妹島和世
なかへち美術館

すごい田舎にある。大阪から夜中に飛ばして車で5時間。和歌山熊野古道沿い、なかへち郵便局を超えて、トンネルを超えてすぐの川沿いにある。行ったのはまだ開館前であったが快くいれてくれた。妹島和世の作品を見るのは今回がはじめてであった。見て驚いたのがディティールの馬鹿っぽさ。プラモデルみたいだった。雨の日だから特に気になったのだが、雨じまいがすごい、GLから10センチほど高い床レベルにつけられたガラスの収まりはコーキングのみ。単純なディティールは作って壊してまた作る建築にはもってこいで、環境問題と経済問題を両方考えるとそれも重要かとも思った。ガラスの表皮に張りつけられたシールは2箇所ほどめくれていた。共同設計者の西沢立衛のスライド会で質問できる機会があったのでこのことをいい、建築の耐用年数についてどう考えているのかと聞いたところ、すいませんがまったく考えていないと答えていた。あのディティールは彼女の建築を演出するための技だと思った。彼女の建築の語りにくさは、人間を無視した空間構成と、そのディティールにあるのだ。

May1998 Wakayama

調布市駅前交番

名前の通り調布の駅前にある。外から見ると普通である。ぜひ内側を見たい。そう思いお巡りさんに中を見せてもらえるかたずねにいった。だめとの返事。中の写真があるから持ってきてあげるとGAJAPANを持ってきた。それを見てここに来ているのである。どうしてもだめですかと聞いたところ、だめとの返事。しょうが無いですね。今度悪いことでもして中いれてもらいますわ。これを帰りの言葉にした。大阪であれば、手錠磨いて待ってるわ。ぐらいの返事が返ってくるのだが、さすがは東京、ただむっとしてた。

Aug1998 Tokyo

岐阜県営北方住宅

北方の交差点がロードマップ等でわかればそこから見える。妹島和世と高橋章子と外国人の方二人と磯崎新の奥さんの女性陣で設計され磯崎新プロデュースで作られている。妹島棟の住個プランを見たときは驚いた。建築雑誌では使えない言葉であろうが、馬鹿っぽいのである。ねらいどおりのプランであろう。見たこと無いもの。さまざまなパターンを用意し組み合わせをいじって全体構成としている。当然室内は見れないが外からでも大胆な片廊下形式の住居状態がわかる。ただ特別感じるものは無かった。高橋棟の廊下面が波板なのは良かった。おっさんには出来ないであろう材料の使い方だ。ここは明け方に見にいったのだが早稲田大学の5人ぐみが来てた。女の子がデジカメ持って建築撮影してるのを見て日本は進んでいるなと感心した。彼らも次はマルチメディア工房へ行くといって先に出たのだがついたのは私たちのほうが早かった。

Aug1998 Gifu

国際情報科学芸術アカデミーマルチメディア工房

とりあえずどこか解らなかったので公共施設の建築でもあったので駅前交番に聞きにいった。親切に教えてくれた。聞き終わってロータリーを出るころまったく別の方向へ向かっている早稲田カーを見つけた。さっさと工房へついて見学した。鍵のかけわすれかなかに入れた。空調も効いたままだった。98年度の学会賞だったと思うがすでに汚かった。雨水が中に入ってくるようになっているためだが汚い。なかへちに良く似たものに横線が入った感じの空間構成だった。空間を面白いものをつなげ合わせ、ほかには目もくれない態度がすばらしい。内部を十分見終わって外でスケッチしているころ警備員がやってきて鍵を閉めていった。スケッチも終わり車に戻り手持ちの水で歯を磨いたが、磨き終わっても早稲田連中はこなかった。

Aug1998 Gifu
写真は現在手元にありません。入手次第掲載します。
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