03-Jan-99 ブドウ日記 (98年 その13) 前回のブドウ日記は10月24日であった。仕事その他でちょっと忙しく、なんと2ヵ月以上も更新をしていなかったが、この間にも何度かブドウ散歩には出かけた。正月休みの最終日の今日、幸か不幸か天気も冴えず、どこかへ行こうかという感じでもないので、このブドウ日記を書くことにした。
久々の好天の週末、迷わずブドウ散歩へ。前回ブドウ散歩から4週間である。この前夜からかなり冷え込んだが、朝の自宅ベランダ寒暖計で−4℃かそこらだったから、まだアイスヴァイン収穫には至っていないようだ。
すっかり葉を落としたブドウの樹々
ビニール覆いのブドウも、まだまだ健康そのもの。
この間、週末になるとどうも天気がすぐれなかったりして、ブドウ散歩はご無沙汰していた。前回はまだ青々と茂っていたブドウの樹の葉も、その後の4週間ですっかり落ちて、どの樹も素っ裸である。それでいて、ブドウの実だけはまだ結構青くて健康そうなのがぶら下がっているのが何とも面白い。いわゆる「遅摘み」をする習慣の無いラテン諸国のほとんどのブドウ産地では、まず見かけることの無い風景ではないだろうか。 前回(10月24日)の時点ですでに周囲の畑でほとんど収穫が終わっていたのに対し、ここグレーフェンベルクの畑だけは4週間経った今でも大部分の区画が未収穫のままであり、更にそのかなりの部分が「ビニール覆い付き」である。この様子の「パノラマ写真もどき」を、その後の分と一緒に編集してみたので、興味のある方はちょっとご覧あれ。(3回分を1ヶ所に並べたので、全部で100kBほどになってしまった。) この後寒波は更に強まり、翌朝の自宅ベランダ寒暖計は−6℃まで下がった。街中でこれだから、ラインガウのブドウ畑ではもっと冷えているだろう。「もしかしたらアイスヴァインの収穫があったかな? でも、ちょっと早過ぎる(ブドウの糖度がまださほど上がりきっていない)かな??」等と気になるが、仕事や他のヤボ用でブドウチェックには行けなかった。 翌朝も、自宅べランダで−5℃。どうやら、この日曜日と月曜日でアイスヴァインの収穫に成功した醸造所がいくつもあるらしいことを、インターネットを通じて数日後に知った。地元ヴィーズバーデン(Wiesbaden)の地方紙なんかに速報記事が出ていて、「時期が早くで非常に健康なブドウから穫れたアイスヴァインなので、とっても良いものになりそうだと期待している」というコメントも出ていたらしい。 それにしても、あんなに大量にブドウを残してあったグレーフェンベルクの畑なんかではどうなったのか、ちょっぴり心配というか、興味深々である。この時期、収穫人もそんなに残っていないだろうから、仮にブドウが全部アイスヴァインに出来る状態にまで凍ったとしても、収穫しきれないのではなかろうか。思わず、自分の商売は自然相手ではないことに安堵したりした。
翌週末は、気温も上がり、小雨が降ったり止んだりの冴えない天気であったが、さすがにブドウの様子が気になるのでブドウ散歩を強行。 果たしてビニール覆いの区画がかなり減ってはいるが、ざっと見たところ、まだ半分かそこらは残っているようだ。この様子は、前述の「パノラマ写真もどき」をご覧あれ。 近づいて見ると、ビニール覆いの中のブドウは、もはや緑色の気配はなく、土色になっている。やはり、一旦凍ったのが再度融けたためか。とはいっても、極端にしぼんでいたり、カビていたりする様子でもなく、また落果もほとんど気にならない程度である。この状態のブドウからどういうワインが期待できるのかは、素人のぼくには全く見当もつかない。
すっかり色が変わった「ビニぶどう」
それでも、まだまだしっかり樹にぶら下がっている。
12月31日(日) キートリッヒ(Kiedrich) 前回ブドウ散歩から、またまた4週間経ってしまった。この時期のブドウチェックがどうしても甘くなるのは主に「クリマル」のためで、致し方ない。なお今年の場合、その間も特に寒波は無かったので、ブドウの痛みが進む以外には特に「変化」もなさそうなので、安心して(?)クリマルチェックに重心を移していた。 自動車道(国道42号線)から「Kiedrich方面」の出口を下りて、1分も走れば、見なれたグレーフェンベルクの畑が見えてくる。ざっと見た感じでも、「ビニール覆い区画」の範囲にはほとんど変化がないようだが、これは例の「パノラマ写真もどき」で確認できた。 近づいて見るビニール覆いの中のブドウはやはり傷みが進んでいて、所々にカビだらけの物なども見かけるが、この間の悪天候(雨多し)からするとむしろ「意外と、傷み方はひどくない」と言って良いかもしれない。元のブドウはとても健康だったのに、暖冬でなかなか凍る機会が無く、そのうちどんどん落果が進んだ昨年(97年度)の同時期よりは、「まし」のような気もする。その昨年も、結果的には1月下旬に大寒波が来て、なんとか残ったブドウからはきちんとしたアイズヴァインが採れたと言う(まだ飲むチャンスにありついていないが....)から、まだまだ希望は持てるということか。 さて大晦日のこの日、すべての商店は遅くとも14時までに閉まる。大晦日の準備で忙しい人もいるだろうが、これと言った準備もしないような人達はすることが無いので、ちょっと天気が「まし」なこの日の午後、ブドウ山で散歩する人の数も結構多かった。 残念ながら、この日はさほどめぼしい写真が撮れなかったが、2枚ほど紹介しよう。
ビニール覆いの破れ目から覗く、半端ブドウ。
ビニール覆い無しで残された区画の、裸ブドウ
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