7月10日(木)

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(続ラップランドの蚊)

 我々が、トナカイ牧場で遭遇した蚊の大群のことを覚えているだろうか。3日経っても刺されたあとが残っていて、会議終了まで、痒さが続いたのである。実は、ラップランドの蚊の実態は、その程度ではなかった。以下は、家内から聞いた話だが、先週の木曜日(私の発表の当日)子供たちと参加したオスナバーラの丘(ロバニエミの中心から東、ローソク橋を渡ったところに広がる丘で、北斜面には、ジャンプ台の他、照明付きのスラロームコース、ラングラウフコースがある。丘の上のスカイホテルの屋上からのミッドナイトサンを見に観光客が訪れるとのこと)のハイキングでは、もっとすごい蚊の群れに遭遇したのである。
 その話を聞いたとき、「行けなくて良かった」と思った。トナカイ牧場は、確かに湿地帯の近くであったが、森林からは少し離れていた。どうも、ラップランドの蚊は、森林に生息するようである。家族は皆、長袖、長ズボンに虫除け液を塗ってハイキングに臨んだが、(私を除けば)最も刺されやすい素子は、足が異常なほど膨れ上って帰ってきた。ここは、丘の上から滑り降りるボブスレーが快感らしく、子供たちは追加料金を払って二回滑って来たそうであるが、ラップランドの蚊には、よくよく敬意を払い、十分な対策と覚悟の元に足を踏み入れるべきであろう。
 ちなみに、ラップランド在住の日本人、Kyoko さんから聞いた話では、蚊の旬はこれからであるとのこと。

(ラップランドの冬)

ラップランドには、日本人定住者が2人、3ヵ月以上1年以内の滞在者が1人(ラップランド大学に滞在の体育の先生とのこと)いる。その内の一人、Kyoko Saito さんと(家内が)会った。北極圏博物館(アークティクム)の見学ツアーに参加した家内と子供たちが、案内役を勤める Kyoko さんと会ったのである。彼女の説明のおかげで、家内は展示内容をかなり詳しく理解できたようで、私にも是非訪れるようにと勧める。ただし、解説文はフィンランド語なので、英語を話すガイドは最低限必要だろう。私も、会議をサボってこの観光ツアーに参加すべきであったか。
 彼女の話しでは、ラップランドは、冬も過ごし易いそうである。外気温は下がるが、屋内は十分暖房されていて、夏向けに作られた日本の(北国は除く)住宅で過ごす冬よりも暖かいのだろう。また、外気も乾燥しているので、気温は低くても、それほど堪えないのだという。ただし、屋外に出る場合は、靴下から帽子まで、冷凍庫に入るつもりの完全武装が必要なことは言うまでもない。積雪量は多くないが、スキーシーズンは長く(ラップランドでは、11月初めから5月終りまで十分な雪がある。ただし、12〜2月は昼も短いし、気温も低いので、寒さに弱い人は避けたほうが無難か?)、多くのコース(ダウンヒルのみならずラングラウフのコースも)に照明も配置されている。日本からもヨーロッパアルプスへよりは短い時間で着くから、冬にラップランドを訪れるのもいいかもしれない。


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