24-Aug-97 新登場


リンゴ酒とリンゴ酒場


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◆ リンゴ酒場ガイド (24-Aug-97 記)

◆ フランクフルトのリンゴ酒って? (予告)

◆ リンゴ酒を飲む人、飲まない人 (予告)





まえがき(24-Aug-97 記)


HP開設から約1ヶ月、これまで書きたかったことばかりヤミクモに書いてきたのはいいが、一歩下がって読み返してみて気が付きました。「役立ち情報」が全然ない! よって、泥縄的にこのテーマに行き着きました。

さて、日本の観光ガイドブックで「フランクフルト」の頁をひくと、必ず出てくるのは「ゲーテ」と「リンゴ酒」ではないかと思います。実は僕の初めてのヨーロッパ旅行は11年前の新婚旅行で、その最初の訪問地がここフランクフルトだったのですが、完璧にお決まりのパターン通り、昼間はゲーテハウスへ行き、夜はザクセンハウゼンのリンゴ酒場でリンゴ酒を飲みながら「リップヒェン・ウント・ザウアークラウト」を食べました。で、第一印象は、「えっ??? なんか変な味。あまり美味しくない!」

でも、そのままでは話が進みません。それに何の因果か、6年後にはここへ住むことになりました。それで「あの時の印象、今ならどう思うだろう?」と言う訳で、もう一度いろいろ試してみた次第です。幸い、上の一言で済ませるようなものでもなさそうです。





いきなり、リンゴ酒場ガイド(24-Aug-97 記)

唐突ですが、リンゴ酒場ガイドから始めましょうか。書き手の趣味がどうあれ、「役立ち情報」と言えばこれが一番ですからね。但し、僕もさほどあちこちのリンゴ酒場を飲み歩いてはいません。(その辺の話は後ほど。)それに、食べ物・飲み物のうまい/まずいは、何といったって個人の主観の問題です。以下の★印も、全く筆者の主観によるものです。その辺はご容赦を。


--- まずは、「リンゴ酒場」として広く紹介されている店から ---


(1)★ Germania (Textorstr. 16 無休)

ザクセンハウゼン地区でも、マイン川近くのいわゆる「観光飲み屋街」とは国道を隔てた反対側、Sudbahnhof(南駅)に近いところにある。駅から北東の方角へ歩いて5分程。詳しくは、地図で通りの名前を探して下さい(他も同様)。この店が我が家の一番の好み。何がと言って、やはりそれらしいリンゴ酒を飲ませるから。アルコールを飲まない人のためのリンゴジュース(Apfelsaft)はあるが、ビールはない。というより、この手の店で「ビール!」と言うと、「おとといおいで!」と、あしらわれる。ここの雰囲気もまたいい。いかにも「地元客でいっぱい」風である。でも実はヨソ者観光客もいっぱい来る。それでも(3)以下の店よりは少ないと思う。

もし9月後半から10月(リンゴの収穫期)にここへ行って、運がいいと、中庭の一角に板切れで簡単な囲いを作ったことろにリンゴが無造作に積み上げられているのと見ることが出来る。数日ずれると、かわりに絞りカスの山になっていることもある。脇の地下室(季節には入り口までは開放しているので中が見られる)では、銭湯の風呂オケみたいな発酵桶(?)があり、リンゴ酒が如何にシンプルに作られるかが納得される。もっとも、ここで作られる分だけでこの店の年間消費をすべてまかなっているのかどうかは僕には知る由も無い。でもとにかく、「中庭のリンゴの山」を見て以来、ここのファンである。


(2)★ Kanonensteppel (Textorstr. 20 日曜休み)

上記Germaninの隣合わせ。雰囲気もほとんど共通。コースターは同じ物を使っているけど、経営まで全く同じなのかどうかは知らない。

たまたま手元にあったガイドブックには両方でていたのだが、「Germania」とは何ともインターナショナルな響きがして、いかにも外国人観光客が寄ってきそうな先入観を持っていたので最初のうちは避けていた。やがてそうでもないことを知る。


(要注意) (名前忘れた) (Textorstr. ??)

上記2件のすぐそばに、一見雰囲気の似た店がもう一軒ある。例の2軒が満席でも、ここは空いていることが多い。なぜか? やはりそうなんでしょうね。(営業妨害しちゃいけない。) 最初の頃、「空いてて良かったね」といって入ったら、スーパーで売っているようなガラス瓶入りのリンゴ酒を陶器のカラフェに移し替えているのを見た。以来、我が家は行かない。


(3)★ Wagner (Schweizerstr. 71 無休)

どんなガイドブックでもまず筆頭に挙げられている店。これまた「観光酒場街」ではなく、南駅から西南西へ5分程の、商店の並ぶ広い通りにある。(1)や(2)より格段に大きく、「如何にもリンゴ酒場風」の雰囲気も同様だが、ややキレイ。敢えて難点を挙げるとしたら、チョー有名なので入れないことが多いのと、あまりに観光客・ビジネス客が多く、「地元飲み屋風」の雰囲気に欠けがち。


(4) Zum gemalten Haus (Schweizerstr. 67 月・火休み)

住所で分かる通り、Wagnerのすぐそばにある。雰囲気も似ている。でも実を言うと、数年前に一度入った後、一度も入っていない。決してその時の印象が悪かったわけではない。単に、リンゴ酒場にさほど行かなくなっただけ。だから、善し悪しをコメントできない。ただ、この店も裏庭で自家醸造している気配。


(5) Zum grauen Bock (Grosse Rittergasse 30-54 日曜休み)

今度は、正真正銘、川近くの「観光飲み屋街」にある大きな店。リンゴ酒の他、ビールもワインもあるし、それらを注文しても嫌な顔をされない。食事も、前4者に比べると品数もずっと多い。......ということは、いまいちここは「典型的リンゴ酒場」ではないということ。

もう一点「個人的難点」を挙げると、ここはどうやら日本からの団体ツアーの御用達酒場の一つらしい。それに、日本からビジネス客を当地の駐在員(僕のような)がご案内するのにも良く使われる。ある時など、店内の客の7〜8割が日本人だったことがある。だからというわけでもないが、プライベートではまず行かない。

但し、この店の名誉にかけて補足しておくと、内装の雰囲気は悪くはないし、食事の種類と質はかなりいい方だと思う。アコーディオン演奏も入ったりして、開き直って「観光客」に徹するには良いだろう。それと、メニューが独語・英語併記で便利(上記4軒はドイツ語のみ)。もしかしたら別に日本語メニューもあったかもしれない。


(6) Fraa Rauscher (Klappergasse 5-7 無休)

同じく、「観光酒場街」にある店。どのガイドブックにも殆ど出ている。残念ながら入ったことがない。


--- 次に、「リンゴ酒場」ではないがリンゴ酒も飲めるお気に入りの場所 ---


(7) Gaststaette Oberschweinstieg, "Wilddieb" (住所不詳 休み不詳)

始めにお断りしておくが、私見ではこの店は何の変哲もない普通の大衆ドイツ飯を出す店にすぎない。この店の最大の価値はその立地にある。というのも、この店はフランクフルト市街と、その南隣のノイ=イーゼンブルク(Neu-Isenburg)の街の間に横たわる森のド真ん中にある。地図では、その脇にある大きな池が目印となる。従って、その真価は屋外のビアガーデンが開いている季節に、外で飲み食いすることにある。

車で行くか、我が家のように近所の者は森の散歩がてらに歩いて行く(家から30分)のが一般的だが、街から近いのでタクシーで行っても高くない。公共交通機関にこだわるなら、市電の14番(南駅:Sudbahnhofでの乗り換えが便利)のNeu-Isenburg方面に乗り、終点の1つ手前のOberschweinstiege(敢えて訳すと「上・ブタの山道」という愉快な地名)で降りると、歩いて数分の所にある。市電とはいうものの、このもう一つ手前の駅からは森の中を突っ走る。(道路と並走ではなく、市電だけが走る。)


(8)★ Frankfurter Haus (Darmstaedter Landstr. 741 無休)

行政区分上はフランクフルト市内にあるが、実際には南側の森を抜けた隣町ノイ=イーゼンブルクの市街の北の端にある。前出の市電14番の終点の駅前。

前出の(5)と同様、何でも飲めて何でも食べられる店。建物の中は普通の伝統的な郊外のドイツ飯屋の感じで悪くなさそうだが、我々の好みは屋外のビアガーデン。セルフ席とサービス有り席に分かれ、後者では結構いいドイツ飯(そんなもの無いよ、なんて言う無かれ)メニューが豊富。他方、セルフ席側の脇には焼きソーセージ等のスタンドがあり、ここで買ってきて食べる。一画にはパン焼きオーブンもあって、焼き立てのプレッツェルなんかも買える。サービス有り側の席に居ても、このプレッツエルくらいは買ってきて食べてもいやな顔はされない。


(9)  Sachsenhaeuser Warte (Darmstaedter Landstr. 279 休み不詳。日曜ではない。)

更にもっと、なんの変哲もない店。だったらなぜ書くのかって?

もし皆さんが旅行か何かでフランクフルトのホリディ=インに泊ることになり、到着・解散したものの「腹も少し減ったが、街まで出かける元気も無い」といったような状況に遭遇したら(....というのも、このホテル、市街地内ではあるが中心から少し離れていてかつ公共交通機関はバスしかない。日本からのツアーの到着日にしばしばこういう状況が生じる....)、国道を挟んで右向かいのこの店をおススメする。

雰囲気は、上記(8)を少し縮小したような感じ。なんでこんなに詳しく書くかというと、実は我が家はこの近くに住んでいるから。車に乗らずにビアガーデンに行く(!)には最高の場所なので。ここで、たまたまいらした日本人観光客の方とお話することもある。




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