アルバム・旅行記
 
  タイ旅行記(バンコク その1)
     
  バンコクに到着したのは午前1時過ぎ、その翌朝は遠出する気力もなくホテル周辺を歩き回る。私達が1週間近く滞在した場所は街の中心からかなり離れたところにあるメナム・ホテル。メナム川に面している。写真がそのメナム川に投入された water hyacinth (ホテイアオイ:川の汚染を「一応」阻止する、バンコク市なりの方法)が河川底や口にたまったりしないように回収する船の様なもの。ニューヨークに帰ってから早速会社の友達にこの写真をみせたクリスは「皆、この川のこと道路かと思てんて。」火葬後、タイ人の灰の3分の1はこの川へ流されるから仏教の禁止でもないかぎり汚染は絶対永遠に続きそう。この土色の川で平気で体を洗ったり、泳いだりしている人も見かける。タイ人の平均寿命は65歳。後日参加したツアーを案内してくれた28歳で中国系のガイドは「それで十分だと思います。」あまりにも悲しすぎる。

2日目の朝、ホテルのロビーの観光案内係りから半日ツアーなら申しこんだその午後にも参加出来る事を聞いて、3つの寺院をまわるツアーに申し込む。一人470バーツ(約12ドル)也。政府お墨付きのガイドが付くツアーにしては格安だ。しかし、道端の屋台で料理を売って生計を立てる夫婦が2日で稼げるかどうかという額。最初に訪れたのがこの金の仏像のある寺院。タイにある仏像は殆ど金ピカやけど、これは純金の固まり。大昔にビルマとの戦争を前にして国の財産を敵軍から守る為、この純金の仏様は醜いコンクリートで覆われたが戦争後は存在自体を忘れられてしまった。つい数十年前、この醜いコンクリート像を郊外へ動かそうとクレーン車を持って来たところ、勿論純金はコンクリートより重たいので仏像は動かない。頑張って吊り上げようとするとコンクリートのかけらが割れ落ち中から金ピカの仏様が出て来て「おお!これぞ仏のお導き」という事でこの仏像さんはバンコク市内にとどまる事になったのです。個人的に言って純金かなんか知らんけど、小さいしあまり凛々しい顔をしてるわけでもなく感動は薄かった。逆にへんにピカピカしてゲテモンぽくって趣味が悪いと思う。

 

次に訪れたのがとても敷地の広いWat Phoと呼ばれる寺院。上の写真はそのうちの「見所」でもある仏像。横たわっているこの仏様は45mの身長。絶対写真ではわからない壮大さ。足の裏(写真右)には真珠層でつくられた108の仏の色々な面がかかれている。私はこの仏様の目つきが非常に気に入りクロースアップの写真も撮ってみた。裏側から見れる枕も魅力的だ。 Wat Phoはタイで初めて女子にも開かれた学問の場でもあり、当時教えられていた科目の一つが「マッサージ」であった事から今でも寺院内で何日間かの集中コースが取れるらしい。(別料金)マッサージをしている人の像も見つけた。

これも同じ寺院内。写真では見えないが赤い絨毯のひいてある天井の高い部屋。この部屋に入る際に袖のない服を来ていた私は初めて「上着を着て」と声をかけられたので持参していたカーディガンを引っかける。ツアーに参加していたのは私達ともう一組のニューヨーカーの夫婦を除いて全員ヨーロッパ人の観光客で、この時点で何も上着を持ってこなかった3人の女性が中に入れてもらえず。その内、フランス人の私と同じ歳程の女の子はかなり怒って文句を言っていた。しかしアジアの宗教ってなめられてるよなぁ。ホルターネックのシャツに短パンっていうタイ国民にしちゃ裸同然のカッコで他人の宗教の礼拝所に来といて... このフランスっ子は絶対外国人がノートルダム寺院内で写真撮りまくってたら文句言うはず!(って勝手に考えながら、「あんた、ガイドブックも読んでこんかったんかいな。」と言うたった。)部屋の中は涼しくて(扇風機が置いてあった。)中に入れた皆は正座をしてじっと仏様を眺めていた。

その日最後のツアーは大理石寺院。この写真の大理石寺院は名前の通り全て大理石で出来ており、この種の大理石はタイ国内では取れない為、全てイタリアから輸入された物だとか。西洋文化をタイに取り入れたラマ5世(だったと思う。←いいかげん!)がイタリアを訪れた際、その文化に惚れ込んで母国に持ってかえって来たとの事。この王様はタイに「スプーン」を持ってかえって来た方で、私がまずタイに着いてビックリしたのはタイ料理はスプーンとフォークで食べるという事。タイでナイフを使って料理された食べ物を切るという事は「西洋文化においてナイフを口の中に入れて物を食べる事に等しい程野蛮な行為」なんだそうだ。(でも肉料理はちょっと食べにくい。)写真左は正面から。写真中はそのヨーロッパ文化をもろに反映しているステンドグラス。美しい金の壁紙は実は壁紙ではなく全て手描き!赤と金の天井以外は全てこの「壁紙」で覆われている。凄い!中庭でもヨーロッパ建築の影響がThe Corinthian Order(古代ギリシャ、コリントス式の柱の型)似の柱に思いっきり出ている。(写真右)

宝石屋の後は各自のホテルまで車で送って行ってもらってツアーの終了。その後はホテルのプールでひと泳ぎ。典型的なニューヨークっ子のクリスはまともに泳げないので、私が教えてみる。が、短気で根気のない「私」の方が先にあきらめた。

 
 
 
 
最後にこのページをいじったのは2004年 1月1日。
 
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