に見ると、アルコールはへロインに次ぐ強烈な依存性を持っているわけだ。中毒になると幻覚・妄想や凶悪犯罪も誘発するし、さらには痴呆になったり、内臓がやられたりするという、かなり危険なドラッグなのだ。なのに我々は酒を飲んでいるし、社会も乱れない。「酒はいいのになんで覚醒剤はダメなのか」程度のことで、撲滅人を言い負かせそうだ。
簡単に言えば、今の覚醒剤の取り締まりは、酒に酔って人を殺したヤツがいたからといって、酒を飲む人を全員逮捕しているのと同じことなのだ。
[8] 狂わないための注意
最後に実用的な情報。幻覚・妄想を見ずに気持ちよく覚醒剤を使い続ける方法について。使用者は必読。自分の身は自分で守るしかない。
(1)まず、世間で言われていることを、一切信じないこと。「手を出したらやめられない」と思えば、やめられなくなる。精神依存というのはそういうものなのだ。そして「被害妄想になる」と思えば、そうなる。「切れたら手が震える」と思っていて、実際に手が震えていた人に「それはアル中の話。覚醒剤はぐったりするだけ」と言うと、次は異常にぐったりしてしまったが、そもそもやったのは退薬症状とかいうレベルの量ではなかった、ということもあった。全部気のせいだったのだ。
(2)寝るか休むこと。単に頭の疲れすぎでも幻聴が聞こえたりするのに、脳を過剰に活動させたまま、3日も起きっぱなしなんてのはヤバイ。そんな状態では、何もやってなくても幻覚・妄想がでるだろう。
(3)食べること。脳にはエネルギーが貯められないので、補給を続けないとすぐに燃料が切れる。脳のエネルギー・ブドウ糖になるのは、まず砂糖などの"糖分"。それと"炭水化物(デンプン)"、例えば米やパン。こういうのを食べるといい。
ただでさえ脳のためには「休む」と「食べる」のふたつが強調されるのに、覚醒剤をやると、見事に両方とも欠落する。そのうえ脳は異常に活動している。このトリプルパンチでヨレヨレの脳に「狂うぞ、狂うぞ」と(自己)暗示が加わる。これら4つの要素が幻覚や妄想を引き起こす大きな原因じゃないか、というのが自分の説だ。
これらに気をつけてさえいれば、どれだけ量が増えても、頭は壊れないような気さえする。
つまり日本人は「やめられないぞ」「幻覚・妄想が出るぞ」という脅迫と、異様な緊張感がのしかかる最悪の環境(セッティング)のなかで覚醒剤をやってきたのだ。日本人ばかりが見る幻覚だの妄想だのは、そのためのバッド・トリップなんじゃないのか? 「追われてる」「見られてる」なんて類型的な被害妄想ばっかりだし。
とにかく、あまり緊張せずに、ウソは思い切って無視して、心に余裕を持ってやるのがいいと思う。やめられなきゃ、やめなければいいし。カネがあるなら。
向精神薬の世界では最近は「無理にやめなくていい」という意見が主流だ。自分にも経験があるが、「やめなきゃ」と思っていると、依存やら"禁断症状"まで感じていたのに、そう思わなくなったらそんなもの何も感じなくなった。一生やってりゃいいんだよ。
[9] 参考 その他のドラッグの使用上の注意
●大麻 アムステルダムなんて街全体でやってても大丈夫なんだから安全に決まってるが、気持ち悪くなってゲロを吐く人もよくいる。誰でも感覚が変わるのは同じだけれども、これを気持ちいいとも気持ち悪いとも感じることができるわけだ。焦って考えたりすると、わざとダメにした脳が高速カラ回りするだけ。感覚が変わること自体を「気持ち悪い」と思ってしまってもダメ。ゆったりしているのがいいと思う。
●エクスタシー これも安全だが、強力なモノもあるし、初めは半分にしたほうがいいかも。ビタミンやミネラル飲料を飲んでおくと下がってきた時に"ベター・ムード"と欧州の雑誌によく出てた。水の補給は忘れずに。
●LSD これは意外に要注意。最初は絶対に経験者にいてもらおう。何も知らずにひとりでやったら発狂するかもしれない。大脳に入れる情報の量を調節する「視床」をいじって遊んでいるので、色や音といった外からの情報がドーッと脈絡なく入ってくるだけでなく、普段は感知しない脳のなかの情報まで入ってくるため、目を閉じても眩しかったりする。自分が発狂したと思った人もいたが、これもゆったりしていればいいと思う。3〜5時間もすれば必ずもとに戻る。
[10] 付記 「人格改造マニュアル」(*3)の「覚醒剤」の項目の訂正
情けないことに、自分もかなりだまされていたので、間違っていたところを訂正します。
(1)まずは「いずれは幻覚・妄想に行き着く」といった書き方をしている部分が、すべて誤りでした(例えば、P37、5行めの「すでに、幻覚・妄想とは背中合わせ」等々)。どんなに量が増えても、それは耐性が強まっただけで、幻覚・妄想に近づいたわけではない。でも量を増やさないのに越したことはないというのは同じ。個人の勝手だけど。
(2)P40、13行め。幻覚を見ても、病院に行く必要はなかった。断薬して寝るだけでいい。当然ながらP41、2行めの「分裂病治療薬で治る」も間違いだが、なぜか国内ではこういう治療が行なわれている。
(3)P34など、全般にわたって「禁断症状」があるとして、「イライラ、ソワソワする」「苦しい」などと書いているが、すべて間違い。退薬症状として一般的に言えるのは、今のところ「だるくなる」だけのようで、"禁断症状" (退薬症状のことだが)の名にふさわしいものは特になかった。これを読んだせいで"架空の禁断症状"が出てしまった人がいたら、本当に申し訳なかった。
また「だるくなる」にしても、自分は海外で覚醒剤を1ヵ月に4gもやり続けて突然やめたが、その直後、だるかったかどうかはよく覚えてない。そんなもんだった。
以上。日本の文献はこういう操作に気をつけて読んでいたつもりだったが、まさか「寝れば治る」とは思わなかった。申し訳ない。
海外に行ってこれらを全部知った時には、本当に驚いた。自分で言うのも変だが、こんなでかいウソは、「原発は安全です」以来久々に出くわしたと思った。
この問題は、他でもない自分のためにも、今後も追っていくつもりだが、こうなるとどのデータも信用できないので、無力感に襲われる。広瀬隆は偉大です。
さて。「覚醒剤に関するあなたの知識は、全部デタラメです」。そんな気もしてきたなら、とりあえず成功だ。
*1 - 『覚せい剤精神病−基礎と臨床−』(佐藤光源、柏原健一共著、金剛出版。佐藤氏は現在の日本の覚醒剤研究における中心入物)
*2 - 警察庁調べ。「起因する犯罪・事故」のなかには、幻覚・妄想のせいではない、やり取りをめぐって刺したとか、買うカネほしさに盗んだとか、覚醒剤のせいとは言えないものがほとんど。
*3 - 自著。太田出版刊。