9月30日(火)

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(カンガサーラ)

 智のスケート教室が終わった土曜日の午後、風は冷たいものの天気は良い(雲間からときどきお日様が顔をのぞかせる)ので、前々から行ってみたいと思っていた、東隣のカンガサーラへピクニックを兼ねてドライブした。5月に買った地図帳によると道路が湖と湖の間の狭い土地を走っており、両側に良い景色が広がっているはずである。ゆっくり行こうと高速道路は早めに降りて一般道を走ると、奇妙な看板が見えてきた。道路がクエスチョンマークのように描かれた青地の看板だ。
  
   (朝食)       (丘から湖を見る)        (タンペレ工大学生寮)

 交差点が十字路になっていない、交差点には直径20mくらいだろうか、環状の道路が作ってある。車は、どの方向から来ても、一旦右折(フィンランドは右側走行です)してこの環状道路に入り、ぐるりと回って目指す方向の道路にまた右折して入っていく。以前、ドイツの町で、このような交差点に出会ったことがある。交差点で信号機を省略する手法かもしれないが、交通量の多いときは、環状道路の流れに飛び込むのに勇気が必要だった。しかし、交通量が少ないフィンランド(ヘルシンキ近郊は違うと思うが)では、この交差点まことに具合がよい。環状道路の手前で一旦停止すれば、悪くても数台の車をやり過ごせば、ゆっくりと侵入できるので、勇気は必要ない。道路を直進できない車は、必ず減速するし、こんな形の交差点が200m間隔で続けば、加速しようという気も失せる。この地の交通量が急増することは、まず、考えられないから、適切な利用法に思える。
 地図帳を家に忘れてきた我々は地境を発見できず(子供達はブーブー言うが、こんなことは西澤家ではめずらしくないので、父ちゃん母ちゃんは気にしない)、町の東部にある小高い丘の上で昼食を取った。穏やかな日差しではあったが、風は冷たく、車の中でのピクニックとなった。帰りは、更に街道をはずれて、田舎道を直接ヘルバンタに向かった。(日本人の感覚では)晩秋の景色の中に、ぽつぽつと一戸建ての住宅が見える。フィンランドでも都市近郊の一戸建住宅は高価だとパルモネンさんから聞いたが、日本に比べて格段に地価の安いフィンランドでは、一軒一軒の敷地が広く、建て物が小さく見えるほどである。道路の脇には一定間隔でポールが立つ。たぶん、冬期の道幅標識であろう。ルスコ(ヘルバンタ東隣の工業団地)の標識を頼りに進むと、工場(かな?と思うような建て物が林の影に建っている)地域に入り、並木の整った道路を進むとタンペレ工科大学の裏に出た。

(タンペレ・デイ)

 毎週土曜日に入ってくる広告を見ていると、日曜日は「タンペレ・デイ」だという。何をやっているのか知らないが、とにかく、町へ入ってみようとバスに乗った。特別な日だから、デパートや書店もやっているかもしれないと考えたのである。バスの車窓から見ると、警察署に建て物に多くの人が入っていく。パトカーの扉が開き、周りに人だかりができているのがチラッと見えた。ハメーン通りでバスを降り、目抜き通りを歩くが、店は皆(いつもの日曜日と同様に)閉まっている。当てがはずれた我々は、ケスクストリ(中央広場)に向かうことにした。広場まで来ると、タンペレ劇場の前でマーチングバンドが演奏の準備をしていた。広場中央のポールにはフィンランド国旗がいくつも上がっている。いつもは閉まっている(旧?)市議会場の正面扉が開き、人々が入っていくのが見える。
  
   (噴水)         (市議会場)        (マーチングバンド)

 たぶん、内部を見学させてくれるのだろうと列に続いて中に入った。ロープで見学コースが作られ、一部屋毎に係の人が立ち、見学人からの質問に答えていた(フィンランド語だったので、何を言っているのか全く分からなかったが)。2階中央の部屋は(3階までの)吹き抜けの大きな部屋で、ちょうど公式セレモニーにでも使うような広間、他の部屋も絵画が飾られ、こった飾りの古風な家具が置かれ、豪華な作りである。ただ、この建て物がどのような建て物で、何に使われているのかは、今でも良く分からない。広場に戻るとマーチングバンドが演奏を始めるところであった。近くのベンチで昼食用のサンドイッチを食べながらバンドの演奏を聞いた。大人から子供までの混成団で、大人の団員のソロ演奏はなかなか聞き応えがある。「タンペレ・デイ」は、このバンド演奏を聞きに町まで出てきたようなものである。
 午後3時過ぎ、智は近所の子供たちと遊んでいるので、素子と二人でヘルバンタのプールへ行くと、いつに無く止めてある自転車の数が多い。この日、プールの入場料は無料であった。
 月曜日に家内が言った。「タンペレデイのパンフレットが出てきたわ。いろんな施設が解放されていて、無料で入れたのね。タンペレホールにも行ってみたかったわ」。こういうのを、一般には後の祭りとでも言うのであろうか、西澤家では日常茶飯事と言う。

ワイパー停止

 リアワイパーは購入時から動かないのだが、先週の日曜日、Uno のフロントワイパーも突然停止した。ヘルバンタから2軒目のセカンドハンドショップに向かって高速道路を(1区間だけ)走っている最中のことである。幸い、雨脚が弱かったので、ワイパーが動かなくても帰宅できたが、フロントワイパーが動かないのでは、少々困る。修理をするとお金がかかるし、しないと雨の日は走れない。しばし、処置を考えている。

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