この映画のアメリカでの評価は、コンピュータグラフィックス(CG)を使った映像は素晴らしいが、ストーリーが最悪というものです。私はCGが好きなので、別にストーリーが最悪でも、ぜひ映画館で観ておこうと思いました。
夜10時の上映は値段が8ドル(約1000円)と高いので、まだ昼間の上映を行っている映画館を探し出して、そこに行って来ました。料金は5ドル50セント(約700円)でした。
映画は確かに映像が綺麗で、特に人物はビックリするぐらいリアルでした。でも登場人物をこれだけリアルにCGで再現するなら、正直言って俳優を使った実写の方が手間も掛からず、登場人物の感情表現の点でもメリットがあるのではないかと思いました。
それにしても日本のアニメーションって何で女の子が主役のケースが多いんでしょうか? この「Final Fantasy」の主人公の女性は女の子という年齢ではないかも知れませんが、少なくともアメリカ人には女の子に見えると思います。女性を主人公にするにしても、もっと年齢を上げて、ゲームの世界で言えばララ・クロフト(「トゥーム・レーダース」)や私のお気に入りケイト・アーチャー(「ノー・ワン・リヴズ・フォーエバー」)みたいな女性が主役だともっと面白い物になったと思います。
またストーリー自体も単調で、あのCGを使ったアニメーションの失敗作として有名な「Titan A.E.」よりも悪い出来です。(「Titan A.E.」の登場人物の方がまだ魅力がありました) おまけに映画の中で人が残酷な死に方をするので、この映画を観ていた子供達が可哀相でした。一説によると、この映画のストーリーはアメリカの観客を意識したものになっているという事ですが、もしそうだとしたらもの凄い勘違いです。このストーリーではアメリカ人にはウケないと思います。B級SF映画のレベルなので。
CGで人物をリアルに表現するというのは、CGアーティストにとって永遠のテーマの一つだと思いますが、この「Final Fantasy」のレベルを達成できたとしても、結局それと映画の出来は全然別の物なんだということが良く判りました。CGで作られた映画としては、やはり「トイストーリー」の方が圧倒的に面白いと私には思えました。