inu biscket

アメリカ的いぬの生活 その十七
「アメリカも同じ:災害緊急事態とペット」

インターネットの普及で、アメリカでも日本の主なニュースはすぐ知ることができる。
今年の台風も、そして新潟の地震も・・・。新潟の地震では、取り残されたペットたちが取り上げられ、

不覚にも、会社で某新聞社のHPで、山古志村の一次帰村の記事を 見て、ワンコの「マリ」ちゃんの話しと、「テツコ」ちゃんと 飼い主さんの写真を見て、涙が出てきた(;;)。 もう、それから毎日、新潟県庁やらボランティアさんやら、 なんやら山古志村のワンコの記事を検索しまくり・・・・。

実は、去年、ほんとは「アメいぬ生活」に書きたいことがあった。 それは、カリフォルニアの大山火事のこと。覚えていらっしゃるだろうか? シュワちゃんが知事になりたてのころだ。消防士さんも何人も亡くなったり、 家を追われて、さらに町全体が焼け野原になったところも多く、逃げ遅れたり して亡くなった方がたくさんあり、長い長い、なかなか沈静化しない山火事だった。

新聞記事を見た。写真。バックは燃える山のオレンジ色と焦げた真っ黒な木々、火傷かなにか怪我をして、足をひきずり道路を一人で歩く、迷子のワンコ。「写真をとった人、助けてあげてくれたんですよね?そう、書いてくださいっ!」と叫びそうになる写真。

また、別の新聞記事。見出しは、「検視官は被害者の身元の判明に全力、死亡者の数は、増える可能性」とあった。
2003年10月23日時点で、少なくとも16人死亡。(最終的には記事の予測どうり、もっとたくさんの人がなくなった。)焼け死んだ人達は、ほとんど炭化していて、身元判明が困難な状態。亡くなった方で、身元のわかった方々についての内容、そして、記事の結びは

In the San Diego County fires, most of the confirmed deaths involve people who were consumed by flames in or near their cars,
(サンディエゴ郡では、ほとんどの確認のとれた死亡については、車の中、またはそのすぐそばで、炎に飲み込まれたもの。)
"It's clear the fire overcame them," he said. "They got out of the vehicle and tried to flee and were knocked down by the flames, basically where they stood, often times two or three feet away from the vehicle."
(「火が人々を圧倒したのは明らか。」と検視官。「彼らは車から出て、逃げようとしたけれども、炎に倒された、ほとんど、出てすぐの場所で、だいたい車から1メートル以内のところで。」)
At least five victims were found with the remains of their dogs at their side. Wagner said he keeps the animals' remains with their owners. "The family usually feels very strongly about their pets, and I treat them the same way," he said.
(少なくとも5人の被害者は、愛犬の亡骸がすぐそばに一緒の状態で発見された。ワグナー検視官は動物達の亡骸も飼い主たちとそのままそばに一緒にしておいてあげるのだと語る。「家族は、彼らのペットについてもとても強い思い入れがあるものだよ。だから、私もペットたちを彼らがするように扱ってあげたい。」)

元記事 Coroner trying to ID victims; deaths may rise


そばに愛犬の焼死体も一緒だったと・・・。 愛犬をトラックに乗せようと、一緒に逃げようとして、一瞬出遅れたのでは ないか、山火事の火の周りの速さは、誰にも予測できない。 異常事態を感じとり、なかなか名前を呼んでも、普段ならすぐできる「オイデ」も時間がかかったり・・・。でも、捨てていけないから、探す。絶対、置いていかない。

これにも、泣いた。痛いほど、亡くなった人達の気持ちがわかる気がしたから。
アメリカでも、赤十字の避難所は、ペットの同居を認めていない。インターネットの サーチで「pet emergency natural disaster」などと入れると、たくさん情報が出てきた。 納得したり、勉強になった。どのページも共通なのは

Do not leave your pets, horses or livestock behind! (絶対にペット、馬、家畜を置いていかないで!)

避難の指示が出たら、早目に強制されるまえに、ペットも連れて一緒に避難しよう。放し飼いは危険、機敏に行動しなくてならない時のために、ペットの居場所はちゃんと分かっていないといけない。ペットたちも気持ちが高ぶって、いつもと違う行動をとるかもしれない、落ちつて行動し、安心させてあげようと書かれてあった。
重要な事、ペット達を連れて行ける安全な場所の確保。赤十字からの提案は、

1)友達、親戚、またその他の災害から離れた場所で預かってくれる人を探す。
2)緊急時に預かってくれるペットホテルや、獣医さんなどをリストアップしておく。
3)地域のアニマルシェルターなどに緊急時に預かってくれるか、または一次預かりさんを探してくれるかお願いする。
4)避難しなければならないかもしれないと聞いたらすぐ、大きな動物達や家畜などを避難させる。ペットたちは家の中に入れて、犬はリードにつなぎ、猫はキャリア(運搬用の箱)に入れる。(避難勧告が出るまで、待たずにすぐ行動開始。)
5)現住所、連絡先、ペットの名前など、身元のわかるものを首輪やキャリアに確実にしっかりと付けておく。
6)ペット達の最近の写真を持ち歩くこと。見失ったときの捜索、発見したときの飼い主であることの証明などに必要になる。
7)災害地域から離れた安全なところのホテルに連絡して、ペットも一緒に泊めてもらえるか尋ねる。ホテルの責任者を出してもらい、「ペット不可」の規則を緊急事態に緩和してもらえるか交渉する。(アメリカでは Motel 6 と Red Roof Inns のホテルチェーンは、ペットを受け入れてくれることが多い。)
8)少なくとも一週間分のフード、飲み水、その外の必需品(猫のトイレ砂、ペットがクスリを飲んでいればそれも、忘れずに。)を荷物に入れる。

出典 http://www.naturalawakenings.com/archives/2002-09-natural.html


考えた、ポチはなには、どれも準備されていない。住所、名前、電話番号の入った名札は首につけているけれど、一年に一回ぐらいふたりでバタバタ遊んだ後に、家の中でとれているのを見つけて付け直す。毎月見直した方がよさそうだ。マイクロチップは、思うところがあって、まだふたりとも入れていない。サイフにはポチはなの写真を入れているが、ポチの子犬時代の写真と、はなこのへそ天の写真・・・。身分証明には使えそうに無いものばかり・・・反省。リードはたいてい、伸縮リード、しっかりした布製のリードを買っておいたほうがいいだろうな。そういえば、名前、住所などを刺繍してくれるところがあったように思う。注文しよう。我が家の車は、いわゆるミニバン、ダンナとわたし、ポチはなぐらいは、足を伸ばして寝て、しばらく暮らせるように思う。これはOKだ。

シカゴは内陸、台風も地震も山火事も縁が無い。あるのはトルネード(竜巻)警報。それでも、準備はしておかねばならない。

ポチはなを置いて自分だけ助かることはできない。それでは、わたしの心が助からない。

被災されている皆様に、一日も早く安心と平和な生活が戻りますように。ペットも一緒に暮らせる日々が、戻ってきますように。




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