9月23日(火)
タンペレ通信に戻る
(アイスホッケー)
智のサッカーチームは、イルヴエスというプロチームの傘下にあるのだが、この(プロ)チームのことが、日常の話題になったことがない。どうも、チーム本業はアイスホッケーではないかと思う。マラさんが言うには、「タンペレはホッケー狂の町で、この町が持つ2つのプロチームのサポーター間では争いが絶えない」のだそうだ。というわけで、智のサッカーチームも、昨日最後の練習を終えたあとは、そのまま(大部分のメンバーが)アイスホッケーチームに移行する様相である。智がほとんどスケートの経験が無いことを聞くと、コーチのアンッティは、スケート教室を紹介してくれた。毎週土曜日、計6回のスケート教室は、タンペレの誇る屋内(当然屋内だよね。零下30度の屋外でアイスホッケーの試合を観戦するのは難しいでしょう)リンクの隣にある、これも屋内スケートリンクで行われ、5歳〜8歳の子供達を対象にアイススケートの仕方を教えてくれる(はずだった)。
ところが、聞くと見るでは大違い、教室が始まると、最初にリンクの端から端まで一斉に滑らせて、速く滑れる順に3つのグループに分けられた。一番滑れないグループ(もちろん、智は、このグループなのだが)でも、私の目から見て普通に滑れる子供達ばかりなのだ。一番滑れるグループは、最初から、アイスホッケーの高度な技術の練習を始めている。智は、一人だけ飛び抜けて滑れないことになる(第4グループがあれば、そのグループに一人だけ入る)。第3グループは、まず足慣らしにリンクの1/3をぐるぐると回ったあと、目標物の近くで急停止する練習を始めた。まだ氷の上で立つのがやっとの智がこなせる技術ではない。結局、コーチがホッケーのスティックで導いて、まねごとをやらしてくれたが、これでは練習にならない。ようやく、コーチ陣も一人だけ滑れない子供が居ることを理解したのか、女性のコーチ(しかも美人)が、智一人に付きっきりで、氷の上を歩く練習を始めることになった。
(奮闘する智) (アイスホッケースタジアム) (コーチ)
美人のコーチに、付きっきりで教えてもらうのは羨ましいが、一人だけ飛び抜けて滑れない状況は、私のフィンランド語教室における状況と似て、あまり羨ましくはない。それでも、彼は黙々と練習している。練習が終わってからも、止めたいとは言うかと思えば、次回を楽しみにしている様子。考えてみれば、彼は、8月に小学校に通い始めてから、多くの、なかなか難しい局面に立たされて来たのである(例えば、クラスでは、ロシア人の女の子が5名で過半数を占め、教室内にはフィンランド語以外にロシア語も飛び交っているとか、サッカーチームには、フィンランド語も、英語も全く分からないのに、一人でほうり込まれたとか)。今回だけが、特別困難な状況というわけではない。よく頑張る(というよりは、よく楽しめる)ものだと思う。
(アイスホッケー用の)スケート教室に智が通うことになったので、急に用具を揃えることになったが、家内が毎日通う国際ミーティングプレースで相談すると、「アイスホッケーの用具を全部揃えると、子供用でも1,000マルッカ(2万5千円)はいくわよ」とのこと。まさか、帰国後にアイスホッケーを続けることは想像もできないので、少しでも経済的にと、先週水曜日の夕方、雷雨の中を Uno を飛ばして郊外のセカンドハンドショップ(キルップトリ)に行った。今までも、町中のキルップトリには、家内が何度も足を運んでいるのだが、日常の衣服がメインで、ウインタースポーツ用品は見たことがなかった。
ミーティングプレースで家内が教えてもらった2軒の店は、いずれも郊外にあり、町中の店とは違った品揃えであるらしい。訪れてみると、小さな体育館ほどの広さの店内には、古着を中心に、ジャンルを問わずいろいろな物が置いてある。どうも、個人が持ち込んだものを代わりに店で売って、手数料を取っているような感じである。我々は、智用に、アイスホッケー用のスケート靴とヘルメットを買いたかった。なんとか、スケート靴は、サイズの合うしっかりしたものが見つかったが(ついでに、父ちゃんと素子用も買ってきてしまった。父用40、智用30、素子用20マルッカであった)、ヘルメットは全く無かった。誰もキルップトリに持ち込まないのか、すぐに売れてしまうか、新品を買う他ないようである。
(日曜日に行ったキルップトリの店内)
この店では、その他に、智のホッケー用(本当にホッケー用かどうかは定かでないが)プロテクタとウノ用のホイールカバー(5マルッカで1個だけ売っていた。なぜ、必要なのかは以前の記事をご覧ください)も購入した。
実は、日曜日にも、もう一軒、郊外のキルップトリに行ったが、ひじ当て、膝当てなどのプロテクタ類はもちろん、ホッケー用のヘルメットは置いてなかった。それでも、ここで家内用のスケート靴も買ったので、いつでも家族で滑れるぞ。氷点下の気候も怖くない(というのは、カラ元気)。
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