MRJ SDKでJava Programming

MRJ SDKのすすめ

 Macintoshでプログラムを作るとき、開発環境に何を選びますか?使う言語がCやC++であれば、否応無しにCodeWarriorでしょう。BasicならFuture BasicやREALbasicですね。では、言語にJavaを選択したときは?

 CodeWarriorやVisual Cafe? 私はおすすめしません。なぜなら、CodeWarriorはMacintoshで、Visual CafeではMS Windows 95、98、NTで痛いめに遭っているからです。

 残念ながら、CodeWarriorPro4のJAVA環境はきわめて不安定で、付いてきたサンプルプログラムをMakeして実行を試みただけでMacsBugに落ちてしまいます。また、Visual Cafe 2.5もすべてのMS Windows 32bit環境で、時折一般保護違反により異常終了してしまいます。

 CやC++のような、CPUを直接使用するプログラミング言語では、ユーザプログラムの出来によってはこのようなこともありえます(MS Windows上でもありえます)が、完全に仮想計算機上で動くはずのJavaでこのようなことが起きるのはまったく嘆かわしいことです。

 しかし、MRJ SDK上ではこのようなことは(今のところ)発生していません。おかげで、私は書き上げたソースコードを失うような目に遭わずにすんでいますし、OSの再起動による時間のロスをまぬがれています。これが、私がMRJ SDKをおすすめする理由です。

MRJと、MRJ SDKのダウンロード

 では、このMRJは、どこからどのように入手するのでしょうか。Appleの開発者サイトからダウンロードできます。少々サイズが大きいので、のんびり構えてダウンロードしましょう。

 わたしは、MRJ_2.1.4_Web Install.sitと、MRJ_SDK_2.1.sitをダウンロードしました。現時点(99/08/13)では、これが最新の安定版でしたから。前者が、MRJというMacintosh上でのJava実行エンジンとAppletViewerのセットで、後者がJavaコンパイラを中心とするJava開発ツール群、およびサンプルプログラムのセットです。

 ダウンロードが完了したら、MRJからインストールを始めましょう。インストール方法はまったく一般的な方法なので、ここでは記述しません。MRJのインストール後、再起動を求められるので、それに従ったあと、MRJ SDKをインストールしましょう。これは再起動を要求しません。 

MRJ SDKの使い方

 MRJと、MRJ SDKをインストールしたら、さっそく使いはじめてみましょう。

とりあえず、正しくインストールできたかどうか確かめるために、MRJについてきたAppletViewerをつかってAppletを動かして見ましょう。次に、MRJ SDKについてきたサンプルプログラムを動かして見ましょう。両方とも正しく動けば、インストールは成功したと考えて間違いないでしょう。

MRJのAppletViewerはここ↓に入っています。

 

MRJ SDKにもAppletViewerはついてきますが、MRJのもののほうがバージョンが新しく、MRJのJVM(Java仮想機械)とバージョンがあっていますので、こちらを使ったほうがいいでしょう。

 MRJと、MRJ SDKが正しく動作することを確認したら、さっそくテストプログラムを書いて、コンパイル、実行してみましょう。テストプログラムは簡単なものでいいでしょう。

 

class testClass {
	public static void main(String args[]) {
		int theInt;
 
		theInt = 10;
		System.out.println("Hello World." + theInt);
	}
}

 

エディタはあなたがお気に入りのもので問題ありません。SimpleTextでもOk。私はJeditを使っています。

 では、これをコンパイル、実行しましょう。コンパイルはjavacで行います。また、上記のコードはスタンドアロンアプリケーションなので、実行はJBinderyで行います。

javacと、JBinderyはここ↓にあります。

 コンパイルの仕方はまったく単純で、ソースファイルをjavacアイコンにドラッグアンドドロップするだけです。以下のダイアログボックスが現われるので、"Do Javac"ボタンをクリックするだけです。

コンパイル結果である.classファイルは、上のダイアログで特に指定しなければ、ソースファイルと同じ場所に作られます。実行するには、この.class ファイルを、JBinderyアイコンにドラッグアンドドロップします。しばらくすると、以下のダイアログボックスが現われます。

とりあえず実行するだけであれば、"Run"ボタンで実行を開始します。プログラムの内容によっては、オプションの操作を行う必要があるでしょう。

 また、このJBinderyから、Finderでダルブクリックするだけで実行を開始する、単独アプリケーション形式への書き出しを行うことができます。Fileメニューの"Save As..."を選択してください。

 ただし、上記プログラムを単独アプリケーション形式で書き出して実行すると、問題が発生します。なんと、Quitするまで標準出力表示ウィンドウが表示されず、かつQuitアクションなので一瞬表示してすぐ終了してしまうのです。最近の速いMacintoshを使っている場合は、まさしく目にも止まらぬ動きをしてしまうでしょう。(私が、MRJ SDK環境で見つけた問題点は今のところ、これ一つだけです)

 実際の開発に当たっては、javacや、AppletViewer、JBinderyのエイリアスをデスクトップ上においておくと便利でしょう。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。MRJ SDKでJavaのプログラム開発なんて、いかにもけち臭いように思われるかもしれませんが、最初に述べたとおり、プログラムの開発環境は徹底的に安定して正確に動く必要があると考えています。Macintoshでこれを実現する一番の早道が、MRJ SDKであり、私はこれを強くおすすめします。

 

最終更新日時 99/08/15

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