6月6日(金)
タンペレ通信に戻る
昨日、研究グループのパーティがあり、我々家族も招かれた(他に家族を同伴した人は居なかったので、無理矢理押し掛けたのかも)。午後、年に数回のミーティングがあり、その夕方に大学の近くの会場を借りてパーティが開かれた。隣国エストニアから来ている二人の教授と数人の学生も一緒だ。会場は、タンペレ工大南側の研究センター(ノキアを始めとする企業の研究所が集まっている)の一角にある6階建てのビルで最上階が、パーティルーム、付属のベランダ、サウナになっている。
サウナ室は一つしかなく混浴になるため、残念ながら、家内も若い女性陣も利用できなかった。サウナは、ほぼ、男性専用になった。女性の利用者は、(うちの素子を含めて)二人のみ。アルコールの好きな人は、サウナに入る前からビールを水のように飲み、出てきてからも、タオルを越しに巻きベランダの椅子に座ってまたビールである。西独のコール首相に良く似たエストニアの教授は、よほどサウナが好きらしく、何度も何度も入っていた。
なかなか経験できないことと、挑戦してみた。サウナは熱いが、気持ちの良いものである。出たあとはビールもうまいし、いつもより敏感にそよ風を感じる。着替える場所が、明日のミーティングの打ち合わせをしている(女性を含む)ベランダのグループから丸見えなのは気になったが、まわりの人は全く気にしていない様子なので、気にしないことにした。
アルコールが入ると会話も進む。自分の下手な英語も気にならず、話し続けていると、結構、フィンランド人も英語の言葉をひねり出すのに苦労しているのを見て、安心したりする。日没が遅いことも手伝って、最後までパーティ会場に残ってしまった(家族は、もちろん、先に帰っている)。時間は、12時半。街頭は灯っているが、北の地平線は日没直後の夕焼けで、明るい空には星もみえない。帰宅後ベッドに入ったのは1時半近くであったが、これ以上暗くなることはなかった。
(変圧器到着)
昨日、塚本さん(電気工学科)からお借りした変圧器が着いた。着いたのはタンペレ近郊のネカラにある運送会社の事務所(訂正)で、私が受け取ったのの伝票のみ。マラさんに聞くと、500マルッカ以上の品物は課税対象だから、伝票とお金(関税を支払うため)を持って、事務所まで取りにいく必要があるとのこと。地図で場所を教えてくれたが、直線距離で大学から北西に4kmくらい、タンペレ中心部より近いので、今朝は、大学に行く前に、家内の自転車を借りて荷物を取りに行くことにした。
往路は林間の歩道を走った。地図で見る限りこの方が近い。まずは、いつもアパートの窓から見ている、ヘルバンタの水道塔(ベシトルニ)のまでヘルバンタの町中を走る。歩道は幅広く走りやすいが、十字路では、車道との間にある5cm程のわずかな段差が気になる。ベシトルニを過ぎると、いよいよ未舗装の林間道である。ここも道幅は広く、自動車は来ないから、安心して走れるはずである。予想と違ったのは坂である。フィンランドは平らな国というイメージが強く、また、普段はタンペレへ行くのにバスを使うので、気にならなかったのだが、自転車で走ると結構きつい。
ヘルバンタから隣の住宅街ハリッラまでの間には谷がある。降りた分だけ登らなければならない。谷の底近くには、高圧送電線が走っていた。土地に余裕のある国ならではか送電線の鉄塔は低い。ハリッラを過ぎると、ネカラに向かって長い下り坂になる。
途中、ハイウエイの高架下をくぐってしばらくすると、急にのどかな郊外の風景が開ける。
近くの農場?の牧草地には、牛までいる。天気も良いし、自転車で来たのは正解だったなあと、楽しい気分。
関税の支払は不要であった。荷物は開封させられたが、用途(商品ではなく、自家用であること)を説明したところ、伝票にサインを求められただけで、すんなり受取り完了。係員が英語を話せてよかった。帰り道はハードであった。往路に楽しんだハリッラまでの長い坂道を、今度は登らなければならない。おまけに荷物まである。復路は、ハリッラーヘルバンタ間を街道沿いに走り、谷にかかる橋を渡ったが、見下ろすと結構深い谷である。橋の東側にあるスキーのジャンプ台も、この落差を利用したものだった。無事、アパートに帰り着いたときは、かなりの仕事をした気分である。所要時間は1時間30分。
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