年が明けてから、少しずつ仕事が忙しくなり ( 少なくともこの忙しさは2月いっぱいまで続く。おそらくその後も・・・)、最近自分のホームページの更新が滞りがちだ。少なくともいまのところは週末出勤は免れているので、時間を作ろうと思えばあるのだけれど・・・。
いいわけを考えてみると、外に出るのが寒くて億劫 → 出かけないので New York Watch で紹介するようなネタもなし、ということになるだろうか。冬の New York は体感温度が零下になると本当に寒い。出歩く人も完全防寒着になり、みんなモコモコしている ( ダウンジャケットやセーターにレザージャケットなど )。その上帽子にマフラー、手袋を装着しないと、肌を露出しているところがあると痛いくらいなのだ。
ところで外出のときに困るのが実は分厚いコートやマフラー、手袋なのだ。外はそれだけ寒いのに、室内は真夏のごとく暖かくひとたび室内に入るとその防寒着のせいで汗がふきだすほど。日本のように家族が集まる場所だけに暖房を入れたり、外出している間は暖房を止めたりする習慣はこちらになく、24時間、すべての部屋が一定の温度に保たれているのだ。 ちなみに New York 州の法律ではある日時から次の年の春のある日時まで、アパートには暖房を提供しなくてはならないと定められている。しかも最低温度は65F度と決まっており、これを下回ったときはアパートの住人は警察に緊急電話をかけてよいことになっている。大家または管理人は住民の生命をおびやかし、危険にさらしたとして ( なんと大げさな ) 厳重に注意・処罰されるのだそうだ。
まあそんなわけでアパートに限らずレストランでも屋内はとても「暑く」、席に着けばすぐにコート、マフラー、帽子をどこかに片づけないと座る場所が極端に狭くなってしまう。レストランによってはコートチェックができるところもあるし、もちろん club にはどこでもコートチェックができるようになっている。
脱いだり着たり、コートチェックに預けたり、返して貰ったり・・・冬の外出は衣類がじゃまになるので、こうして億劫になってしまうのだ。
写真は食事の後、普段だったら適当に Village をぶらぶらするところだが、あまりに寒いので近くのプールバーに飛び込んだところ。結局、この日はそれ以外に行くところもなく深夜までキューを握ってた・・・。ふとこのとき日本のことを思い出したんだが、僕が大学に通っている頃、ビリヤードブームというのがやってきた。けれども数年後にはほとんど見かけなくなってしまった。
アメリカにもそんなブームがかつてあったのかどうか・・・それでも Manhattan ではあちこちでプールを見かけることができる。寒い冬にはもってこいの気軽なレジャーなのかもしれない。( 日本はカラオケ? )
ところでこの New York Watch を置いている geocities.com からそろそろ引っ越ししようと引っ越し先を物色中。もともと1年分のデータが10MB を越えるので、geocities.com が割り当ててくれる 15MB 程度では足りず、1年ごとに過去のデータを移し替えてきたのだ。がそのバックアップサーバもいっぱいになりつつある上に、リンクの張り替えなどが面倒なのでこの際ひとまとめにしたい。さらに追い打ちをかけるのは、geocities.com はデータ転送量の上限が決まっていて、一定時間に多くの人が同時にアクセスすると時間あたりのデータ転送量の上限を超えたとか言って、アクセスを規制をする措置をとりはじめたのだ。そのせいで、New York Watch にアクセスしたら見慣れぬエラーが表示された人もいるかもしれない。
nomeri.com ドメインが置かれているすべてを持ってくるのが理想なのだが、現在のサーバ容量では掲示板への写真投稿の数を減らさなくてはならなくなりそうなので、この際 nomeri.com が置かれているサーバも、New York Watch もどこかに引っ越ししてそこで新生 nomeri.com をスタートしようと画策中なのだ。
どこか、お得でネットワークスループットとサーバが高速な ( もちろん安定稼働しているのが第一条件 ) web hosting の会社を知っている人いたら、是非教えてください!
雪
1/20/2002
昨シーズンに比べると降雪の回数が少なかった今シーズンだが、今日は昼過ぎから雪が降り始めた。
最寄りの地下鉄駅からの風景。G2にて撮影
早くから寒くなったかと思うと、急に暖冬になったりと不順な天候が続いている New York の今冬だ。
例年・・・というほどまだ New York 暮らしは長くないが、それでも今年は降雪の回数が極端に少なかった。一度だけ降った雪もその日の内に溶けてしまうくらい少量のもので、さては今年は雪が積もらない平和な冬が迎えられる、と思っていた。
天気予報で「明日は雪」と伝えていたものがただの雨でしかも普段より暖かい気温になるなど、滅多にはずれることのない天気予報でさえ雪にはならなかったくらいなのだ。
今週月曜日は、黒人公民権運動に尽力した Martin Luther King Jr. の誕生をたたえる National Holiday になっているため、学校はもちろんのこと、多くの会社がこの日を休日にしている。Matin Luther King Jr. については、以下のリンクででもう少し詳しく Martin Luther King Jr.の人と成りについて読むことができる。
New York は雪が多いので、住んでいる人も雪にさぞなれているだろう、と思いきや実はそうではなくて、あちこちで車同士がぶつかる事故を繰り広げている。高い税金を払っているおかげか、割と除雪はスムーズに行われるが、それは雪がある程度やんだ頃で、雪が強く降っている間はやはり車の運転をしないことにしている。自分が事故を招かなくとも、人がぶつかってくる分は避けられないしね。
これまで New York のおもちゃデパートというと、映画「Big」( トム・ハンクス主演 )に出てきた、FAOシュワルツぐらいだったが、ここ Times Square の Toys'R'us も新名所になりそうな感じだ。
何も New York まで来ておもちゃなんか見なくても・・・などと言わず子供の心に戻ってアメリカのおもちゃでも見てみると楽しいと思う。
ただしこの中で待ち合わせをするのは勧められないかも。きっと相手を見つけるのは難しいはず。
ゲーム機売り場。
最上階にあるカフェテリア。座席はペプシのふた。
TIMES SQUARE CENTRE - TOYS"R"US
1514 BROADWAY (COR. 44TH)
NEW YORK, NY 10036
Tel:(800) 869-7787
気がつくと New York Watch も4度目の正月を迎えた ( New York 暮らしも去年の11月で5年目に入った )。もともと旅行記から端を発した僕の web サイト。こんなに長く続くとは思っていなかった。ましてアメリカでの暮らしも、まずは数年とスタートしたものだったが、すっかり落ち着いてしまってあとどのくらいここに住むか未定となってしまった ( 笑 )。
New York に住む日本人 ( まあ日本人だけとは言わないが ) は知り合うと必ず「 New York 暮らしはどのくらいですか?」と尋ねられる。最初の1年、2年、3年と言っているうちは良かったが、最近は「今年で5年目です」というと「へぇ長いですね」と言われるようになり、なんだか恥ずかしい気もしてきた。どうして恥ずかしいかという気持ちについてはなかなか説明しにくいのだが、長いですねぇと言われる言葉の裏に「その割には New York に腰が据わってない」「英語がそれほどうまくない」という意味があるんじゃないかと勝手に勘ぐってしまっているからだろうか。
2002年もマンネリ化した New York Watch にならぬよう、ここは新年の Resolution として肝に銘じておこう。
話は変わるが一つだけ映画の紹介を。
僕は自分が見た映画をあまり人に勧めるのが得意じゃない。いかに感動したかを説明しようとするとストーリーを話さなくてはならないし、詳しく説明しちゃったら見る人は興味が半減してしまうだろう。なのでここで書く話も中途半端な紹介にならざるを得ないのだが、映画のセリフの中にこの New York Watch ( だけでなく nomeri.com 全体を含めて ) を作っている姿勢について問われるようなものがあったのでここでその映画を取り上げて見ようと思う。
僕が DVD プレーヤーを買ったのは去年でそれからいくつか DVD ムービーを買ったし、これまで通り映画もいろいろ見てきたが、昨年見た物の中で勧めたいのが「Finding Forrester」というタイトルの映画だ。実は昨年封切りの映画では無くて、映画館での公開を見逃してしまったので昨年 DVD ムービーとして購入して改めて見た映画なのだ。
物語の舞台は現在の New York、The Bronx。一口に The Bronx と言ってもいろいろあるが、ここはどちらかというと貧しい人たちが暮らす一角。ここに住み、普段は高校の友達とバスケットをして放課後を過ごすとある黒人の少年には親にも友達にも話したことのない趣味が一つある。本を読むことと日常感じたことを文章にすること ( こういうことを友達に隠す心境ってわかるような気がする。偏見と言われればそれまでだが、やはり The Bronx に住む hip-hop な高校生のスタイルとは180度違うしね )。その後、彼の文才は学校のテストでずば抜けて高い能力を持っていることが判明するのだが、この能力に目をつけた人がもう一人いた。友達同士のいたずらというふとしたことで近所のアパートの最上階に住む偏屈の部屋に忍び込んだのだが、このとき普段から書きつづっていたノートをカバンごと忘れてしまう。人前には決して姿を表さず、誰も見たことのないこの住人こそ、かつてピューリッツアー賞を受賞し、その後ぱったりと小説を書かなくなってしまった白人の老作家だった。
少年の書いたノートを読んだ作家は少年が16歳でこれを書いていることに驚くとともに、この作家に「自分が何を書きたいか、何をしたいのかもわからないのだろう」と言い当てられた少年はお互いに影響をおよぼしつつ、いつの間に不思議な友情が育つ。少年は作家から文学について導かれ、作家はある事情から一冊の書籍出版以降書かなくなっていた文学を書き始める。しかも人と会うことも、まして外出することすら嫌っていたこの作家が少年に影響され、何十年もの間かたくなに守っていた殻を割り、外向的に変わっていく。
年も人種も育ちも全く違う2人に友情なんて、とも思うかもしれないが、不思議とここ New York ではそれが決して不可能では無い気すらさせてくれる。
文章を書くことに関しては天才的な能力を持つ少年だが、進学校への転校、生徒同士の競争、大人たちの思惑やプレッシャーに対しては16歳の肩には重すぎた。この作家を巡ってのトラブルにも巻き込まれるが一貫してその信頼関係を守ろうとする姿勢。
昨年いろいろなことが起きた New York だが、この映画がいわんとしている信頼とか友情こそが今重要なんじゃないか?こういう友情が少しでもあれば、立場の異なる人の気持ちも理解できて、こじれた偏見も少しは減るんじゃないかな。僕は New York の人にはそれができると信じたい。
さて例のセリフの話だが、もちろん映画には脚本があるので作られた言葉だとはわかっていても、その中に New York Watch を書こうとしていてなかなか書けない心境を突かれたものがあった。
主人公の少年がタイプライターの前に座り、かしこまっていざ文を書こうと思うと一語も書けないシーンがあるのだが、そんなときに作家は「頼むからパンチしてくれ。文を書くのに考えるな、タイプしろ。ドラフトをハートで書いて、仕上げに頭を使って書き直せ」。