さて5月最後の更新は、近所のカフェの紹介でも。こういうと嫌味か、それとも死語って言われそうだけどいわゆる「行きつけ」ってやつですか? ( やっぱり嫌味ィな感じ )。
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ここが気に入ってよく行くカフェ。コーヒーカップも不ぞろい。 |
まもなく仕事の忙しさのピークを迎えることになりそうで、後一息といったところ。週末も必ずどちらかは出勤なので残りの一日はゆっくり休んでもいられず、車のメンテナンスやら洗濯やら掃除やら買い物やら、何気に忙しい。気ままな一人暮らしのはずだが、一人暮らしゆえに忙しいと雑務はたまる一方で、部屋も散らかる一方なのだ。まぁ7月4日、独立記念日あたりにはこの長かったプロジェクトから足を洗って、ゆっくり休みを取っている・・・はずだが・・・。
そんな忙しい日々でも、ひまなときでも、実はよく行くカフェが近所にある。きっと僕の友達でここに僕に無理やり連れられてこなかった人はいないはず、というぐらい自分が気に入ってるので、よく他人も引きずりまわすのだ。どのカテゴリに入れたらいいのか分からないけど、このカフェのメニューも出来たらヨシュランで紹介したいと思っている。今回はそのカフェをちらっと紹介するのだ。
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計算ずくなのか偶然のたまものなのか、ユニークなガラス。奥の人たちはどうやら学生のようで、必死にテキストとにらめっこ。 |
このカフェ、うちから数ブロック離れたところにあって、雨が降っていない限りは深夜でも ( 実は平日の深夜12時過ぎに行ったりもする )、歩いていけるくらいのちょうど良い距離なのだ。店の名前はそれこそ「Cafe Bar」とふざけているのか、それともやる気の無い自然体なのか、ともかくそんな名前なので、電話で初めての友達に説明するときは結構困っている。いつも「 Cae Bar という名前のカフェバー」とこっちが恥ずかしくなるような説明になりがちだ。
外観はともかく内装が結構ユニークで、人によっては「 East Village にありそうなカフェだね」というが、僕はそうではなく Queens にあってどこか垢抜けないこの雰囲気が好きなんだけど。椅子もテーブルもどれも不ぞろいで、それだけでなく食器もばらばらなのだ。窓ガラスも写真にあるように、普通は壁に塗るペイントをガラスに塗ったその効果を楽しんでいるようで独特だ。
なぜここが気に入っているのか、それはやはり行ってみないとなかなか体感してもらえないだろうが、主に以下のところ。
ベースが Greek Cafe で食事とデザートが意外にうまい
食事のメニューはそれほど多くないのだが、行くのは深夜の飲み物だけか、週末のブランチということが多いのでメインコースは無くても全然 OK。飲み物はフラッペというどろっとしたコーヒーのシェイクがお勧め。ブランチ用にはクレープ、ベルギーワッフル ( って日本で流行ったのとはだいぶ形が違う )、ギリシャ風オムレツのほか、サンドイッチもあるが、そこについてくるサイドディッシュが普通のカフェのものと違っていてギリシャ料理で使われる物がサーブされる。
デザートも数は多くないのだが、どれも大体イける。ギリシャ風アップルパイ ( 実際にはパイでなくてクレープの中に入っている感じ ) やチョコレートシュークリーム ( これ説明しにくいんだけど、今回はスペースの関係で写真を掲載できず。見たい!というリクエストがあれば、後日このホワイトチョコレートがけシュークリームの写真をここに紹介します ) は日本人の口にも良くあう。ただし名前がわからないので、いつも店員をショウケースのところまで連れて行って「これ、これください」と指差さなくてはいけないんだが。
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文中で紹介している白オムレツセット。 |
遅くまでやっている
平日、遅くても2時前には帰るのだけど、それでも閉まる気配の無い店内。客も夜更かし族。週末なら分かるんだけど平日も一体何時までやっているんだろう?
催促されない
このカフェ、Manhattan にあるわけじゃないのに、たいてい席が一杯で待たされることもあるのに、一度席に着くと飲み物が空になっても食事が終わっても「何かデザートか飲み物はいかがですか?」と遠まわしにチェックの確認に来たりしないので長居するときには楽なのだ。
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多いときは平日の夜に一度、そして週末はどちらもここで Brunch というペース。
ここに行くのはたいてい夜更かしモードの夜や、特に予定の入っていない週末の昼過ぎ。だらだら過ごすのがここでは正しい。近くに映画館があるので、映画の前や後にここに集まるのもこれまた楽しい。
Brunch で僕が勧めるのはギリシャ風白オムレツセット。白身と Dill だけで作ったふんわりしたオムレツに一風変わった味付けの野菜炒め ( これまたたぶんギリシャ風だと思う )、トーストなどがついている。あっさりしている分、空きが来ないのかもしれない。
今回はヨシュラン更新前で正確な住所を書きとめてないので、住所などの詳しい情報は無し。Astoria の 34th Avenue と 38th street あたりの角に行けば分かる、はず。近所の人、ぜひ一度いってみてください。
写真もいくつか載せてみたけど、なんとなく雰囲気でも伝わったでしょうか?日本から遊びに来た人も、ここをリクエストしてくれれば、いつでも連れて行ってあげます ( 笑 )。
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カプチーノ。手タレは近所の友達。 |
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前回、Manhattan の周りをクルーズする船に乗船しないかと誘われて、Chelsea の Pier 63 に行った話ところまで紹介した。
出航の時間、2:00PMを大分過ぎて集まった面々がそれぞれ自己紹介して、乗り込んだ船、それは・・・・
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機関室にも案内してもらった。 |
乗り込んだ船、製造は確かドイツで、いつ建造されたかを聞いたものの忘れてしまったが、何十年も前のものだった。甲板など全体に外部は赤く塗装され、艦尾には大きな合衆国の旗がかかっているその船は、もともと海上火災のための消火艇だったのだ。
乗り込んですぐに艦内ツアーがあって、機関室や操舵席まで一通り案内してもらう。写真一番上は機関室のもので、お世辞にもきれいとはいえないが、由緒ありそうな計器類がならんでいる。特にこの船は特殊な装備を積んでいるので、そのためのパイプや圧力調整の機器も機関室にあった。次に案内された操舵室も機関室の古さから想像できたように最新の船の装備からは程遠い物が並んでいるが、こんな古い船でも ( 失礼 ) GPS はイントールされていた ( この船ではたして遠洋に行くのかなとも思うが )。
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Intrepid Air & Space Museum。空母そのものが Museumになっている。 |
大きな船だが、この日は全部で20人ほど集まっただけなので、甲板は広々としていた。汽笛が鳴って埠頭から方向転換をしながら静かに出発。最初に Hudson River を北上、つまり Manhattan を右に、New Jersey を左に見ながら川を上流に向かった。空気が澄んでいたこともあってか、エンパイアステートビルもくっきり見える。すぐに Intrepid Air & Space Museum の横を通りすぎ、展示物の空母の甲板にいる人たちからも手を振って挨拶を受けた。川を行き来している、普通の船と違うのでかなり注目を浴びているようだ。
この間甲板後方ではバーベキューが行われていて、友人の弟さんが汗をかきながら、シンプルなホットドッグやハンバーガーなどを作ってくれている。もちろんこういうところのハンバーガーなんて本当はそんなに美味しくないんだけど、天気の良い日の船の上とあって、しかもほとんどの人にとっては昼食ならぬ、朝食だったようで、皆結構楽しんで食べている。
軽い食事をしながら、当日の参加者がそれぞれ隣の人に話し掛けて会話がはずみ、打ち解け始めたころ、「そろそろ放水するから濡れないように」と声を掛けられた。そうなのだ、この船は消火艇なので、当時のホースや放水器 ( Water Gun と言っていたかな? )がそのまま現存しているのだ。
「鐘が鳴ったらすぐに放水を始めるよ。次の鐘が鳴ったら今度は停止の合図」と言われて皆慌てて甲板から屋根のある場所に移動したり、放水器の向いている方向の後ろにたったり ( ところが後で分かるがこれは無意味 ) してそれぞれのポジションで待機。何回か汽笛が鳴ると、各砲台から勢いよく水が空に向かって、ほぼ垂直に打ち上げられた。最近は東京湾の水がきれいになってきたと聞くが、ここ Manhattan の水は相変わらず土色で、この放水も最初の何分かはとてもじゃないが「水色」とは言えない水を放水していたのだが、次第にまともな色に ( 笑 )。
元消防署の船、ということでもかなり目立つのだが、船から10本近くの噴水があがればさすがに陸側から見ている人の注目も絶大だ。
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自由の女神像。沢山の人たちが向こう側からこちらの放水を楽しんでいる。 |
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そこでおよそ10分ほどの「噴水ショウ」を披露したあと、船は Hudson River で U ターンをして今度は自由の女神のある Liberty Island の目の前まで移動。いつもながらにたくさんの人出でにぎわっていたが、ここではさらに長めの放水。自由の女神像の台座にいる人たちも川 ( ここまで来ると海? ) の近くに集まってきて、こっちを指差している姿が見える。
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これが砲台。この後悲劇が。 |
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あまりにも高く放水されるのでカメラには収まりきらない。二つの画像合成ができたら、特別編に掲載します。 |
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この自由の女神の近くでの放水が2度目ということで、果敢にも船の一番高いところにはしごで登ってそこから写真を砲台の水の噴出す瞬間を撮ったのだが、写真を撮っていると鐘が!
皆すぐに砲台の後ろに回ったのだが、もうそこには人が入れる隙間が無かった。ではしごで下に降りようかと考えていたら、今回はあっというに放水停止になり、それまで高く噴出していた水がみるみる真下に落下してくるではないか! 必死でカメラと帽子をかぶっていたのでその帽子をかさにしてかがむようにしたのだが、そのまま水は僕の頭上に落ちてきた。幸いカメラはほとんど濡れなかったので壊れることもなく、濡れたのもほとんど帽子とジャケットの半分くらいだったが、この日の不名誉なびしょぬれ第一号になってしまい、笑いをかってしまった。一緒に来た友達も腹を抱えて笑っていたが、実は3度目の放水のときに彼らはびしょぬれになる番だった。
Liberty Island を後にし、今度は East River を北上。右に Brooklyn 区や僕の住んでいる Queens 区が見えてくる。有名な Brooklyn Bridge の下をくぐった後、そこでも3度目の放水。今度は僕らも自由に砲台を操作させてもらい、自由に高さや方角を決めて放水できるのだ。実際には角度と左右を調節するための大きなハンドルがあり、それを必死にくるくる回すことで移動させるのだ。なので方向転換はなかなか大変。
僕は風が出てきたのが気になったのでカメラをしまって濡れないところから、放水によってできる虹の写真なんかをとっていたら、突風が吹いてきて、砲台を操作している人たち、砲台の向いているのと反対側にいてくつろいでていた人たちが皆、風によって舞い戻された水によってびしょぬれに! 僕の時は停止段階だったので水の量も少なめだったが、今回は天高く噴出している水がそのまま降ってくるので土砂降り状態で、ほとんど全身びっしょりになっていた ( 人のことを笑うからそうなるのだ、ざまあみろ! )
船に乗り込んだときにこの放水器が目に入っていたから、もしかしたら水を撒くのかなと思っていたが、これだけ盛大に噴き出すとなると、乗っている方もびっくり。そりゃアメリカは規制がゆるやかだろうけど、日本では消火艇が民間人に払い下げられるなんてことはまずないだろうし、まして自由に噴水のごとく水を噴き出してよいかどうか疑問だ。ひさびさに「なんかアメリカらしいなぁ」と思う経験だった。( アメリカにいても珍しい体験であるのは事実 )
とまあ普通のクルーズとは一味も二味も違う体験をすることができたが、もちろんこれだけのことを1時間で終わらせて帰って来れるわけもなく、陸では例の友人の友人が待っているはず。気がつくと1時間のはずが、すでに2時間も経っていた。
水の上と言ってもさすがに Manhattan、New Jersey、Brooklyn の間を走る Hudson River, East River だけあって携帯電話の電波も常に良好。予定外の長航海だったが携帯電話を使って船から連絡。
4時過ぎに Chelsea で待ち合わせをしなおして、なんとか初顔合わせもできた。僕に同行した N も一緒だったので、話題は自然とこの船でのハブニングに。僕を含めて、Nもこの日の段取りをしてくれた友達もデジタルカメラを持っていったのでそれを見ながらワイワイと会話が弾む。いい天気だったので近くのカフェは席がないほどで、結局 Starbucks で話をしたのだが、気がつくとコーヒー一杯だけで2時間の長居になってしまった。
この日はやけに時間の経つのが早い一日だった。
なお、当日の写真はここに載せきらないので、「 New York Watch 特別編」の方に後日掲載します。
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