28-Jun-98 更新 ブドウ日記 (98年 その5) 6月28日(日) キートリッヒ(Kiedrich)のブドウ散歩とワイン祭り
結構ブドウらしくなってきた。
先週(まだ日記を書いていない...)に続いてのブドウ散歩。今日は久しぶりにキートリッヒの丘へ向かう。「あそこは確か結構上の方まで農道が舗装されていたなぁ」というわけだ。先週行ったラウエンタールのデコボコ地道が結構大変だったので。 自動車道(B−42)を降りたところで、「Rieslingfest, 26.-29. Juni」なるカンバンが目に入る。ちょうど今週末はキートリッヒの村のワイン祭りということらしい。祭りも楽しみであるが、まずはブドウチェックのために畑へ向かう。車は、Robert Weil醸造所に隣接する墓地の脇の空き地に止める。この場所も去年の秋ころからほぼ定着した。 小川を渡ったところからブドウ畑となる。先週のラウエンタールではまだ花が残っている所がほとんどであったが、今週のこの界隈ではもう花はほとんど見られず、一応みんな小さなブドウになっているようだ。山椒の実よりまだ小さい感じで、こんな具合である。写真でお分かりの通り、このころのブドウの房はまだ垂れ下がってはおらず、花の時と同様にだいたい上を向いている。 しばらく行くと、実がもう少し成長している区画も目に入る。冒頭の写真がそれだ。実はこれはリースリング種ではなく、赤ワインの材料となるシュペートブルグンダー種である。.....なんてエラそうなことを書いたが、素人のぼくはこの時期のブドウの樹を見てもブドウの品種なんて見当すら付かない。(専門家なら、葉の形や枝っぷりなんかで判るらしいが....) 何の事はない、垣根の端の杭に、品種を示すカンバンが打ち付けてあっただけのことだ。 今日来ているキートリッヒのブドウ畑は、おなじみのラウエンタールの丘のひとつ西隣の尾根の南西斜面に広がっている。よって、この尾根筋まで登ると、いつものラウエンタールの丘が、ちょっと違った角度から眺められるはずだ。実はこれが今日ここへ来たもうひとつの目論見であったが....果たしてその通り、こんな景色(注:本日の表紙と同じ写真)が目前に広がった。絶景かな、絶景かな! なお、ここでひとつ白状せねばならないことがある。先にも書いた通り、今日はデコボコ道は止めておこうと思っていたのだが....このラウエンタールが見渡せる尾根筋にいたる小道は、とんでもないデコボコ道であった。だが不思議なもので、ベビーカーの中の息子は、デコボコ道でガタガタ揺られても一向に不機嫌にならないばかりか、ほとんど目覚めることなくスヤスヤ眠っている。そしてもうひとつ面白いことに、一服しようと立ち止まると、かなりの確率で逆に目が覚めるようだ。 さて、一通りのブドウ散歩ののち、ワイン祭り会場へ向かう。以前のブドウ日記でも書いたが、祭りといってもこれといって特別なものがあるわけではない。村の中心の通りの交通が遮断され、広場には簡単なステージが設けられるほか、通りにはワインのスタンド等の屋台がこんな具合に並ぶくらいのものである。もっと言ってしまえば、ワイン産地ではない所の夏祭りや秋祭りも、規模の小さいものの場合はだいたいこんな感じである。強いて言えば、ワイン売りのスタンドがぐっと減って、ビール屋のスタンドが圧倒的に幅を利かせるようになるくらいだ。村の中心からちょっと外れた、普段は駐車場になっている広場には、仮設の乗り物のアトラクションなんかも出るが、まだ昼過ぎなので人気はまばらである。 結局我々も、とある酒場兼食堂の中庭の青空ベンチに腰掛け、ガス水と、水ではない飲み物を一口だけ飲みながら、茹でソーセージをかじって軽い昼食とした。去年まではずいぶんとこの手の祭りに出かけ、時には宿をとって腰を据えて飲んだりしたが、生後2ヶ月の子供連れではなかなかそう言う訳にも行かない。それでも、でっかいベビーカーを押しながらこんな祭り会場をうろうろしていても、それがごく当たり前のこととして受け入れられる社会は、つくずくありがたいものだと思う。
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