9月11日(木)
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(ヴィデオ変換)
ユハさんにテレビのチューニングをしてもらってから、ようやくヴィデオが使えるようになった。使えるようになると、このヴィデオ、結構便利である。日本から送ってもらった(NTSC 方式の)あんぱんマンのテープも、スーパーで買った(PAL方式の)ムーミンのテープも、再生ボタンを押すだけで自動認識して再生できる。しかも、PAL 方式のヴィデオカメラをこのヴィデオと接続すれば日本のヴィデオで再生できる(NTSC 方式の)コピーテープを作れるのである。試しに、ユハさんが撮りためた、さくらちゃんのテープをダビングしてみた。通常のダビングより多少画質の低下が激しいかもしれないが、家庭用の装置としては、けっこういい線ではないかと思う。
智が小学校でフィンランド語をどんどん覚えてきて、素子まで保育園でフィンランド語を仕入れて来たのに焦りを覚え、家内と私は新学期から始まるフィンランド語教室に通い始めた。家内が通う教室は、みどりさんと一緒に通うもので週2回、彼女は更に昼間、国際ミーティングプレイスでフィンランド語を主言語として活動を始めている。家族の中で一番フィンランド語と接触する機会の少ないのは、一日中コンピュータの端末に向かっている父ちゃんになってしまった。
私の通う教室は毎週火曜日である。月曜日と木曜日は、教室に通う家内に代わって子供達と一緒にいなければならない私が通える教室は、家内の持っているパンフレットによると、ここだけである。問題はこのクラス「もっとフィンランド語を話そう」が全くの初心者を対象としていないこと。私を除くクラスのメンバー(約10名)は全員、すでにこの町でフィンランド語入門コースを終えた人か、母国でかなり学び、フィンランド語を話せる人々である。当然、先生は始めからフィンランド語で話し始めた。
ある程度は覚悟していたことだが、言っていることがさっぱり分からない。指示が分からないだけでなく、やろうとしているレッスンに全く付いていけないのである。私は、練習の輪からはずされ、先生には、「あなたが、このクラスでやっていくのは、とても難しい。まず、入門クラスに行かれた方が、双方にとって有益だと思いますが」とまで言われてしまった(客観的に考えると、しごく妥当な助言である)。生まれてからこれまで、教室と名の付くところで、これほど難しい状況(まあ、落ちこぼれですな)に出会った記憶はなく、かなり悲しい気持ちである。
しかし、私には、このクラス以外に参加できるクラスが見つかっていない。他を当たっているうちに年が新しくなってしまえば、何のためにフィンランド語教室に行き始めるのか分からない(3月に帰国後もフィンランド語を使うことは、まず考えられない)。それに、例え、レッスンに付いて行けなくても、この教室内で交される会話は、極めて限定された(やさしい)言葉である。機関銃のようなマラさんのフィンランド語(彼が話すと英語だけでなく、フィンランド語も極めて速い。ゆっくりと話すのは日本語だけである)やテレビのニュースに比べれば、聞き取り易いはずである。考え方を変えれば、それほど困難な状況とは言えない。
これでも昨年11月からフィンランド語のテープを聞き続け、意味は分からないもののフィンランド語の音には慣れている。決してノイズや音楽に聞こえるのではなく、なんとか言語として耳に入ってくる。とすれば、あとは意味が分かりさえすれば、大丈夫ではないか。簡単なことではないか(と思うことにした)。幸い入門用の教材は豊富にある。レッスンで中心となる文法などは、日本で学んだ英語やドイツ語の文法と同じ学び方ですむ。また、現在開発中の工業英語学習システムを流用すれば、初級フィンランド語の学習システムを組むことは難しいことではない。なんとか、教室の終了する12月初旬までに、一番進度の遅い人に追い付ければよいと、教室に居座ることにした。クラスの皆さんご免なさい。
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