12月17日(水)
December 17th (Wed), タンペレ通信に
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(朝一番早いのは)
フィンランド人の朝は早い(人も多い)。朝6時のバス停でバスを待つ人々も2、3人ではない。タンペレの町中にある7時始業の職場で働く人々だろう。私の出勤時には、まだ暗い道路を母親に連れられてパイヴァコティ(保育所、保育園)に向かう小さな子供達によく出会う。職業上の男女間格差が日本に比べて小さいフィンランドでは、小さな子供達は、高い割合でパイヴァコティの世話になる。両親の勤務開始に合わせてパイヴァコティの始まりも早く、子供達の朝食はパイヴァコティで準備されるのが普通。
ただ、この時期、朝一番早いのは、道路整備のおじさん達だろう。大小のブルドーザ(無限軌道車ではなくタイヤのやつです)が、町中を走り回り、車道はもちろん、歩道の雪を削り、滑り止めの小石までまいていく。大学構内の道路、歩道、駐車場も、私が到着するころには大方除雪が終わっている。ゴミ収集車も朝早い。除雪車と競うようにやって来て、ゴミを回収していく。彼等は、アイスリンク整備の水まきおじさんと同様、市の職員だろう。朝の暗さは6時と8時で大した違いがあるわけではないが、人々より一足先に起きて、皆の生活を支える彼等の姿には共感を覚える。
(
ヘルヴァンタ開幕2連敗
)
アイスホッケーのペナントレースが始まった。と言っても、北米リーグや国内リーグの話しではなく、イルヴェス傘下のタンペレ市内少年ホッケーチームのリーグ戦である。智の属する8歳のチーム(ホッケーチームは年齢別、地区毎に結成されている)は14チーム、12月7日から2月15日まで毎週のように試合を行い、全13試合を行う。11月の
トーナメント戦
でヘルヴァンタが破れたカウカヤルヴィ、レキとも再び対戦する。マラさんの解説によると、タンペレはホッケー狂の町で、タンペレが擁する二つのプロチーム(イルヴェスとタッパラ)のサポーター同士の争いが絶えないとのこと。智がよく遊んでもらっていた近所の少年や、トウヤ先生の息子さんは年齢は異なるが、タッパラ傘下の少年チームだと知った。タッパラ傘下の少年チームを加えると、市内に8歳チームが30チーム近くあるのだろう。20万都市が抱えるチーム数としては桁はずれに多いと思う。町のスポーツ店でもホッケー用品は9月から登場し、12月の現在も大きな売り場面積を占める。ダウンヒル、クロスカントリーを合わせたスキー用品よりも売り場面積は広いのではないかと思う。ホッケー少年の夢は、将来プロホッケーの選手になって、国内リーグ、さらに北米リーグで活躍することだろうか。テーム・セランネ(アナハイム・マイティー・ダックス所属)等のトッププレイヤーは国民的英雄だという。日本でいうと、王、長嶋クラスだろうか。
アタラとの開幕戦は8日(月)、気温が0℃を越えて上昇し小雨混じりの悪条件となった。両チームともに闘志あふれる好試合だったが、ヘルバンタは今一つ調子が出ず、7対1で敗れた。この週は前線に流れ込む南からの季節風の影響かフィンランド全土で気温が+2〜3℃に上昇、タンペレでは積もった雪が融けて道路はべちょべちょになってしまった。「この暖かさには困ったもんだ。」と言うと、マラさんに「ひとしも、この気温を暖かいと感じるようになったか。ようやく、フィンランド人らしくなったな。」と冗談を言われてしまった。防寒着を着こんでいるせいか、風がないせいか、このくらいの気温だと、屋外でも日本の冬よりは暖かいように感じる。
気温は金曜日になって、ようやく正常に(零下に)下がってきた。いたるところで、融け残った雪がそのまま凍り、下手に転ぼうものなら痛いめにあう。コートコンディションも悪く、イロヤルヴィとの第2戦は一日延期して14日(日)に行われた。前半を4ー0とリードしたヘルヴァンタは楽勝かと思われたが、後半にあっさり逆転され、5ー6の惜敗、初白星を飾ることができなかった。これまでの観戦結果から判断すると、8才レベルでの試合では、キエッコ(パック)をドリブルで相手側ゴールまで持って突っ走れるような得点力のある選手が何人いるかが、チームの勝率を左右しているようだ。ヘルヴァンタにも、ユッカという得点力の高い選手が居るが、5人×3組のフィールドメンバーを抱えるヘルヴァンタでは、彼の出番は試合時間の1/3に過ぎない(それでも、ヘルヴァンタの総得点6点のうち4点をあげている)。ヘルヴァンタの苦しい戦いは今後も続くだろう。
その後、ヘルヴァンタは、21日のホッカリットとの第三戦でも3ー4と惜敗、開幕3連敗で年内のスケジュールを終えた。ガンバレ、ヘルヴァンタ。
(クリスマスパーティ)
11月下旬より、いろいろな所でクリスマスパーティが行われるようになった。9日には、素子の保育園でクリスマスパーティが行われた。久々に(私が訪れたのが久しぶりということ)訪れた園内は、窓に壁に天井にクリスマスの飾り付けが施され、子供達は着飾って嬉しそうである。
パーティの開始は火曜日の午後6時、集まった親達の約半分は夫婦揃っての出席である。智の小学校のクリスマスパーティ(だと勘違いしていたのだが、実はフィンランド独立80周年の記念行事で、歴代の大統領を紹介したりしていたが、実質は学芸会のようなもの)もその前の週の木曜日、午後6時開始だったが、こちらはほとんどの出席者が夫婦揃っていた。日本との格差を感じる。そもそも、日本で小学校や保育園の学芸会を平日の夕方に開くことを計画できるだろうか。無理に計画しても、出席できる父親は、わずかだろう(たぶん、PTA の役員だけなんてことになりそうだ)。我々日本の状態の方がおかしいような気がするのだが、そう感じるのは、フィンランドの生活環境にならされてしまった(一種の伝染病のようなものか?)せいだろうか。
(子供達) (トント・小人の踊り)
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