バンクーバーの想い出

 

カナダに来て最初に住み着いたのが、西カナダの gate-way と呼ばれるバンクーバー。カナダで三番目に大きな都市です。
海外で生活すると言うのは初めてだった為、最初は見るもの聞くものすべて新鮮であったのを覚えています。幸いにも自分は日本出発前から仕事先が決まっていたので、問題は住む所を探す事。アパート探しをして随分街中を歩き回りました。 VACANCYの札を目当てに一軒一軒尋ねて、自分の条件と合う場所を探し歩きました。やっとの事で見つけたのが、スタンレーパークから歩いて10分のアパート。 9階建ての8階で西側に面していて、窓からは南に ENGLISH BAY の海の一片、北にノース・バンクーバーの山の一片が見れるバチュラー (リビング・ダイニング・ベットルームの区別がない一室だけの部屋タイプ)でした。 部屋の構造が今一つ好きでは無かったけれど、窓から見れる景色を見た瞬間、「うん。 ここに決めた!」と思いました。
 

バンクーバーの魅力は何と言っても、自然との調和。 ダウンタウンに繋がるスタンレーパークは代表的な自然パーク。歩く事が好きな自分は、バンクーバーに住み始めて間もない頃、毎日のようにスタンレーパークに足を向け、散歩を楽しみました。約2時間半かけて、スタンレーパークを歩いて一周した事もあります。 スタンレーパーク内の細いトレイル(小道)を歩いていると、そこはもう森林。ダウンタウンとは全く違う世界です。パーク内だけでなく、その周りにあるビーチも魅力の一つ。有名なのが、南方ダウンタウンからスタンレーパークにつながるENGLISH BAY 沿いにあるビーチ。夕方になると、沢山のダウンタウン住民がENGLISH BAY に沿って、スタンレーパークに向けて散歩を楽しみます。ENGLISH BAY に沈むサンセットは結構感動ものですよ! カナダは緯度が高い位置にあるせいか、太陽や月は日本に比べると大きく見えます。 それに、日差しがとても強くてサングラスは必需品です。
バンクーバーのダウンタウン近郊には、他にも魅力的なビーチが沢山あります。中でも忘れられないのが、UBC (University of British Columbia)のキャンパス付近にある、WRECK BEACH(レック・ビーチ)。 そこはなんとバンクーバー唯一のヌーディスト・ビーチなのです。 今でもWRECK BEACH に最初に行った時の緊張?を思い出します。 日本在住の人に聞いてみると「露天風呂と同じだから抵抗無し。」という人もいるようですが、自分はもうドキドキ状態でした。そこでは90%以上の人が真っ裸。ジーッと一点を見ている訳にもいかず、目の置き場に困りました。2,3回行くうちに緊張が解れてきたのか、自分も服を脱ぎ捨てる事ができました。(^^; そこでは、日光浴を楽しんだり、バレーボールやフリスビーで遊んだりと一見他のビーチと変わりません。バーガースタンドやビールを売りまわる人だっていました。 ただ、殆どの人が裸なだけなのです。何故WRECK BEACHに行ったかって?もちろん開放感を味わう為です。 もし夏にバンクーバーに行く予定のある人は、是非話しの種に WRECK BEACH に行ってみるのも面白いかもしれませんね。
バンクーバーの交通機関は魅力的でした。 市内バスは「トランジット・チケット」をバスの運転手から貰ってから120分間は乗り放題でした。有効時間内はどこで乗り降りしもいいわけです。 但し、ピーク時は距離によりゾーンが3つに分かれていて、料金がゾーンによって違います。週末はどのゾーンに行こうと一律で一番安い料金でした。自分がいた頃は1ドル35セントだったかな(当時の換算率で計算すると150円程度、昔カナダドルは強かったのです!) バスは町中を行動するにとっても便利な「足」でした。 トランジット・チケットはバンクーバーが誇る無人・自動操縦のスカイ・トレインやノースバンクーバーと結ぶシーバスにも使えます。だから、何の目的の無かった週末は、バスやスカイトレインに乗って終点地まで行き、ちょっと散策し、戻ってくるといった「きままエコノミー・トリップ」を楽しんでいました。
バンクーバーはアウトドア・スポーツが好きな人には最適な場所だと思います。街中ではサイクリングやローラーブレードを、海岸ではウィンドサーフィンやジェットボートを楽しんでいる人が沢山いました。 自分はもっぱら歩いてばかりいました。バンクーバーはカナダ第三の都市ですが、日本の都会から来た人には、「小さな町」としか見えないかもしれません。 実際自分もそう感じました。 ダウンタウンといっても1時間程歩いたら殆ど見れてしまう、そんな町です。 平日はショッピングモールや食料品以外のお店は殆ど6時頃閉まってしまい、なんてつまらない町と思った事もあります。でも、それは自分が住んでいた頃(7年)の話。現在は人口も増え、新しいアトラクションが次から次に創設され、どんどんファッショナブルな街に変身しつつあると聞きます。バンクーバーを訪れる観光客にとっては新しく出来た店やアトラクションが魅力的に思えるでしょうが、できる事ならいつまでも自然に囲まれた「小さな町」でいて欲しいと、自分は密かに願っています。
 
 
 

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