30-Aug-98 ブドウ日記 (98年 その10) 8月30日(日) ホーホハイム(Hochheim)
黒ブドウも、ずいぶん色濃くなってきました。
先々週の8月16日(日)もブドウ散歩をしたのだが、まだらブドウの写真を表紙に載せただけでブドウ日記を書いていなかったことを、すっかり忘れていた。が、今となってはちょっと億劫だ。勝手ながら「一回休み」ということで、今日の分を書くことにしよう。 今日は久々のホーホハイムである。ここは地形が比較的平坦なので、ベビーカーを押しながらのブドウ散歩にはらくちんで良いのだが、その分景色がいま一つなことは以前に書いた。そんなわけで、息子のブドウ畑デビューこそここで飾ったが、その後は他の場所へ行くことが多かった。 2週間ぶりのブドウ畑であるが、この時期の緑ブドウの様子は、刈り込んでも刈り込んでも、新枝がどんどん伸びるのを別にすれば、さほど目立った変化はない。それに対して黒ブドウの方は、ちょうど着色が進む時なので、色々な段階のものが見られる。中でも、このページの冒頭の写真に写っているやつは一段と着色が進んで黒々しているが、粒や房の大きさからして、この地方で一般的なシュペートブルグンダー種ではなさそうだ。それに対してこちらの方は、粒や房が小柄なところをみると、先々週の「まだらブドウ」と同じ、シュペートブルグンダー種ではないかと思うが、ほぼ房全体が黒くなっている。HP表紙の写真の黒ブドウ(そのうち表紙写真は入れ替わるのでここにリンクを残しておこう)もまた、結構着色が進んでいるほうだ。他方、みんながみんなこうなっているわけではなく、まだらブドウもまだまだ多く見かける。 なんだか黒ブドウの話ばかりしてしまったが、ここラインガウ地方では、赤ワインで有名なアスマンスハウゼン(Assmanshausen)村を除けば、圧倒的に緑ブドウから作られる白ワインの方が多い。とはいえ、ここ数年の赤ワインブームは当地でも例外ではなく、気候的に赤ワイン生産には向かないとされるのもものともせず、黒ブドウ(赤ワインとなる)の栽培面積は非常に増えていると聞く。ぼくの教科書とも言うべき「新ドイツワイン」という書物(1984年発行)によると、1980年時点のラインガウ地方全体での赤ワイン品種の栽培面積比率は3パーセント強となっているが、今や各地でのブドウ散歩の印象や産地の一杯飲み屋さんでの客の様子からも、はたまたスーパーなんかのワイン売り場での様子からも、ラインガウでも赤ワインの生産がかなり増えたことは間違いなさそうだ。時間があれば適切な資料を調べてみたいと思う。 ところで、前回のブドウ散歩の時にも気付いたのだが、今年のブドウの様子、ちょっと気になることがある。こんなふうになっているのが結構目に付くのだ。妻の話によると、先日TVのニュースで、「しばらく非常に暑くて雨の降らない日が続いたので、ブドウにある種の障害が発生している」とかいうようなことを言っていたそうな。残念ながらぼくはこのニュースを見ていないし、仮に見ていてたとしても、ぼくのTVニュースのドイツ語理解力は妻のそれと50歩百歩なので、ちゃんと理解できたかどうかは怪しい。どなたか、ご存知の方がいらしたら、教えてください。さて、こんなブドウばかりじゃ気が滅入るというものなので、健康なブドウもちゃんといることをご覧あれ。 この他、今日ちょっと面白いと思った風景を2つ。まずはこちらをどうぞ。ブドウの房が地面に散らばっているが、これはどう見ても自然に落ちたのではなく、人為的に間引きをしたものと見える。状態の良い房だけを残して高品質を保とうということかと思われるが、はたして一般的な作業なんだろうか。「教科書」によると、春先の枝の剪定の際に残す芽の数を調整することによって生産量を適性に保つのだとは書かれているが、この時期にこのような房の間引きをするという話は記憶に無い。もっとも、数年前の9月上旬にブルゴーニュのロマネコンティなんかの超銘醸畑を見物に行った際には、十分健康そうな房が多数地面に散らばっている光景を目にしたことはある。 次はブドウ垣根の間に植えられた草の様子など。土中の水分の調整等の為に垣根の間に草を植えること自体は極めて一般的なことで珍しくはないが、この写真のやつは、どう見てもつい最近に機械で種蒔きをしたようだ。こんな時期にやることもある、というのは知らなかった。 最後に、最近恒例の、本日のともくん。先日の寝返り初成功の話を聞いて、おととい以来何度か床に転がしておいてみたのだが、本日夕方、ついに再度成功した。もっとも、その瞬間は、ぼくはちょっと目をそらしていて、妻に言われて目を向けたら、裏返っていたという次第。
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