23-Jan-2000

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ブドウ日記  99年 その6


 またまた久しぶりのブドウ日記更新。といっても、ネタは昨年秋の続きなり。


急斜面の段々ブドウ畑




10月16日 ヴュルテンベルク地方


 ヴュルテンベルク(Wuerttemberg)地方は、ドイツのワイン産地としては5番目に大きく、栽培面積でいうとラインガウの3倍強になる。しかしながらこの地方のワイン、日本では少ししか見かけない。ぼくの「教科書」(しかしこれも16年前の本なんだよな)によると、「ヴュルテンベルク地方では住民のワイン消費量が一際多いため、地方の外にあまり出てこない」なんて書いてある。それにしては、0.5リットル入りのコップでワインをぐびぐび飲むプファルツ地方のワインは日本へも結構な量が輸出されているようだが....ヴュルテンベルク地方の人達がもっと豪快にぐびぐびぐびぐびワインを飲むのかどうかまでは、ぼくの知るところではない。

さて、この日のブドウ散歩は、ハイルブロン(Heilbronn)市の南方、ネッカー川沿いのヘシッヒハイム(Hessigheim)村周辺である。この辺りへ最初に来たの数年前で、ここの段々ブドウ畑風景が気に入ったのでその後も2,3回訪れている。以前のブドウ日記にも登場していると思うが、写真を掲載するようになってからは初めての訪問・登場である。



 ブドウの収穫期の週末は、好天ともなればどこのブドウ産地もブドウ観光客で賑わうが、それにしてもすごい人出である。実はこれ、皆さんが「ブドウ観光」というわけではない。このすぐそばに「Felsengarten」と呼ばれるちょっとした観光名勝(可愛らしい岩場とガケがある程度で、大したもんではないと思うが)があって、丁度ここに車を置いて歩いて行くと便利な所なので人がいっぱい集まってくる。



 この地方ならではのブドウ品種、トロリンガー(Trollinger)種のブドウの房。ワイン用ブドウは小粒で房も小さいものが多いが、このトロリンガーは例外的に大粒で直径2センチ以上にもなる。そのうえ、房も結構大きいので、このブドウは一際立派に見える。この日、別の品種(おそらくシュヴァルツリースリング:後注)の収穫は行なわれていたが、このトロリンガーはかなり晩熟型品種と見えて、まだ色付きも浅く、収穫はまだしばらく先のようである。

(注)シュヴァルツリースリング(Schwarzriesling)とは、リースリングとは別物の赤ワイン用品種で、こちらは小粒である。トロリンガー共々、ヴュルテンベルク地方の名物品種と言え、他の地方ではほとんど見ない。



 文頭の写真は川沿いの急斜面の段々ブドウ畑であるが、この斜面を登りきったところは広々とした台地状になっていて、そこでもブドウは作られている。気のせいかもしれないが、この平地部分ではトロリンガー種は少ないように見える。集果場へ向うトラクターの荷台にはブドウが満載。



 農作業の車以外はほとんど通らないので、わりと安心して散歩。



 これ、何だろう?



 こちら、平地の畑の収穫風景。左上の方に小さな黒っぽい点々のように見えるのが、収穫人たち。



 ブドウ農家共同組合醸造所の集果場に到着したトラクター。



 専用に改造されたフォークリフトで、ちょうど日本の風呂桶みたいな形のブドウ桶からブドウをぶちまける。この機材の関係で、ここの協同組合にブドウを持ちこむ農家はみな、規格化されたブドウ桶を使う必要がある。とは言え、別の醸造所(集果場)では全く違った機材を使っていたりして、決まった様式があるわけではない。



 最後に、集果の順番を待つトラクターの列。

なかなか気持ちよい秋の一日であった。この帰り道、道端で売っているNeuer(注:濁り新酒のこと。この地方では赤ワインがほとんどなので「Federweisser」とは言わない)を買って帰ったことは言うまでもない。


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