14-Feb-99

サブ目次へ戻る。


ブドウ日記  (99年 その1)


1月31日(日) + 2月14日(日)


正月休み以来、今度は1ヶ月半ぶりの「ブドウ日記」更新である。

大晦日の時点でまだまだたっぷりブドウは残っていたが、1月の最初の3週間は相変わらず暖冬続きで、ブドウ畑にもほとんど変化が無いことは容易に想像がつく。ものの本には「アイスヴァインの収穫は時として年明けに持ち越されることもある」などど書いてある。といっても、大抵は1月の上旬から中旬までにそれらしい寒波が来てすべて終了するものだと思っていたが、昨年の場合は1月26日になって漸く寒波が来て、それでも辛うじて残ったブドウからは少量ながらアイスヴァインが採れたことを知った。

ずっと前に書いた通り、今シーズンは昨年11月下旬に一度寒波が来てアイスヴァインの収穫が行なわれたが、あまりにこれが早かったこともあってか、相当量のブドウがこの時には収穫されずに残った。これが意図的に残されたものなのか、それとも人手が足りずに収穫し切れずに残ってしまったものなのかは、業界の外にいる僕の知るところではない。


1月31日(日) キートリッヒ(Kiedrich)

そうこうするうちに1月も終わり近くなった30日、ちょっとした冷え込みがあり、フランクフルト街中の自宅ベランダでも零下5℃まで下がった。ちょうどその日の夕方に出張から戻ったのだが、「もしや?」という期待を持って、翌31日の日曜日、4週間ぶりのブドウ散歩に出かけた。


まだまだ残るビニール覆い。前回から減っていないようだ。


街中で−5℃だからブドウ山ではもう少し冷えて収穫されたかなと思いつつ現地へ向かったが、グレーフェンベルクのブドウ畑のビニール覆いは手付かずだったようだ。この間の天候は決して良くは無かった(雨も多かったし気温も高かった)が、覆いの中のブドウはというと、その割にはむしろ意外なくらい....つまり昨シーズンの同時期よりはずっと「まし」な状態で、結構しっかりと木に残っている。ただ、中のブドウはすっかり変色しきっているし、結構カビだらけのやつもあるのは致し方なかろう。いつも書いているように、週末で、かつ今日みたいにちょっとでも天気が「まし」になると、こんな季節でもブドウ山は散歩族で結構賑わう。



意外と(?)しっかり残るブドウ達



覆いの中身はこんな具合



ご同類のブドウ散歩族



親の趣味に無理やり付きあわされる子供




2月14日(日) キートリッヒ(Kiedrich)

立春も過ぎ、ようやく日が長くなったのが実感されるようになってきた。天気も1月までよりは心なしか「まし」になってきたような気がするのは、日が長くなったことによる「気分の問題」かもしれない。

前回のブドウ散歩の後は比較的低温が続いていたが、12日(金)と13日(土)の2日間は、朝8時過ぎの自宅ベランダでも−6℃まで冷え込んでいる。 土曜日は早朝のうちこそ好天だったが、起き出す頃にはすっかり曇り、午後には小雪まで舞ってきたのでブドウ散歩はパス。幸い、翌日曜日は久々の快晴で、朝の気温も−3℃まで上がっている。今日こそ「ブドウ散歩日和」だ。



ビニール覆いがすっかり無くなったグレーフェンベルクの畑


ということで、途中の車窓からはまだ一部ビニール覆いも目についたが、グレーフェンベルクの畑のビニール覆いはすっかり片付けられている。地面には腐ったようなブドウが所々に捨てられているが、これは逆に考えれば「まし」なブドウ達はなんとか無事収穫されたと言うことであろう。機会があったら醸造所の人に確かめてみたい所だ。

手前に写っているブドウの樹は、すっかりきれいに剪定されていて、あとはこの枝を結わえ付けるのみであるが、この区画は秋のうちに普通に収穫を終えた部分であって、剪定もとっくに済んでいた。写真を撮りそびれたが、ビニール覆いをはがしたばかりの所は、当然ながらまだ前年の枯れ枝がモサモサに茂ったままである。

それにしても、好天の日のブドウ散歩は気持ちがいい!


キートリッヒの村の教会を背景に、うっすら雪の残るブドウ畑。


さて、折角のチャンスなので、剪定の途中の風景なぞもご覧あれ。下の写真は、今年の為の一本の枝を残して他をすべて切断したところ。「どの枝を残すか」の判断は十分な知識と経験の要る仕事なので、まずは熟練者がこうやって枝を切断だけして回る。


枯れ枝の剪定、その1


その後、針金に絡み付いた去年の枯れ枝をほぐすわけだが、これは結構手間のかかる仕事である。そのかわり、これは必ずしも熟練者でなくても出来そうだ。また、とりあえず切断だけでもしかるべき時期にやってしまえば、後の「枯れ枝ほぐし」は少々後になっても良さそうだ。そうして、枯れ枝がすっかり取り除かれると、本日分の最初の写真の手前の方のような具合となる。

さて、お次は「ビニール覆い」の抜け殻。車窓からはまだ一部に残って見えたビニール覆いの区画も、行って見ればこの通り、裳抜けの殻であった。覆いの残骸が地面に広がったままであることからも、中身のブドウは捨てられたりしたのではなく、それなりに収穫されたらしいことが伺える。


裳抜けの殻


最後に、「気持ち良いブドウ散歩」の雰囲気を伝える写真を、もう一枚。





ブドウ日記のサブ目次へ戻る。

Homeへ戻る。


This page hosted by; Get your own Free Home Page
1