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日々の記録 2000年6月


過去の記録目次



2000年6月29日 木曜日

昨日の試合は残念でしたね。強豪ウルグアイ相手とはいえ、ホームのマラカナンで1×1の引き分け。前半5分ほどでウルグアイに先取点を取られて、追いついたのが後半終了間際だったので、負けなかっただけ良しとしましょう。一か月後のアルゼンチン戦はスタジアムで観戦するつもりですが、もうちょっと楽しい試合を見せてほしいもんです。

今日は冬休み前最後の夜学だったので日本から持ってきたビデオを三本見ました。NHKのBS特集で、それぞれマナウス、リオのファベーラ、ノルデスチの内陸部の特集でした。どこも普通の旅行では立ち入れないようなところを丁寧に取材していて、生徒達も興味深く見ていました。

ブラジルではサトウキビが大事な作物。サトウキビから砂糖を作るだけでなく自動車用のアルコール燃料も作ります。政府の税制的なバックアップもあり、アルコール車もかなり普及しています。毎年とれる作物を原料にするという理想的な燃料です。このサトウキビの一大産地がノルデスチ。奴隷時代から綿々と続くサトウキビ畑。収穫期にそこで働くのは付近の零細農家。一日たった10R$ほどの収入のために大人も子供も働いています。子供の教育なんか遠い未来の話です。同じ国の中にそういったところもあるのに、僕はのんきで豊かな暮らし。

サトウキビはノルデスチだけではありません。僕の住む町のまわりにも広大な広大なサトウキビ畑が広がっています。こちらでは適度な太陽と降水に恵まれているせいか、ほぼ一年中収穫がありますが、そういったサトウキビ畑で働くのはやはり低所得者層の人達です。毎朝夜も明けきらぬうちに集まりオンボロのバスに揺られて畑に行き、炎天下の刈り取り作業です。うちのそばにはそういった労働者の集合場所があり、夕方になると一仕事終えて汚れきった労働者達が帰ってきます。そして時間があるものはしばらくたむろして一日の終わりを楽しんでします。

そんな人達に対して何ができるわけでもないんですが、彼らのような無数の名も無き人達がブラジルを縁の下で支えているんですね。ブラジルだけでなくて世界中で、今日この時も名も無き人達が懸命に生きているんですね。そして僕もまた、名も無き人の一人として喜び、悲しみ、そして死んでいくんでしょう。でもそれこそが幸せなのかもしれません。



2000年6月27日 火曜日

最近昼食は街中のレストランで食べることにしています。昼頃になるとポルキロの店がたくさんオープンするので選択肢には事欠きません。

そういった店でブラジル人と一緒にご飯を食べていると気になることがいくつかあります。まずはフォークとナイフ。普通日本の洋食マナーでは右利きの人の場合、右手にナイフ、左手にフォークですが、こっちではみんな反対です。右利きだったら右手にフォーク、左手にナイフです。

次にご飯の食べ方。これまた日本のマナーではフォークの背中に乗せるみたいですが、こちらでは反対側に乗せます。これには分かりやすい理由がありそうです。日本の場合はお米を「炊いて」ネバネバにしますが、ブラジルはお米を「煮て」サラサラにしてしまいます。ネバネバのご飯は確かにフォークの背中になすりつけた方が食べやすいですね。逆にブラジルのサラサラご飯ではそんな芸当はできません。

なんてことを考えながら食べて、会計をします。毎回利用しているお店は同じで、会計のおっちゃんも同じなんですが、このおっちゃんの話し方がなにか他のブラジル人とは違うんです。アメリカ英語とイギリス英語の違いとでもいうんでしょうか?なにか上品な歌うような感じのポルトガル語で、なぜか聞いていると背中がむずむずしちゃいます。

また、このおっちゃん、僕に「ありがとう」というときになぜか人差し指でこっちを指さしながら言うんですよね。そのたびにドキッっとしちゃいます。こっちではよく「obrigado voce!(ありがとう、あなた)」と言うので、「voce(あなた)」のかわりに指をさすのかなぁ。

ちょっとアヤシイおっちゃんです。



2000年6月26日 月曜日

地獄の沙汰も顔次第?

今日、ある人から聞いた話。

ある日系人が日本に出稼ぎに行こうとして、書類を携えて領事館に行ったそうです。その人は父親は日系人ですが、母親は非日系人なので、いわゆるハーフ。こちらでは「合いの子」って言われますが。

しかし領事館の人に「ブラジルの出生証明だけではだめだ。」と言われたそうです。本当に日系人の子供であるのかどうかを証明するために、小さい頃に家族で一緒に写った写真、その後現在にいたるまでの写真、はては母親が実際に妊娠していたことを証明するための妊娠中の写真まで求められたそうです。

もしその人の顔立ちが合いの子じゃなくて、日本人の顔だったらどうでしょう。

確かに現在、日系人と偽ったり、日系人と偽装結婚して日本に出稼ぎに行こうとするブラジル人が多いので日本政府も頭を悩ましているんでしょう。非日系人が日系人と結婚しても一年以上たたないと出稼ぎのビザは出さないという規定もあります。もちろん日系人なら問題ありません。

でも何かおかしくありません?日本で働けるのは日本人の血を引く者だけだという規定があるかぎりこういった審査はエスカレートするでしょう。そのうち犬みたいに「血統書」が必要になるのかもしれませし、鑑定士なんてものあらわれるかもしれません。そして、行き着く先には忌まわしい記憶の一つである「アーリア人種云々…」が待っているような気がしませんか?



2000年6月24日 土曜日

このところカラオケ大会一色のわが文協。

今度の日曜日にヴェテラーノカラオケ大会があります。こちらのカラオケは、インファンチウ(子供)、チビッコ、ジュベニウ(少年少女)、アダウト(大人)、ヴェテラーノ、ポッピのカテゴリーに分かれていて、今回はヴェテラーノの予選です。この予選で勝ち抜くと、サン・パウロ大会、ブラジル大会へと進んでいける訳です。もちろん進んでいくごとに大会規模も大きくなり、地区大会は朝から深夜までの丸一日ですが、サン・パウロ大会は二日間、ブラジル大会はこれが三日も続いてしまいます。ただ、行った人の話によると、ブラジル大会レベルになると、全国からカラオケ名手が集まり、そういった人は衣装から振り付けから自分のオリジナルのものを持っているので日本のコンサートよりも楽しめるみたいです。

ところで、上のカテゴリーを見ると、インファンチウとチビッコのカテゴリーは似ているようですが、参加者の年齢制限は全く同じです。ただひとつ違うのが曲目。インファンチウで歌うのは子供らしい同様に限られていますが、チビッコクラスでは制限がなく、ポップスでも演歌でもなんでも構いません。でもちっちゃい子供がド演歌を歌っているのをみると、なにか日本のお受験児童を見るかのような悲哀を感じてしまうのは僕だけでしょうか。

それからポッピというのは日本のポップスのことです。こちらのカラオケは演歌が基本なので、それ以外の曲を歌う人はみんなポッピになるんですが、参加者は少ないですね。ただ、演歌と言ってもさらに「演歌」と「ニュー演歌」に分かれています。演歌はもちろん日本の演歌ですが、ニュー演歌というのは演歌でもポップスでもない曲、日本でいうと竹内まりあや中島みゆき系の音楽がそれにあたり、若い人達が好んで歌う曲です。

これほど盛大なカラオケ大会ですが、今のところ「日系人の娯楽」色が強く、参加者のほとんどが日系です。たまに日系人と結婚している非日系人が歌ったりしますが、いまだに珍しい存在です。それほどまでに日系人のカラオケ熱は高い。

日頃日本語教育に携わっていると「どこどこの学校が先生がいなくなって廃校」とか「こちらの学校は生徒数が激減して存続の危機」とか景気の悪い話ばかりを耳にすることが多く、「このままでは日系社会は消滅か?」とか思いますが、偉大なるカラオケ文化を見るかぎり、日系社会もまだまだ健在のようです。



2000年6月21日 水曜日

やった!負けた!しかもPK!


よくやった!ボカ・ジュニオールス!


PK負けが決まった瞬間、町中のコリンチアーノがバンバン花火を上げ、通りをクラクションをならした車がガンガン走り抜けます。おっと、これを書いている間にも特大の花火があがってるし。いや〜もうお祭りですね。リベルタドーレス決勝戦でパウメイラスが負けたから。家の窓からはパウメレンセが集まるバールが見えるんですが、静まり返ってますね。

明日はコリンチャンスのユニフォーム着て学校行きます。見せつけるべし!

なんかこの二週間のモヤモヤがやっと吹き飛びました。今日はよく眠れるぞ!

ああ、もう僕はブラジル人なのね。

(解説しよう:  ブラジル、サン・パウロでコリンチャンスとパウメイラスといえば、犬猿の仲、水と油、磁石のN極とS極、イスラエルとパレスチナ、サッチーと浅香光代、月とすっぽん、豚に真珠、馬の耳に念仏といったぐらいに仲の悪いチームです。ファンにとって、自分のチームが勝つこともうれしいんですが、それ以上に相手チームが負けることがうれしいと言われています。そんな両者が二週間前に南米ナンバー1のクラブチームを決めるリベルタドーレスの準決勝で対戦し、PK戦の末、パウメイラスが勝ちました。それ以来、陰に陽に執拗なパウメレンセのいじめを受けてきたコリンチアーノですが、やはり神はいました。神はボカ・ジュニオールスに勝利をもたらしてくれたんです。心から言います!信じる者は救われる!)

しかし町中のコリンチアーノの喜び方はものすごいですね。



2000年6月20日 火曜日

ブラジルでも先日のバスジャック以来、治安に関するニュースが増えてます。この週末はサン・パウロの会議のあとリオに行ってきたので、事件のあった現地の新聞を買ってみたんですが、見出しの記事に驚きました。

リオ圏内の80%の家族が強盗の被害に遭っている

という衝撃的な見出しです。8%なら想像できますが、ケタが違って80%です。ものすごい犯罪率ですね。もちろんこれは家族の一人が被害にあったとしてもカウントされるので、リオ圏内の80%の人が犯罪被害に遭っているというわけではありませんが、それでも唖然とする数値です。

被害場所のデータもありましたが、もっとも多いのが「路上・自宅・バス」の三つでした。つまり生活の全てじゃないですか。リオでは24時間強盗の危険性にさらされているということになります。

なにかここまで来ると数字が一人歩きしているみたいで現実感が失われてしまいますね。感覚が麻痺するとでもいうんでしょうか。そんなリオの街を市内バスに乗ってうろちょろして、今まで強盗にあわなかった僕は幸運なんでしょう。あと一年この幸運が続いてくれるといいんですが。



2000年6月14日 水曜日

朝のバスですが、寝過ごしてしまったので、お昼から出発となりました。

さて、先日から書いているバスジャックですが、この事件については時事通信とロイターが報道してますので、まずご覧下さい。


バス乗っ取り犯を射殺、人質1人死亡=ブラジル(時事通信)

【サンパウロ12日時事】ブラジルのリオデジャネイロで12日、短銃で武装した男が路線バスを乗っ取り、乗客6人を人質にバス内に立てこもる事件があった。約4時間後、犯人が交渉のため人質と一緒にバスを降りようとしたところを警察の特殊部隊が襲撃し、犯人を射殺した。その際、人質の女性1人が3発の銃弾を受けて死亡した。

犯人は乗客を装ってバスに乗り込み、人質を取って現金1000レアル(約6万円)と武器を要求。途中、バスの窓に口紅でメッセージを書いた人質を犯人が引きずり倒し、銃で脅す場面などがテレビで生中継された。警官が車内の犯人と携帯電話で交渉し、犯人がバスから降りようとしたところを急襲した。 



バス乗っ取り犯、警官に絞殺される=ブラジル(時事通信)

【サンパウロ13日時事】ブラジルのリオデジャネイロで12日、路線バスが男に乗っ取られ、州警察特殊部隊による救出作戦で犯人と人質の女性が死亡した事件で、リオ州のガロチニョ知事は13日、犯人は拘束された後で警官に絞殺されたことを明らかにした。これまでに、犯人殺害に関与した警官5人が逮捕された。

当地の報道によれば、犯人は連行される車中で絞殺されたという。警官が、犯人を殺害した理由など詳細は不明。

乗客6人が人質となった乗っ取り事件では、犯人が呼び掛けに応じて、交渉のためバスを降りようとした際に特殊部隊が急襲。これに応戦した犯人の発砲で人質1人が死亡したことから、警察側の不手際を批判する声が上がっている。 


ブラジルでまた銃撃、国民にショック与える(ロイター)

[リオデジャネイロ 13日 ロイター]

リオデジャネイロで12日、バスの乗客6人を人質にとった犯人と警察の間で銃撃戦が発生した。この模様はテレビで中継され、国民に大きなショックを与えた。

銃撃戦は4時間以上に及び、犯人は警察に射殺された。巻き添えとなって人質の1人が死亡した。

カルドゾ大統領はテレビ演説で、犠牲者に哀悼の意を表するとともに、警察の不手際を指摘した。

リオデジャネイロでの殺人発生率はラテンアメリカ諸国で最も高く、人口10万人につき年間69人が死亡している。


どうですか?まるで内容が違いますね。事件のテレビ中継を見ていた僕としては時事通信の内容が見た目の印象に近いです。

それからロイターの記事の中に『リオデジャネイロでの殺人発生率はラテンアメリカ諸国で最も高く、人口10万人につき年間69人が死亡している。』と書いてありますが、これもこの前書いた veja 誌のデータとはだいぶん違いますね。少なくともリオが69人というのは全く同じなので同じデータを使ったものだと考えられます。

どうもロイターはセンセーショナルに書きすぎの気がします。おかげで、「報道機関が伝える内容を鵜呑みにしてはいけない」という教訓を再確認できました。



2000年6月13日 火曜日

すみません。昨日の記録ですが、人質に怪我がないどころか、あの人質は三発の銃弾を浴びて死亡しました。ウ〜ム、今の日本でそういったことが起こったら警察の信用は地に落ちるというかマイナスになっちゃいますが、ブラジルの警察も警察ですね。

ただ、世界のテロ事件を見ていると、人質の安全が脅かされても犯罪は許さないという傾向にあるようなので、そういった意味では今時の解決法なんでしょうか。日本のバスジャックみたいに、警察が何も出来ないうちに人質が殺されるのと、警察が動いたせいで人質が殺されるのはどちらもあまりにもかわいそうですね。しかし、これがブラジル。

僕もまた明日から犯罪都市サン・パウロ&リオに行かないといけないんですが、不思議と恐怖感はありません。なにか交通事故みたいなもので、「僕にかぎってはそういった目にあわないだろう」と思っちゃいます。危険度の高さでは有名なF1パイロット達もインタビューでそういったことを言っていましたが、危険をいちいち考えていては何もできないというところもあります。実際に犯罪多発都市で暮らしてみてはじめてそういった気持ちが分かるようになりました。

さて、今日は第二回教師研修会でした。これは僕が提唱したというか、裏方にまわっていろいろと動いて始めたんですが、少しずつ軌道に乗りつつあるようです。他の学校の先生から「この勉強会は役に立ちますね。これからも頑張りましょう」なんて言われると「やって良かった」とこころから思います。その先生達は僕なんかよりもはるかに経験も実力もある先生なんですが、そういった先生達に対して、おそれ多くも勉強会をお願いし、それが実際に機能していく姿を見ていくと「やろうと思えばこんな若者でも何か出来るんだなぁ」という自信になります。あんまりというかほとんど社会経験がないので、こういった経験はとっても新鮮です。将来、こういったことが自分の身についていくんでしょうね。

ちょっとうれしくなっていますが、あんまり表に立ちすぎると良くないですね。今は始めたばっかりなので僕がいろいろと動いていますが、ゆくゆくは僕がいなくてもうまく進んでいくように持っていきたいです。ってちょっと偉そう。



2000年6月12日 月曜日

事件発生!!

夕方家に帰り、テレビを見ると警察に囲まれたバスが写ってます。日本だけじゃなくてブラジルでもバスジャックです。

事件が起こったのはリオ・デ・ジャネイロ。年末のカウントダウンであそんだジャルジン・ボタニコの近くです、ジャックされたのは普通の乗り合いバス。このバスもリオでは普通に使っているバスでした。

犯人は拳銃を持っていて、四人の女性を人質に立てこもっている模様です。それをテレビが中継しています。その映像を見ているとバスのまわりに警官がゾロゾロいますね。日本だったら犯人を刺激しないためにも少数の交渉役を残して、それ以外は遠くで待機していそうですが狙撃銃を持った警官もわりと近くにいます。でも犯人が人質に銃を突きつけているせいか、狙撃する様子はありません。

それとネゴシアドール(交渉官)の態度。三人のネゴシアドールが銃を持っている犯人と対峙していますが、別に身を隠すでもなく、なんの気なしにバスのそばに立っているように思います。犯人に撃たれたりしないんでしょうか。

で、一番違うのがテレビ局。実際にそれを生中継で放送しているのは一局だけ。その局は毎日夕方になるとその日の凶悪犯罪についてのニュース番組を持っていて、その枠の中で放送します。他の局もニュースの時には事件を中継しますが、それ以外は普通の番組。日本だったらNHKから民放から定時番組をすっ飛ばして中継しますね。

もうそろそろ番組も終わるんじゃないか?という7時過ぎに事件解決。それもブラジルらしいと言えば、ブラジルらしい解決法。犯人が人質の頭に銃を突きつけて下りて来て、ネゴシアドールが注意を引きつけている間に背後から狙撃隊員が接近、ホンの10cmぐらいの至近距離から犯人の頭部めがけて発砲。つまり射殺です。

あまりにもあっけない結末でした。

この事件が起こったのは昼の3時頃だそうですが、犯人はバスを乗っ取った時点でもう帰られざる橋を渡っていたんですね。なお、人質に怪我はなかったようです。

しかし、射殺の瞬間は衝撃的でした。日本ではそういった映像をみないだけになおさらです。近いうちに日本でも「決定的瞬間」系の番組で流れるかもしれません。



2000年6月11日 日曜日

今日もブラジルはスポーツの日。一日テレビ観戦でした。テニス、サッカーに興味がない方には申し訳ありません。

まず朝一番は全仏オープンの男子シングル決勝でブラジルのグーガ(クウェルテン)とスウェーデンのノルマンが対戦。ノルマンディーの里のスウェーデン人で名前がノルマンってすごい名前ですね。さしずめ日本でいえば「やまと」くんあたりになるんでしょうか。

第一・第二セットはあっさりとったグーガですが、第三セットになるとノルマンに追い上げられ、逆転でセットを失ってしまいました。その後の第四セットでもしょっぱなのゲームをブレークされ、流れは圧倒的にノルマンに。でもその後のグーガの粘りは「まさにこれぞトッププロ!」と思わせるものでした。グーガはその直後にノルマンのサービスをブレークし、さらにノルマンに1ゲームブレークされましたが、またまたブレークバックします。このあたりはまさに手に汗握る展開。たしかにこの時点でグーガにはまだ1セット余裕があったんですが、ここで流れを失っちゃったらもう元には戻せないと分かっていたんでしょう。

そして圧巻は6−5でグーガリードした第十二ゲーム。この時はノルマンのサービスだったんですが、10回近いマッチポイントを凌ぎきったノルマンの精神力ってナニモノ!!っていうぐらいすごいです。よくあんな場面であんなにがんばれるもんです。

最後はタイブレークでグーガが勝つんですが、途中トリプルのマッチポイントをノルマンが防いだときには「あんたは偉い!」としか言いようがないほどの感動を味わいましたよ。でもあのタイブレークで勝ってよかったですね。ブラジルのテレビでは一日中グーガの優勝を祝っていました。

で、夕方はリオ州選手権決勝第一戦。フラメンゴ×ヴァスコ・ダ・ガマです。実力伯仲の両者だけに緊迫した試合が見れるかと思ったら、圧倒的なフラメンゴペース。一緒に見ていた友人も「こりゃあ2×0ぐらいまでいくな」と言ってましたが、たしかにそんな感じ。前半こそ0×0で乗り切ったヴァスコですが、結局後半三点を入れられて負けちゃいました。

さてさてサン・パウロ、リオ・デ・ジャネイロとも決勝第一戦が終わったところですが、第二戦の日程が17日土曜日リオ、18日日曜日サン・パウロということになりました。

…ということは……両方見れるじゃないっすか!!

金曜の夜にリオにむけて出発し、ダフ屋で切符を買って、リオの決勝を観戦。そのままサン・パウロ行きの夜行バスに乗ってサン・パウロに移動。サン・パウロで試合を観戦した後、またまた夜行バスに乗れば月曜の朝には家に帰れます。ということで決定!

本格的蹴球観戦記その3をご期待下さい。



2000年6月10日 土曜日

今月号の veja 誌は犯罪特集。さすがに犯罪国家ブラジルです。すごいデータが並んでいます。

●サン・パウロは世界で一番殺人が多い。
子供のうち、五人に一人は殺害された死体を見たことがある。
●犯罪のうち表に出るのは百件中二件。
十三分に一人の割合で人が殺されている。

このほか人口十万人あたりの殺人事件の数。

カリ(コロンビア)88件
ヴィトリア70件
リオ69件
ケープタウン(南ア)68件
サン・パウロ56件
ヘシーフェ53件
ブラジリア38件
サウバドール36件
モスクワ18件
パリ3件
東京2件

とやはりブラジルはダントツの数字です。犯罪都市といわれた90年のNYの倍近い件数です。また、この記事にはありがたいことに危ない町のリストがありました。

ポルト・アレグレ
サン・パウロ
リオ・デ・ジャネイロ
クリチーバ
ナタウ
ゴイアニア
ジョアン・ペソーア
フォルタレーザ
アラカジュ
ボア・ビスタ

ここは犯罪が多いというよりも、最近犯罪が増えているが、それにたいする安全対策がなされていないという町です。もちろんサン・パウロやリオ・デ・ジャネイロのようにあまりにも犯罪が多すぎるという理由で入っている町もあります。

ちょっと怖くなってきましたが、もうちょっとよく読んでみたいと思います。



2000年6月8日 木曜日

クヤシイっす。リベルタドーレス準決勝、コリンチャンス×パウメイラス。二試合した結果、同点となり、PK戦の末パウメイラスの勝利……去年と一緒やんか!!!

町に出てみると、これ見よがしにパウメイラスのユニフォームを着たバカヤロウどもがたくさんで歩いていてヤな感じ。これが負けた方の宿命と言えば宿命ですがしょうがないですね。

さて、今日の昼食は町のポルキロ。ここは店内にもテーブルがありますが通りに面したオープンエアのテーブルもあります。とっても天気がいい昼間だったので僕は迷うことなくオープンエアのテラスへ。また、その時はファンタ・オレンジをたのんでいたんですが、これを外で飲んでいると必ず蜂が寄って来るんですよね。缶には「オレンジ果汁入ってます!」って書いてますが、こうやって蜂が集まってくるのをみると、なんか体によさそうな気がしてしまいます。

でも食事中に集まってきても邪魔なので追っ払いながら食べてましたが、終わりの頃になって運の悪い蜂がジュースの中に落ちちゃいました。落ちた蜂を見ていると炭酸が苦しいのか必死にもがいていてかわいそう。ストローですくって外に出してやることにしました。外に出された蜂は背中の羽根を下にして机に転がってます。しばらくは放心状態みたいでしたが、今度は起きあがろうともがきます。でもジュースでベタベタの羽根が机に張り付いて起きあがることができません。しばらく見ていても全然起きあがる気配がないので、指でつまんで起こして上げました。

やっと自由の身になれた蜂は、机の上で羽根をさかんにふって乾かしている様子。その後机の上をごそごそと歩き回りますが、なんかフラフラしていて飛び立てそうにありません。「あ〜びっくりしたな!もう」って思っているんでしょうか。そのうちちっちゃい足を使って、体のあちこちに着いたジュースをぬぐっていますが、どうも口の先のところが気に入らないらしく、何度も何度も足でこすっています。そういった仕草をみていると蜂も人間も変わらないですね。

もうその時には食事も終わっていて、帰ってもよかったんですが、もし後かたづけに来た店員にペシャンとつぶされたらかわいそうなので、もうしばらく見ていることにしました。なんかここまで見ていると、「ちゃんと飛び去るまで見届けるのが親心ってもんだろう!」って気分にまでなっちゃうんですよね。

その後もしばらく口の先をぬぐっていたんですが、やがて飛んでいきました。やっぱり飛び方もぎこちなくて、あっちに飛んだりこっちに飛んだりしているんですが、そのうち真っ青な空に消えていきました。何か今日もいいことがありそうです。

おっと、これを書いていたら窓からベイジャ・フロール(ハチドリ)が飛び込んできました。



2000年6月5日 月曜日

日本では衆議院の解散が決まりましたね。森さんのカゲキ発言が連発なだけに今後の動向と投票結果が楽しみ。自民党にとっては久しぶりに逆風の中での選挙ですね。

自民逆風といえば、忘れもしない93年7月。世間では反消費税の嵐が吹き荒れ自民党が大敗、細川日本新党政権が誕生しました。当時僕はインド・パキスタン方面を旅していて、日本のことなんか全然知らなかったんですが、パキスタンの山奥で会った日本の人に選挙結果と日本新党政権誕生を聞き、本当に驚いたものです。あの当時は自民党が政権の座から落ちるなんて考えられませんでしたからね。で、出入国管理法が変わってパスポートが変わったとか、デノミで通貨が変わったとか、はては鎖国したので日本には帰れないとかいう根も葉もない噂が旅人の間を流れたものです。

その後シルクロードのホテルに泊まっていたときに、そのホテルに泊まっている人にむけて日本から Person to Person の国際電話がかかってきました。たまたま電話の近くにいた日本人が僕だったので、その日本人が電話に出るまでしばらくオペレーターとお話をして選挙のこととかプロ野球の順位とか聞いたのも懐かしい思い出です。

さてさて日本の選挙ですが、こちらブラジルにもその余波が来ています。日本で報道されているのか知りませんが、今回の選挙から在外邦人の投票も認められるようになり、ここブラジルでは移民一世を中心にして一万人以上の人が選挙登録をしています。登録も結構面倒くさく、実際の投票の仕方もとっても分かりにくいので僕はまだしていません。サン・パウロ領事館からの連絡だとどうも日本人駐在員の登録率は悪いみたい。どうせ数年したら日本に戻って普通に投票できるので七面倒くさい在外選挙登録を敬遠しているんでしょう。

サン・パウロ新聞を見ていると在外選挙登録が始まったここ一年ぐらいの間、「今日は何人登録され、総計○○人。世界の大使館の中でもブラジルはダントツの登録数を誇っている」というニュースがたびたび報道されています。日系人団体も各地の支部を動かして出張登録をしたりして登録者を増やそうとしています。

駐在日本人の登録熱の低さと、それとは対照的な日系人の姿勢を見ていると、日本に対するそれぞれの考え方の違いが浮き彫りになっていて、複雑な気持ちになりました。



2000年6月4日 日曜日

本日はブラジルのスポーツ日、朝から晩までスポーツ三昧。国民はテレビの前に釘付けです。 ということで僕も一日テレビの前です。そこで気づいたんですが、こっちの放送では「2002年ワールドカップ 日本韓国大会」って言ってますね。聞いたところによるとアルファベットの順番から言っても、FIFAに開催を申請した順番から言っても「日本韓国」となるところを韓国の関係者がごねて、正式には「韓国日本」にしたそうですね。とはいえ実際にネームバリューを考えるとはるかに日本が上なので、こちらでは「日本韓国大会」って言っているようです。ちょっとうれしい発見でした。

その日本サッカーチームは今年のシドニーオリンピック予選でブラジルと同じ組になり話題になってますが、悔しいけどブラジルでは全く話題になりません。予選なんか通過するのが当たり前なのでいちいち気にしていないみたい。話題になったとしても「今回のオリンピック予選はラクに通過できる」って言われるのが分かっているだけになおさら悔しいです。でもハッサン国王杯ではフランス相手にいい試合をしていたらしいのでぜひブラジルを倒してアッと言わせてほしいですね。




2000年6月2日 金曜日

ありがとうございます。10000人突破しました。このホームページを開設してから約一年、やっとそれらしいアクセス数になってきました。三十路、一周年、一万アクセスとなんだかめでたいような気になっていますが、これからもよろしくお願いします。

さて、またまた話はサッカーになりますが、本当は今度の土日はサン・パウロまで行って州選手権の準決勝二試合を楽しむつもりでした。でもこのところサン・パウロ市内では地下鉄のストライキが続いていて交通機関は混乱に陥っています。知り合いに聞いても「これじゃ仕事にならん!」って憤ってます。土日は平常通り運行されるという話も聞きましたが、もしそうじゃなかったら土日がまるまる無駄になっちゃうのでテレビ観戦にしておきます。

日本でも交通機関のストライキがありますが、いつも「???」って思います。ストライキで一番迷惑を被るのは利用者。交通機関なんて水や電気みたいな必需品なので、人によってはそれが死活問題になったりします。で、迷惑を被った利用者が怒りの矛先を向けるのは会社の経営陣ではなくて、駅にいる職員です。ブラジルでも同じで地下鉄入口を閉鎖する柵を壊そうとする群衆と「やめて下さい!」となだめる駅職員の一悶着がテレビで放送されてました。このように他人に迷惑をかけることによって経営者に譲歩を迫るってのがなんとなくすっきりしません。先日起こったバスジャックでは少年が「自分の言うことも聞かずに精神病院に入れた母親に仕返しをするために、バスジャックをした」と言ってますが、地下鉄ストライキの発想も基本的にこれを同じですよね。

このほか税関職員や公立学校教師など公務員が荒れに荒れています。海外からものを送ってもらっても税関で滞っていることも多いようです。


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