アルバム・旅行記
 
  スペイン旅行記:マドリッド編
     
  ビルバオからマドリッド間の電車の中ではマギータを完全に無視してクリス、クリスティーナ、私の3人で「将来」について黙々と論争しました。途中のスペインの田舎の景色があまりにも綺麗なので、窓から景色をスケッチしてみたりもしました。その古くてタバコくさい電車に揺られて6時間半後無事私達はマドリッドに到着。タクシーをひろって予約しておいたホテルへ向う途中に見る街はビルバオとうってかわって大都会。スペインのどの都市にも共通しているのが道幅が広い事でニューヨークで言えばパークアベニュー、大阪で言えば御堂筋のような大きな通りが沢山あって、なんとなく自分の街に帰ってきたような気分がしました。

マドリッドはスペインのど真ん中にあってビルバオや次に行ったバルセロナよりも南部にあるのでまず最初に気づいた事は「めちゃめちゃ暑い」という事。町中に立っている時計+温度計には滞在中一度「47℃」と表示してあったので「うわぁ、人生で一番暑い気温に出くわしたわ。」と感動してました。実際気温はものすごい高かったけど、湿気がないのでなんとか耐えられました。しかし水や「アクエリアス」(アメリカには無いけど、日本で売ってるのと同じのが売ってた!ちょっとビックリ。)を飲んだ後に腕の表面から白い粉のような塩分が出てくるのにはビビッた。

マドリッド入りした次の日一番最初に訪れたのはスペインの武器、防具をおいている博物館(Museo del Ejercito:Army Museum)。これは歴史+武器/防具オタクのクリスと約束していたので朝の9時から出かける。一応ガイドブックにもチョコっと載っているけど、有名で大きなプラド美術館なんかとちがって、お客さんはけっこう地元の家族づれが多い。入場料も申し訳ない程の値段。(1人100ペセタ=約50円くらいか?)かなりキツイ金属探知器を通らなあきません。(私のめちゃめちゃ細こい眼鏡のふちでも「ポ〜ン」と鳴りました。)

しかしビルバオの人も親切やったけどマドリッドの人は親切な上に皆英語が喋れるので感動です。博物館はとても静かで入り口からは想像しにくいけどとても充実した内容の立派なコレクションがあります。クリスがいたので「これが何々軍が何世紀頃つかってた○○」やとか教えてもろて無料のガイド付きみたいなもんやったんで余計に特した気分でしたが、ガイド無しでも見てるだけでも素晴らしい宝庫です。ちなみに写真は博物館内ではフラッシュがたけないので唯一直接外からの光が当たっても大丈夫な防具の部屋だけ十分な明るさがあったので、ぶれていない写真が撮れました。

その後は近くの大きな公園(Parque del Retiro:The Retiro Park)で散歩をしました。公園はどこの国の公園でも好きやねんど、スペインは大規模で美しい公園があって気温さえ異常やなかったら一日中ゆっくり散歩してまわれるくらいです。もちろん公園内にある噴水や広場の建築はそれを見に行くだけでも価値ありです。

スペインに行ったら絶対フラメンコを見に行くぞと決めていたのでガイドブックでお薦めの場所を見てみると、スペインも例外なくヨーロッパなんやな〜と思い知らされた事実を発見。8月は殆どの個人営業の店が「お休み」になっている。皆バカンスに出かけちゃうからとの事。もちろんフラメンコが盛んなカフェも7月8月中は休みだそう。それでも絶対フラメンコは見るつもりでマドリッドに来たのでホテルのお兄ちゃんに「フラメンコが見れるところを紹介してくれ〜」って頼んだら、親切に自分の友達に電話してくれて近所でフラメンコのショーを見ながら食事の出来るお店を紹介してくれました。

ショーとかいうから1時間くらいのショーがあって夕食が出来るのかと思ったらそうじゃなくて「9時頃からショーが始まる」としか教えてくれない。かえる時になって分かったけどそれはきっと「ショーのおわり」がないから。私達は疲れて夜の12時半過ぎにお店を去ったけどまだダンスは休まずに続いていた。感想はというと食事はまあまあ〜どっちでもいい味だったけど、フラメンコは最高!それも始まってからどんどん盛り上がっていって11時を過ぎた頃なんてレストランは人の山と化していました。物価の安いスペインにしては一人約70ドルくらいと高めのお値段やけど、3時間のショーをそれで楽しめたら十分だと思う。フラメンコのギターとかは昔から結構はまってたけど、今度はダンスを習いに行くか? マドリッドで買い忘れたからちゃんとバルセロナでフラメンコ用品のお店に行ってカスタネットも買ってきたし。

翌日は宮殿へ出かける。ホテルから歩いて行ける場所にあったので嬉しい。写真はその宮殿の裏側にある庭。今はスペインのロイヤル・ファミリーは郊外のお城に住んでいるのでこの宮殿は何か国の行事がある際に使用されたりするだけらしい。またまた宮殿内ではフラッシュ禁止なのでブレブレの写真ばっかり撮れてしまいました。(ちゃんと絵葉書は買ったけどね)しかしグロいくらいに飾りのじゃらじゃらついたすごい所です。一面陶器で出来てる部屋とか、一面タペストリーとか。目痛くなるかも。

率直な感想を言うと唯一王宮の薬局で壁一面に薬草なんかを入れる引き出しがゴロゴロついている部屋が気に入ったくらいです。(写真がそれ。うちのアルバム用に作ったから吹き出しがついてるけど許して。ちなみに余談ながらアルバムに入っている方の吹き出しではクリスが"Now... Where's the sugar?"(砂糖はどこいったかいな?)と言っていて、引き出しには「カズハの靴下(シマシマ)」や「クリスのビーフ・ジャーキー」などと落書きしてあります。)EUの国民は無料で入れるという日にいってしまったのでものすごい混みかただったし、私の趣味とは合わないお城だったんですが、それでも一応見る価値はあると思います。

上でも言っていたプラド美術館なんかはマドリッドに行く目的のように言われますが、(ゴヤなんかの暗〜い作品が好きな方は特に)私はすぐに出てきてしまうくらい気に入りませんでした。なんせ部屋の分けかたが悪くて何度か同じ部屋に舞い戻ってきてしまったりして頭に来ました。それと何故か照明が悪くてくらくらしてきたのもあります。それより今回私がマドリッドで一番気に入った美術館はプラドからほんの少し離れた場所にある現代美術館。(Centro de Arte Reina Sofia)ピカソの「ゲルニカ」の移動先(ピカソ自身の「スペインが民主主義になるまでこの作品を国内においてほしくないと」いう要求で1981年まではニューヨークにあった)がこの美術館。スペイン国外でも有名な画家(ピカソ、ダリ、ミロ等)の作品の数も多い事ながらスペインのアーティストの作品が沢山展示されていて嬉しい。

中でも私が気に入ったのはPablo Gargalloの「Gran Profeta」(Prophet)という作品とEusebio Sempereという人の作品。(勿論他にも色々気に入ったのはあったけど)絵画は海を超えてでもNYCのメトロポリタンやMoMAなんかに来るけど、彫刻はなかなか来ないので興味あります。コレクション以外に見ておきたいのが写真に映っているエレベーター。これはイギリスの建築家Ian Ritchieと Ove Arupのチームが1992年に建設したものです。このガラスのSuspension方(吊り下げる方法)はヨーロッパやアジアではこんなに前から現実化されていた技術なのにアメリカでこれが初めて使われたのは実はうちの大学が去年工事し終わって開放したシュミ(コロンビア大の建築学校の学長でスイス人の建築家)作のラーナー・ホールだそうな。やっぱりアメリカって後れてる?

ビルバオとバルセロナが建築の街だとすればマドリッドは「美術館+博物館の街」ってとこか?なんせそこいら中にでっかい施設が並んでいてどこに行けばいいのか迷うくらい。しかしNYCに住んでいると結構海外の有名な美術品の展示が行われる事が多いので、美術館が一番の売り物っていうマドリッドにはちょっとだけ失望。しかし食べ物は美味しいし人は親切だし、美術館に飢えてる人には最適の街です。

ビルバオからマドリッドに移動する際の電車にこりたので今回は(特にクリスティーナ&マギータ姉妹はマドリッドに残るので)旅行代理店にいってマドリッド〜バルセロナ行きの国際線の飛行機のチケットを購入。一人約70〜80ドルくらいだったはず。なんせ50分で着いちゃうのにはやっぱり感動。

バルセロナ編に続く。
 
 
 
 
最後にこのページをいじったのは2004年 1月1日。
 
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