仮性クループ (pseudo croup) とは喉頭炎という喉 ( 喉頭といって声帯のある気管の方 ) の腫れる病態の一つで、急性声門下喉頭炎ともいうものです。
冬、ウィルスに感染して ( 要するに風邪をひいて )、喉頭の声門のすぐ下で気管の粘膜が腫れ上がりますと、激しい咳をしたり、呼吸がしにくくなってしまいます。犬が吠えるような咳や、ゼーゼーという呼吸困難が、夜間突然起こります。発作は 1 - 2 時間で治まり、昼間には発作はほとんど起こらず、全身状態は比較的よく保たれます。吸入治療をはじめ、抗アレルギー剤、気管支拡張剤、抗生物質などによる治療で、1 週間程度で治ります。
仮性クループに対し、" 本物のクループ " というものもあります。これはジフテリア菌の感染で起こるもので、喉頭ジフテリアといいます。これになりますと生命が危険になり、気管切開による呼吸の確保が必要になってきます。日本では、多くの子供は乳児期に予防注射の接種を受けていますので、この本物のクループになることは稀なようです。
ひろきはいやいやながら ( 子供は皆嫌がりますが ) 吸入治療、点滴をうけ、薬をのみ、4 日ほどでよくなりました。
丁度この頃、世間ではウィルス性腸炎が流行っていたようで、この病院にもウィルス性腸炎の患者さんが、大人、子供とも大勢訪れていて、小児病棟にも腸炎の子供さんが何人かおられました。子供同士接触しますと、大抵もらってしまいます。ひろきもしっかり腸炎のウィルスをもらってしまい、嘔吐、下痢を起こしました。" 退院できそうだったのに、もう少し入院していてください "、と主治医から言われ、12 月 12 日、日曜日も入院が続きました。が、しかし .....