Last Update : 3/12/2002

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テレビ ( 更改 及び Ditigal TV 情報 )
6/22/2001

だいぶ以前にテレビ受信について紹介したが、その後引越しに伴ってケーブルテレビ会社の変更、最新システムへの入れ替えなどがあったので、まとめて紹介することにする。

東京から NY に引越してきて最初に住んだのが Long Island だったこともあって、そこでテレビを見るには Cablevision というケーブル会社のサービスを受けるか、衛星放送 ( または地上波 ) を受信するかのチョイスだった。そのときにも書いたが、アメリカではケーブルテレビによるテレビ受信が一般的で、住んでいるエリアによってその契約先が決まっていることが多い。
Long Island から NY市 Queens 区に引越すことでケーブル会社の変更が生じたわけだが、今回の契約先は Time Warner Cable となった。ちなみに同じ NYC でありながら、Manhattan では Time Warner の他、RCN というケーブル会社と契約している人もいるし、The Bronx では Cablevision がサービスを提供していたりと、同じ市内でもそのケーブル会社の基準がどうやって決められているのか、わかりにくいところがある。価格体系 ( ケーブルテレビのサービスには有料チャンネルがたくさんあり、その組み合わせによりいろいろな価格体系がある ) やサービス内容 ( 今回紹介するような DTV やケーブルインターネットなど ) の違いがあるので、住んでいるところでケーブル会社が決まってしまう仕組みは自由競争であるはずのアメリカにしては不可解だ。

さて今回テレビに関して更新情報を改めて載せたのは、これまで使っていた通常のケーブルテレビから、新しく始まった Digital ケーブルテレビ ( 通常 DTV と呼ばれる ) にサービスを切り替えたからなのだ。先に紹介した Long Island での Cablevision 社からのケーブルテレビも Queens に引越してからの Time Warner 社からのサービスも、日本で提供されているケーブルと同じく数10から100チャンネル程度の番組が提供されるもので、クオリティも地上波とあまりかわらないものだった。送受信に関しては、通常は局からの一方通行で、唯一 Pay by View、つまり最新映画などの有料チャンネルの番組を見るときに「料金を支払ってこの番組を見る」という操作をリモコンからするようなケースで双方向通信をしていたぐらいだった。
それが Ditital TV ではビデオオンデマンドが可能になる ( ただし Time Warner の DTV ではまだ実現されていない )。
下に載せた写真は DTV 対応のセットトップボックスだが、USB端子やメモリーカードスロットなどが存在している。これまた Time Warner は何もアナウンスしていないが、いずれキーボードなどの周辺機器がつながるのだろう。リモコンを操作していると「Email」項目もあったし、IPアドレスの割り当てもちゃんと存在していた。

双方向通信がまだ時期尚早だとしても、通常のケーブルテレビから DTV に変える意義はかなりある。
一つはチャンネルの増加。
これまでは1から99までの2桁のチャンネルが、今回は3桁に増えていて、確認しただけでも300チャンネル近くが提供されている。しかも有線放送のように映像無しの高音質音楽のチャンネルも用意されている。
何がそんなにチャンネルを増やしているかと言うと、有料チャンネルの HBO、cinemax、SHOWTIME など映画専門チャンネルが従来の放送ではそれぞれ一つずつしか割り当てがなかったのに対し、DTV ではその割り当てが10倍になったので、それぞれ複数の番組が見られるようなったのだ。たとえば HBO の場合 ( ちなみに HBO は Home Box Office の略 )、HBO、HBO Plus、HBO Signature、HBO Zone、HBO Family、HBO Comedy、HBO Latino が見られる。cinemax や SHOWTIME も同様にいろいろなカテゴリ別に映画を24時間マルチチャンネルが流しつづけているのだ。特に嬉しかったのは MTV2。最初 NY に住んでケーブルをひいた時に、MTV を点けて気がついたのが「ビデオクリップは全然流れない」ということだった。ところが DTV を入れると MTV2 が見られるのだが、ここはずっとビデオクリップを流しつづけている。他にも muchmusic という音楽専門チャンネルが見られるようになるので、さらに選択肢は増えた。
次に画質。
ケーブルテレビと言うと地上波よりは画質がよくて、衛星放送よりは劣るかな、というのが一般的な感覚だと思うが、ここ New York では Time Warner も Cablevision もおせじにもまともな画質を提供しているとは言いがたい。
最初はテレビのせいかとも思ったが、どこの家に行っても画質はそれほど変わらない。
ところが Digital 放送の場合は画質劣化はないので、提供される番組はどれもクリアな画質だ。時折表示される文字もくっきりでにじみが全く無い。
加えて音質も改善されているとのこと。公式サイトによれば、「CD クォリティ」ということだが、僕はテレビのスピーカーで聞いているのでそれほど音質が変わったとは感じないが・・・。それからさらに音に関しては、ドルビーデジタルがサポートされたこと。セットトップボックスにはデジタル出力端子が備わっていて、これをホームシアター対応のアンプなどにつなぐと臨場感ある音がサポートされるとのことだ。

さて価格だが、詳しくは下のホームページを見てもらうのが常に最新情報が参照できるので詳しく書かないが、通常のケーブルテレビプログラムと同じチャンネルを見るだけなら ( Basic $12.39 + Standard $22.41 ) なら毎月の使用量は同じだ。これに DTV 独自のチャンネル ( 50 くらい? ) を見るのには別途$9.95かかる。さらに Premiere と呼ばれる有料チャンネル、たとえば HBO や SHOWTIME などはいくつ選ぶかでパッケージがいろいろ分かれている。ただしこれまで HBO といえば一つだけしか見られなかったのが、HBO 一つ Subscribe すると、これまでは見られなかった HBO の7つのチャンネルが見られるので得した気分になる。
さらにインターナショナルチャンネル ( スペイン語など最初から入っているが、24時間日本語放送などは別料金体系 ) や Playboy などのアダルトチャンネルは別プログラムとして提供されている。

NY メトロエリアに住んでいて、従来方式から DTV に切り替えるのは簡単。
毎月の Bill に書かれているカスタマーサービスに電話して「 DTV に切り替えたい」旨を伝える。その場でそのオーダーのリファレンス番号を教えてもらえるので、これを書きとめて指定されたオフィスに行く。このとき従来方式のケーブルボックスとリモコンも忘れないこと。
僕が住んでいる Astoria の場合は、Flushing にある Time Warner Cable のオフィスが土曜日も開いているので、そこに週末行った。Main Street と Kissena Blvd の角にある Queens Library のすぐ近くだ。ただしここに行ったことのある人は知っている通り、China Town なのでいつも人と車でごった返している。車で行く場合は建物の地下にある有料駐車場に入れてしまうのが得策のようだ。
窓口でリファレンス番号を言い、古いケーブルボックスを返却すると、新しい DTV 対応ボックスをタダで交換してくれるはずだ。

Digital Cable TV、通称 DTV を受信するためのケーブルボックス。セットトップボックスとも呼ばれる。




Time Warner Cable の DTV ホームページ
http://www.twcnyc.com/dtvsplash.html


高速インターネット接続
1/31/2002

以前、インターネット接続について簡単に書いているので、今回は New York、特に Manhattan や Queens 区周辺のブロードバンドコネクションについて紹介する。

結論から先に書くと、ブロードバンドは料金が意外と高くつく。物価が安いはずのアメリカで?と思うかもしれないが、もともとインターネット先進国と言われたアメリカだが、ブロードバンドに限って言えば価格とサービスにおいて日本より遅れを取ってしまったようだ。サービスの開始は早かったものの着地に時間がかかり、その結果価格やスピードにおいて日本より劣ってしまったのだろう。

実際どんなサービスが受けられるか、日本のそれと比べながら具体的な例を挙げて紹介していこう。
ブロードバンドというと現在最も普及しているのはやはり DSL と CATV による接続ということになるだろう。
僕が住んでいる Queens 区は行政区分でいうと New York 市に含まれる。そのため多くのサービスが Manhattan 、Queens、Brooklyn、そして The Bronx などで同様のものとなっている。
なので選択肢としてはそれらの地域であればだいたい同じである。



dslmdm.jpg(17548 bytes)
DSL モデム



まず DSL だが、日本でも複数のプロバイダーが競争をしているようにここでもいくつのプロバイダから選択ができるようになっている。ただし価格の競争はほとんど行われていないのが実情で、僕の知っている限りではほとんどの人が地元電話会社 Verizon (かつては Bell Atlantic と呼ばれていた ) の DSL を利用しているようだ。
提供されている価格とそのスピードは2002年の時点で以下のとおり。

速度 : 下り/上り 値段
768 Kbps/128 Kbps $49.95
1.5 Mbps/128 Kbps $59.95
384 Kbps/384 Kbps $69.95
1.5 Mbps/384 Kbps $79.95

これを見てすぐにわかるように、日本の ADSL に比べるとかなり割高でしかも低速なのが一目瞭然。しかも以前は8MBbps のプランもあったのだが、なぜか見あたらない。利用者が少ないか ( そりゃそうだ、高すぎる )、技術的な問題があって取りやめてしまったのかもしれない。
またなぜホームページに載せていないのかわからないが、$39で上り640Kbps、下り128Kbps というプランも用意されている。スピードをそれほど要求しないのなら、Verizon に DSL をオーダーするときに Web サイト経由ではなくて、電話でオペレータを通すとこの指定ができる。

僕が DSL を導入したときは写真のモデムを有料で購入しなくてはいけなかったが、現在はプロモーションのため、無償でもらえるようだ。ただし逆に僕には無かった「最低一年間の利用契約」を結ばなくてはならず、もし途中で解約した場合はペナルティを払わなくてはいけない。

実際の導入だが、ケーブルやモデム、それにドライバの入った CD-ROM が一枚送られてくるので、ケープリング自体は自分で電話線モジュラージャックから DSL 用にスプリッタを使って分配するだけの簡単なもの。CD-ROM には PC 用と Mac 用の PPPoE ドライバが入っていて必要なソフトを指示に従ってインストールするだけの簡単なものだったが、当時は95/98までしか対応しておらず、NT 系 OS へのドライバはインターネットを使って探さなくてはならない時代だった ( 遠い目 )。幸い同じ IT 業界に勤めている友達がドライバを持っていたのでそれをメールで送ってもらい、NT4.0 ( その後 Windows 2000にも ) にインストールしたのを覚えている。PPPoE は Windows XP で正式にサポートされたが、いわゆるダイアルアップ同様ログインとパスワードによる PPP 接続である。

僕が申し込んだのは一番安い、$39 のプランだったのだが、なぜか下り1.5Mbps / 上り128Kbps のサービスが使えている・・・( 顛末は下の CATV インターネット接続の項で後述 )

Verizon DSL の公式サイト


catvmdm.jpg(20660 bytes)
こちらは CATV モデム。東芝製だ。



DSL と並んでもう一つの選択肢が CATV インターネットだが、通常各エリアで一社が独占して CATV テレビサービスを提供しているので、選択肢はない ( 最近 New York 市はちょっと事情が変わった。詳しくは後述 )。ローカル CATV 局がインターネット接続サービスを持っているかどうかになる。総じてアメリカではケーブルテレビ会社のほとんどがインターネット接続サービスを提供しているようではある。

さて New York 市の場合だが、これがちょっと複雑になっている。一般に Manhattan や Queens、Brooklyn では Time Warner 社が CATV を提供していて、The Bronx 区では Cablevison 社が提供している。そのほか、エリアやビルによっては RCN というケーブル会社もケーブルテレビのサービスを提供している。つい最近、うちのポストにも「RCN はこのエリアでもサービスを開始しました」という案内が入って来た。それによると同時にインターネット接続サービスも供給しているが、値段は Time Warner 社のそれと変わらないようだった。
ちなみに Cablevision 社は僕が以前住んでいた Long Island に本社を構える会社で、Long Island では Cablevision 以外からケーブルテレビサービスを受けることができない。

さて僕が今住んでいるアパートに引っ越ししてきたときは Time Warner しか選択が無かったので、テレビ受信のサービスを依頼した。その前の Long Island に住んでいたときは Cablevision 社の CATV インターネットをずっと使っていたので、当然 Queens でも Time Warner が提供していると思いきや、まだ Manhattan の一部のみサービスインという、お粗末な状況だった。そこで仕方なく、上記の Verizon の DSL サービスを使用していたのだった。

それから一年ほど経って「あなたの住んでいるエリアも CATV インターネットが使えます」という案内が入り、早速申し込んだのが2001年夏のことだった。

ところがことは一筋縄ではいかなかった。アメリカでは良くある話だが、実はいろいろ問題があってインターネットが使えるようになるまでオーダーしてから3ヶ月もかかった。その間「ケーブルの交換」「ブースタの設置」など10回以上も Time Warner のテクニシャンがうちに来て調査や工事をしなくてはならないほどだった。
Time Warner の CATV インターネットを申し込んだとき、すぐに DSL のサービス契約を打ちきろうとしたのだが、こういうこともあるかとそのままにして置いて良かったと今は思っている。でその3ヶ月の間、Time Warner の接続スピードを近くの電器屋で体験してからと言うもの640Kbps のスピードには満足できず、しかも CATV インターネットは遅々として使用できない状態だったので、DSL のプラン変更をしたのだった。ところがこちらも問題があって1.5Mbps にしたはずなのに、下で紹介している速度比較サイトで見ても全然変わらなかったのだ。これまた Verizon も困り果ててしまい「モデムの調査」「僕の PC にインストールされている PPPoE のドライバが古い?」「ケーブルにノイズが乗っている?」などといろいろな調査をすることになってしまった。幸いサービスが止まっていたわけではなく、1.5Mbps のプランに変更したのに、以前の640Kbps のスピードしか出ていない、というだけの問題だったのでメールや Web ブラウズには何の支障もきたしはしなかったが。

Verizon の話によれば、モデムや PC 側の PPPoE ドライバにはスピードに依存する設定はなく、すべて局側の工事で640Kbps から1.5Mbps へのスピードアップを行える、と言う話だったのに「○○日の××時に速度の変更を行います」と指定された日時を過ぎてもその速度の変化は全くなかったのだ。結局最後は大げさな話になってしまい、うちにテクニシャンが来て、ケーブル品質のチェックまでする始末に ( ちなみにこの日は Time Warner からも CATV インターネットのテクニシャンか来ることになっていて、時間は別々の予定だったのだがどちらも朝一にやってきてくれたおかげで2人のテクニシャンが同時にうちのケーブルを見ていたのは笑えた。二つ PC があったのでそれぞれでテストをすることができ、PC 側で CATV インターネットと DSL の線のつなぎ替えをすなくて済んだけれど)。

なんとか CATV インターネットが使えるようになると、やはり速度は DSL より速い。実測値で下り4Mbps / 上り400Kbps 近い数字をたたき出す。おかしな話だが、DSL はテクニシャンがケーブルのチェックにうちに来たところ、彼が持っている装置では1.5Mbps Ready の結果が出た。ところがやはり僕の PC では640Kbps のリンクアップしかできず、試しにそのテクニシャンが持参した PC でも同様の結果しかでなかった。結局、調査は Verizon 持ち帰りということになり、その後640Kbps でしか接続できないのは確認していたんだが、最近いつのまにか1.5Mbps で接続できていることを発見。最初に申し込んだ時は640Kbps でいつでも解約可だったのだが、1.5Mbps へのプラン変更をした際に「そうすると1年間は解約できませんが」と言われて、それでも申し込んでしまったので、しばらくは CATV インターネットと DSL の二種類のプロードバンドが利用できるハイテクなうちになってしまったのだ。

CATV インターネットの接続は月$44.95。
Time Warner CATV インターネット の公式サイト


では CATV インターネットと DSL、どちらが得かちょっと比べてみよう。
僕は実際にどちらも導入し、現在も両方使えるのだが、総じて Time Warner Cable の CATV インターネットに軍配があがる。
速度だが、昼夜によって CATV は大きくスピードが変わるのだが、夜はたいてい4Mbps近い速度が出ている。昼はおそらく企業が帯域をたくさん使うのだろうか、2.5Mbps 近くまで落ちてしまう。
一方 DSL はどうかというと DSL の特性を生かして、時間帯、曜日に関わりなく一定して1.5Mbps の速度が提供されている。
速度だけ見ると CATV の圧勝だが、では値段はどうかというとこれがちょっと微妙だ。
まず CATV インターネットはまず家にケーブルテレビが見える環境になっていないと使えない。まず物理的にケーブルが来ているかどうか。古いアパートではケーブルテレビが見えなかったりするのだが、そういうときは大家と相談して、アパートにケーブルテレビを引いて良いかどうか許可をもらう必要がある。ちなみにこの工事は Time Warner がすべて負担してくれる。
次にサービスだが、ケーブルがあるからと言ってテレビの受信サービスを受けていないと$60になる ( CATV を受信しているうちでは上述の様に$44.95。)。つまり僕が DSL で使っている1.5Mbps サービスの本来の値段とほぼ同じになる。
手っ取り早くブロードバンドを使いたいと言う人で電話は引いているけど、ケーブルは引いていない、と言うならこれは DSL が向いているし、電話は普段携帯を使っていて家に固定電話を引いていない、かつケーブルテレビは引いている、というなら CATV インターネットを引いた方が安上がりだろう。
また速度を重視するならやはり CATV インターネットになる。

・・・とここまで書いていてまた少し事情がかわりつつある。事情通の人は知っているかもしれないが、Time Warner と AOL は合併したのだが、これにより CNN などを傘下におさめる巨大メディア企業となり、その独占を制限するために Time Warner 社は自社の CATV インターネットサービスを競合他社に解放しなくてはいけないこととなった。
それが早速効果となって現れて、先週 Earthlink という大手 ISP プロバイダから案内が届いた。それによると月額$44で Time Warner の CATV インターネットサービスを利用できるようだ。これだけ見るとケーブルテレビを受信していなくても良いようなので、これが本当なら、$5高くても DSL よりは CATV インターネットの方が断然トクだろう。

導入の手軽さで取ると CATV に軍配があがる。DSL は PPPoE ドライバが必要で、しかも使用するたびにログインとパスワードのウィンドウが表示されるのが、CATV に慣れてしまうと結構うっとうしい。もちろんログインもパスワードもソフトウェアで覚えていてくれるので、毎回タイプする必要はないが。Windows XP では通常のモデムのダイアルアップのように PPPoE での登録も可能になり、ドライバもシステムに組み込まれているので使用勝手はだいぶ楽になったが、CATV インターネットは PC がオンになっていれば何もしなくてもインターネットにつながっているので、インターネットにつながっていることを全く意識せず、シームレスなコンピューティング環境を提供してくれる。



さて僕が良く利用する速度比較サイトは、http://www.ba-hss.com/speedtest/である。Verizon のテクニシャンが教えてくれたのだが、Time Warner の CATV インターネットからでももちろん接続できる。
おそらく日本にいる人がここで速度を比較するとたとえプロードバンドを利用していてもとんでもなく遅い数値が出るだろう。
この差は日米のインターネットの線の太さに依存するからだ。僕が日本にあるメジャーなプロードバンド速度比較サイトでここからの速度を比較すると、やはり1Mbpsぐらいしか出ない。
そこでふと思ったのだが、アメリカに住んでいても大半が日本にある co.jp のサイトを多く見ているのなら、4Mbps も1.5Mbps も実は体感速度は変わらないんじゃないか、ということ。がーん。

グリーンカード(永住権) 1
2/26/2002

私事で恐縮だが、僕も米国永住権、いわゆるグリーンカードが取れた。

僕の周りの友人のほとんどが僕より先にこのグリーンカードをすでに持っていたので、取得するときの話をいろいろ聞くことができ、そのせいもあって全体のプロセスの中で、自分がどの辺にいるのかを理解することができた。
会社の友人であれば出身国の違いはあれど、似ている部分が多く ( 同じソフトウェア技術者として申請するので )、ことさらよいサンプルになった。
そこで僕のケースもこれからグリーンカードの手続きを始める人、または手続き中の人の参考になるならばと、覚えている限りのことを何回かに分けて紹介していきたい。

あらかじめ断っておかないといけないのが、労働省や移民局の手続きは毎年、それも時期によって条件がよく変わるので「職種」「出身国」「現在のビザステータス」がたとえ一緒でも申請時期が違ったり、出身大学が日本かアメリカかなどの違いがあったりすることで取得にかかる期間が変わることが決して珍しくなく、僕のケースもあくまで一例として参考にして欲しい。

グリーンカードとは?
もともとカードが緑色していたことからそういわれるが、一般にアメリカ永住権のことを指す。いろいろな例外はあるが、簡単な理解としては、一生アメリカに住むことが許可される。またグリーンカードからアメリカ市民になる ( 市民権を取る ) ことも可能。
じゃ他のビザとどう違うかというと、それは期間や雇用主に関する制限があるかどうかの違いなのだ。
僕がアメリカに来たときに持っていたビザは H-1B というカテゴリーの「雇用に基づく」ビザで、労働はもちろん合法だが、有効期限は最長6年、転職する場合は同一業種のものに限られ、移民局への届け出・許可が必要、といろいろな制約がある。また昨今の不景気でよく耳にするレイオフだが、もし自分がレイオフされた場合は、基本的にアメリカを出国しなくてはならない ( 運良く次の転職先が決まれば別だが )。H-1B は専門職、たとえば職人や技術者に許可されるビザなので、最近の IT 業界の不況はそのままレイオフに結びついた人が多いようだ。
労働が許可されるビザには他に L ビザ や E ビザなどがあり、日本企業駐在員のほとんどの人たちがこのビザを取得している。
また学生はこれらの雇用に基づくビザとは異なるタイプのものだ。
僕は留学目的でアメリカに来たことが無いのでいわゆる留学ビザを取得したことはないが、この学生ビザ ( 通称 F ビザ ) では建前上は労働できない。 ( 一部合法的に可 )。ただし実際のところ、学生の多くが Manhattan の日本食レストランで働いていたりするようだ。

ところがグリーンカードはこういった制限のほとんどがなくなる。会社を辞めて自宅でぷーたろーしてもいいし、職業は自由に選べるし、もちろん有効期限もない ( 最近のグリーンカードは10年ごとの更新があるが、これはセキュリティのため写真を更新する必要があるからとか )。

こういった事情からアメリカで生活をし仕事をしている外国人の多くがこのグリーンカードを取得している。

グリーンカード取得の方法
グリーンカードを取得するにはいくつか方法がある。一般には、
  • 結婚などの家族関係による取得
  • 労働による取得
  • 宝くじと言われる「DVxxxx ( xは西暦 )プログラム」による取得
の3種類があげられる。
後ほど紹介するが、僕が取得した方法は2番目の雇用による取得なので、1番目と3番目の取得方法についてはそれほど詳しくない。
家族関係による取得では、親が米国市民である場合に、自分の子供に永住権を取得させることができたり、また最も多いのは米国市民権を持つ人ととの婚姻によってグリーンカードを取得するケースだろう。婚姻による申請の場合、日本でその手続きをすると1ヶ月ほどで取れると言うことなので、最速の部類で最も手続きが容易な部類に入るといえる。その分これを悪用してグリーンカードを取る人が多いのも事実で、実際にはお金を払って書類上結婚してもらうことにし、グリーンカードを取得するケースもあるようだ。

3番目の抽選によるグリーンカードは、アメリカで人種のばらつきのバランスを取るために採用されたプログラムで、始まったのも最近ながら、毎年の割り当て数も毎年変わるし、恒久的に続くのかは不明だ。始まった当初こそ一人で応募出来る手紙の数に制限が無く、何千枚も出した人が3通も当選するなど ( 僕の知り合いの日本人もそれで2通当選が来た )幸運な人たちもいたが、現在は1人あたり1通の応募しか許されていない。ただし夫婦で申し込んだ場合は両者が申し込めるため、片方が当選した場合に自動的に配偶者も当選することになるので確率は2倍になるそうだ。ここ数年、日本人に割り当てられる数と当選者の数を計算すると ( ちょっと前に計算したので不確かだが ) およそ1/100の確率だったと思う。( このプログラムは一年に一度実施されるので、1%の確率なら100年かかるかもしれない )僕も一度申し込んだことがあるのだが、当たる人は一度で当たるかもしれないし、そうでない人は100年かかるかもしれない確率 ( このプログラムは一年に一度実施されるので、1%の確率なら100年の間に一度はあたる? )だと思うと割に合わないなと、それ以来応募しなくなった。

具体的な流れについては、2番目にあげた雇用による取得の方法を例に取り、次項で紹介。


グリーンカード(永住権) 2
3/10/2002

ここからの話は僕が実際に申請したときのケースに基づいているので、万人に当てはまるものではないことをもう一度あげておきたい。それぞれのプロセスにかかる時間はケースごとに異なり、予測も難しいので、個々のステータス問い合わせは自分のケースを担当している弁護士に問い合わせることのが一番だろう。

グリーンカード取得のプロセス
基本的に実作業はすべて弁護士が行うことになる。実際に僕が行ったことは、弁護士から指示された書類をその都度用意することたけだった。
以下にそのステップと、実際に僕のケースでかかった期間を紹介しておく。

1、 労働局での労働許可申請書の審査、Labor Certification ( 労働許可証 )取得。期間 : 1ヶ月
労働による取得の場合、かつてはこのプロセスに3年かかったこともあった。が現在はいくつかの職種で RIR という方法を用いて申請することが出来、この場合、1ヶ月ほどで労働許可がおりる。
(RIR : Reduction in Recruitment)
かつては寿司職人ぐらいしか認められなかったという RIR だが、次にソフトウェア技術者でも申請出来るようになったため、僕のケースでも弁護士は RIR を通じて労働許可証がおりた。
通常の申請 ( 最近では Traditional な方法と呼ばれる ) では労働許可証申請後、会社はその人を採用する必要性を示すために新聞などいくつかのメディアに求人広告を打たなくてはならない。この求人広告は一定の期間募集する必要があり、この間にもしアメリカ人が応募してきた場合には面接試験などを行う必要もある。この規定の期間後、会社は求人広告をうったにも関わらずこの申請者以外に的確なスキルを持った人間が見つからなかったという証拠を提出して初めて次のステップに進めるのだ。そのため、CA 州や NY 州など外国人労働者の多いところではこのプロセスに最も長い時間がかかっている。

RIR はこの部分を簡略化したもので、Traditional な方法では申請後にうっていた求人広告を、あらかじめ会社が求人広告を出しておき、永住権申請のための労働許可申請を出すときにはその求人広告の結果をともに提出することで、申請から許可までの期間を1ヶ月に短縮できるようになったのだ。
詳しくはわからないが、大きな会社などは常日頃求人広告を出しているので、それらのストックを使って申請を有利に進めることが出来るようだ。

どの職種で RIR が使用出来るかはその都度変わっているので最新の情報は弁護士から聞いて見て欲しい。

さて労働許可証取得に必要な書類の多くは会社が用意してくれるはずだが、転職をしている場合には以前勤めた会社のサポートレターなるものが必要になる。
今後永住権を取ろうと思っている人へのアドバイスとしては、「転職するときは気持ちよく辞めること。職場や人間関係が嫌で辞める場合も形だけはスマートに。そうでないとサポートレターがもらえなくなるかもしれないから ( 笑 )」。
ちなみに僕の場合は転職を2度しているので、それぞれの会社からのサポートレターというのを取り寄せる必要があった。弁護士が用意したドラフトを以前の上司に送り、それを会社のロゴが入ったレターにを印刷してもらいサインをして送り返してもらったのだが、かつての上司がいない場合は人事部長などが代筆したものでも可能らしい。
またこの申請書のドラフトは弁護士が作成してくれたが、それには職歴の詳細をこちらで準備し提出する必要があるので、大学卒業後から現在までの自分の仕事を年ごとにまとめておくとよい。


2、 移民局で移民申請書I-140の審査。移民許可証取得。期間 : 3〜6ヶ月
労働許可がおり、しばらくすると次のステップに進むために必要なパッケージが送られてくる ( 僕の手元には来ずに弁護士事務所届くので、実際にどんな労働許可証が送られてきたのかは目にしていない )。
移民申請書のドラフトも弁護士によって作成されるので、必要ならばそれらを訂正し、再度タイプしてもらい、自分の署名と日時を記入する。
ここでも職歴など記入する欄があるが、それらに必要な情報は労働許可証申請時に弁護士が持っているはずなので、僕の方で用意しなくてはいけない書類はそれほど無かった。

この申請をするときに移民許可証取得後のプロセスの選択をすることができるようになっている。ここで Consulate Process を選ぶことでこの後の処理を短縮できるようになるので、詳しい説明を弁護士から聞いた上で Consulate Process を取るか、通常通りの方法を取るかを判断する必要がある。
申請時には通常の手続きを選択した場合でも、途中で Consulate Process に変更することは可能だが、却って処理が複雑になり書類が紛失したりする恐れもあるので、中途からの変更を弁護士はあまり勧めないようだ。
Consulate Process と通常のプロセスとの違いは次の項目で紹介する。


3、 その他書類の手配
「2」の項目の移民許可申請を待っている間、次のステップで必要な書類のいくつかをここで用意する必要がある。Consulate Process と通常のプロセスとでは種類が異なるので最初にその違いを簡単に説明しておく。

通常のプロセスの場合、「2」で申請した移民申請が許可されたあとのプロセスをすべてアメリカ国内で行うことになる。良い点は Consulate Process より安価に済むことだが、欠点はこのアメリカで待つに長い時間がかかることだ。ここでは日本人も中国人もヨーロッパの人もすべて同じキューに入って先着順で処理が進むのでさらに何ヶ月もの期間待たなくてはならない。
それに対して Consulate Process は移民申請許可が出た後の手続きを祖国のアメリカ大使館を通じて行うので、移民の絶対数が少ない日本での手続きでは時間がかからないのだ。良い点は期間が大幅に短縮できることだが、欠点は日本のアメリカ大使館に出頭しなくてはならないのでその往復旅費代にお金がかさむことだ。

僕はここでも時間の短縮を考えて Consulate Process を選んだので、ここからの説明はアメリカでプロセスを選ぶ場合と異なる箇所がある。
「警察照明」「出生証明書」
アメリカで残りの手続きを済ませる人は警察証明もアメリカで行い、またその証明書発行のための指紋押捺も当局指定の場所で行うことになっている。Consulate Process の場合は、警察証明を日本から取り寄せることになるので、ここで在アメリカ日本領事館に出向くことになる。証明を取るにはパスポートだけを持って領事館に出頭すればよいのだが、日本での最後のプロセスで英訳された出生証明書が必要になるのでそれも領事館で同時に準備してしまうと手間が省ける。そのために戸籍抄本を2通取っておき、それを領事館に持参するとよい。
僕が住んでいる New York には幸い領事館があるので、平日一日会社を休み、朝一番で行って手続きを行った。
在 New York 領事館は Grand Central Station からもほど近い Park Avenue 沿いの高層ビルの中に2フロアを間借りしていて、エレベータを降りたところでまずはセキュリティチェック。金属探知器の中をくぐり抜け、入り口にある整理券を貰って番号が呼ばれるのを待つ。窓口は4つぐらいあっただろうか。番号が呼ばれてカウンタに行き、警察証明と出生証明の二つを取りたいことを説明。するとどちらも用紙をくれるのでいったんカウンターから離れ、近くにあるテーブルで必要な事項を書き込む。
出生届の場合は、記入方法見本をくれるのでそれを見ながら戸籍抄本から用紙にすべてローマ字で記入した。はっきりとは覚えていないが、確か出生場所、戸籍に掲載されている名前 ( つまり僕の名前 )、西暦での生年月日といった内容だったと思う。
警察証明に必要な書類は指紋押捺のためのカードを一枚もらうのだが、こちらは記入する項目はあまり無かったと思う。
記入が終わったらカウンターに戻り出生証明書申請に必要な書類を提出。できあがりは5分か10分後なのでそこで待っていてもよいが領事館には後でまた戻ってくることもできるので、時間が無ければ ( 一日ですべての処理を済ませる為にはまだ行くところがある ) 戻ってくる旨を伝えてそこから退館することもできる。
さて警察証明をもらうには最寄りの警察署で指紋を採ってもらう必要がある。指紋カードを貰うときに領事館の人に尋ねると一番近い警察署を教えてくれるはずだが、在 NY 日本領事館からは数ブロック離れたところにある Precinct ( 分署 ) で指紋を採取してもらえる。
この指紋採取のサービスは警察署によって曜日が決まっていたり時間に指定があったりするので、そんなときは日を改めて行かないと行けないが、幸い領事館近くのこの分署は平日午前中はやってくれるので朝一番で領事館に行って必要な指紋カードを貰ってくればその日のうちに手続きを完了することができる。
ところがここですんなりと指紋は採ってくれず、それにかかる費用を郵便局発行のマネーオーダーで支払う必要があるため郵便局に行ってこれを作ってもらう必要がある。たいした金額ではなかったと記憶しているが値段も変わっていると思うので念のため警察署に寄って金額を聞いてから郵便局に行くと良いだろう。幸いここもまた近くに郵便局があるので ( 分署内の警察官が教えてくれるはず )、そこに行って必要な金額分の現金を払ってマネーオーダーを作成して貰い、また警察署に戻って指紋採取を依頼。
指紋は両手の指10本を一つずつ丁寧に採っていく。「力を抜いて」と言いながら、僕の時はごっつい婦人警官がぐいぐいと僕の手を採って指紋を採ってくれた。朱肉の黒バージョンのようなものに指一本一本押しては指定の用紙の10箇所のエリアにそれぞれ指紋を押していく。最後に採り終わると「手を洗うところがそこにあるから洗ってきなさい。戻ってきたら書類を手渡すから」と言って洗面所を教えてくれる。日本領事館で貰った指紋カードにはこうして僕の指紋とこの分署の名前の印が押されて、ここでの手続きは完了。
また歩いて領事館に戻り、指紋カードを提出して警察証明の発行を依頼する。このあとこの指紋カードを日本に送られ、日本の警察庁が照合して犯罪履歴の有無を調べるのでできあがるまでに2〜3ヶ月かかるとしている。そのためこの手続きは「2」の移民許可申請を行っている間に行うと良いのだ。
時期を見計らうのはなかなか難しいが、移民許可がおりそうなところで申請すると良いだろう。警察庁からは領事館に警察証明が送られてくると、領事館員が自宅に電話をかけてきてくれ、ピックアップ可能だと言うことを教えてくれる。封筒は固く封印され、開けずに最後のプロセスであるアメリカ大使館まで持っていかなければならない。有効期限は書かれていないが、おそらく最低でも6ヶ月は有効だと思われるので、移民許可がおりる一ヶ月前くらいに申請開始してもいいはずだ。


グリーンカード(永住権) 3
3/12/2002

4、 移民許可後、Packet 3 受領 期間 : 1ヶ月
移民局より移民許可が下りるとしばらくして僕らのところには直接来ずに弁護士のところに I-140 Approval Notice なるものなどが届くようだ。弁護士が必要な項目を記入し、必要な書類を送り返すと今度は Packet 3 と呼ばれる書類一式が送られてくる。

この Packet 3 は最後のプロセスを自分の出生国で行う Consulate Process を選んだ場合にのみ送られてくるので、移民許可申請を行ったときに Traditional な方法、つまりグリーンカード交付までのすべての手続きをアメリカ国内で行う方法を取った場合には送られてこない。
この方法の違いをもう少し詳しく紹介すると、Consulate Process では最後に面接があるのだが、これを東京にあるアメリカ大使館で行うことになる。すべての書類が整ってそれを大使館に送付すると Packet 4 なる書類が届き、そこには「○○月○○日、○○時に面接を行います」という Notice が届く。その Notice が届いてから面接まではたいてい1ヶ月も無く、また健康診断も日本で受けなくてはならないので、そこからはあわてて帰国の準備を行うことになるが、Consulate Process が移民許可が下りてから3〜6ヶ月で終了するのに対して、アメリカ国内で手続きを済ませる方法だと半年から1年かかるので、渡航費がかかっても早く取れる Consulate Process を日本人の場合は選択することが多いようだ。取れるものなら早いほうがいい、というのは当然だがそのかわり2週間ほどの休みと渡航費がかかるので、これを節約する必要があるという人は Traditional な方法を取ることになるだろう。この場合上で紹介した指紋採取の方法が Consulate Process とは異なって指定機関でとることになるようだ。これは CP では警察証明が日本の警察庁が発行するものに対し、Traditional な方法では米国内の犯罪歴を調査するという違いからなのだろう。また健康診断も Consulate Process は日本で、Traditional な方法ではアメリカ国内の指定場所でそれぞれうけることとなっている。

さて僕は Consulate Process を選択していたので、弁護士が Packet 3 を受け取り必要な書類を用意してくれ、またしても僕はそれに自分のサインと日時を記入するだけ。このとき弁護士からはこれまで僕が取り寄せた「警察証明」( 開封してはいけない )、英文の出生証明書、戸籍抄本などをいったん集め、日本での面接に備えて内容を確認してくれた。このタイミングで戸籍抄本を英訳し、Notarize したものも用意してくれた。

Packet 3 を受領後、ドラフトの作成、Review などの段階を経ること2週間、それが弁護士からまた大使館に送り返されると、今度は Packet 4 なる書類が届く。


5、 Packet 3 送付後、Packet 4 受領 期間 : 2ヶ月
会社の人事部からは「3ヶ月かかる」と言われていた Packet 4 だったが、実際には2ヶ月ほどで Packet 4 が弁護士事務所に届いた。この Packet 4 には東京のアメリカ大使館での面接の日時が記載されているので、この日に必要な書類をすべて持って出頭しなくてはならない。

Packet 4 受領後から面接日まではおよそ1ヶ月ほどあるが、この間にも準備しなくてはならない書類を下に紹介する。

「 Bank Letter 」
日本で言う残高証明書にあたり、アメリカ国内で経済的に良好であることの確認に使用するようだ。僕の場合、こちらに住み始めてから CITIBANK を給与振り込み先として使ってきた経緯からメインに使っているのだが、ここに電話して「グリーンカードのために Bank Letter が必要だ」というとすぐに必要な手続きを取ってくれる。同じ目的で電話する人が多いのか、対応がとても手慣れていた。CITIBANK の担当者から尋ねられたのは「口座開設の日時、現在所有している Checking、Saving それと CD 口座の情報で良いですか?」ということと「宛先はどちらですか? 移民局になりますか?」ということだった。東京にあるアメリカ大使館での面接に提出する、というと「それでは領事宛にしておきますね」とのことで、実際、僕はそのままそれを領事面接に持参し、問題なくグリーンカードが取れたが、この書類も最終的には移民局に行くだろうから、宛先は移民局のままでも良いのかもしれない。心配な人は担当の弁護士に尋ねると確実だろう。
この書類も Notarize される ( 公証人による証明 ) ので CITIBANK の場合は配達されるまでに1週間ほどかかるようだ。通常の郵送であれば無料で作成・送付してくれるが、速達を依頼するとその分チャージされる。電話口の人が「1週間ほどかかりますが・・・」と教えてくれ、僕が「ええ、大丈夫です。来月の下旬に必要なので」と答えると「ああ、よかった。いや、中には『明日出発するから今日中にくれ』というお客様もいらっしゃるんです」とのこと。そう言うときはどうするんですか?とは聞かなかったけれど、その日のうちに届けてくれるか、その人の母国の住所に送付するサービスを行っているのだろうか。
Bank Letter はあまり早めに取り寄せても、その有効な期限が短いので出発前に取得するようにする。

「税金申告書類」
雇用に基づくグリーンカードの申請ということもあり、過去3年間にさかのぼって毎年の税金申告の書類のコピーすべてが必要になる。グリーンカードを取ろうと思っている人はアメリカで申告した書類を絶対に捨てないように。
必要なのは会社から毎年送られる W-2 フォームと、会計事務所などで作成して貰った Tax Return の申請用紙。通常はこれらのコピーだけで良いはずだが、念のためにと僕はオリジナルの方も日本に持っていって大使館にも持参した。

「写真」
弁護士から指示があると思うが、グリーンカード用に2枚、それと日本で受ける健康診断用に一枚。それぞれサイズや写し方が違うので注意が必要だ。健康診断用の写真はサイズ以外特に指定が無いので正面からのものを撮って持っていった。グリーンカード用のものは右耳が見えるように斜めに向いて撮らなくてはならない。しかも写真全体のサイズとその中のあごから頭までのサイズなどが細かく規定されている。
耳を出して写真を撮らなくてはならないのは、どうやら耳は整形が難しいかららしい ( 真偽のほどは不明 )。

「H1-Bビザ」
雇用によるグリーンカード申請ということでそれまでのビザステータスである H1-B ビザの所有を示すドキュメントを大使館に持参する。僕の場合は H1-B ビザを一度更新しているので、2枚のフォームを持参した。

「$325」
大使館での面接の際、支払う金額。東京で外貨を取り扱っている銀行でも両替できると思うが、念のため僕はアメリカでこのお金をおろして持参した。


 

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