パラグアイの結婚式(写真で解説)
結婚式に関しては以前他の場所(ここをクリック)で説明しましたが、ここでは写真を用いて結婚式の進行を具体的に説明して行きます。これは作者が実際に列席して撮影しております。
まず教会での式となります。この日はアスンシオン市郊外にあるサンロレンソ市にある大聖堂(カテドラル)で挙式、参加者は教会の中で待機、また花婿も一番前で待機しています。花嫁が乗っている自動車が到着しますと教会の入り口で待機している花嫁の父と音楽と共に入場して来ます。その際には少年、少女が先導します。
(写真):花嫁とその父が教会へ入場
幸せ一杯の花嫁とちょっと複雑な表情の花嫁の父、対照的な光景ですね。二人が一番前列に到着しますと一番前列で待っていた花婿に花嫁を渡します。二人が並び神父さんの祈りで結婚式が始まります。ほとんど全員が敬虔なカトリック教徒、カトリックの教えを説き、そして二人が結婚を誓います。相手がどんな境遇となろうともずっと一緒に人生を歩む事を誓うのです。
(写真):花嫁・花婿が並び結婚の誓いを行う
結婚式が無事に終了しますと今度は花嫁・花婿が揃って退場です。幸せな二人は参列している友人・知人に「おめでとう」の声に笑顔で応えます。結婚式はそれ程長いものではありません。長い時でも30分くらいで終了します。この日の結婚式は午後8時に始まり、25分間でした。なお日本では大安の日曜日の昼に行う事が多いのですが、パラグアイで結婚式を行うのは、ほとんどの場合金曜日か土曜日の夜です。深夜に及ぶので次ぎの日が休みであることが条件のようです。
(写真):退場の際に笑顔で祝福に応える花嫁・花婿
結婚式が終了すると日本と同じ様に披露宴を行うのが普通です。披露宴の会場には各種クラブ、レストラン、ホテルなどが利用されます。日本のような結婚式専門の式場というのは存在しないようです。この日は教会の近くにあるクラブ(税関職員クラブ)で行われました。
まず披露宴に先立ち、公証人により結婚の登記が行われます。日本ですと役所に結婚届けを出すそうですが、当地では登記も重要なセレモニーで公証人が披露宴の式場に出向き行います。花嫁・花婿の他、大体10人くらいの人がこの結婚の立会い人となり、この結婚を承認し、登記簿にサインします。
(写真):公証人と花嫁・花婿の前で署名する結婚の立会人
さて、登記も終わりますといよいよ披露宴の開始です。まず最初にやる事はダンスです。二人でワルツを踊るのがしきたりとなっています。1曲くらいを二人で踊るとそれぞれの両親・兄弟などが踊りの輪に加わり、友人達が加わります。
ワルツと言っても大体が俄か仕込みのもので、非常に簡単なステップだけで踊ります。それでも多くのカップルはある程度練習して臨む様です。
(写真):ワルツを踊る花嫁・花婿
日本の結婚式ですと事前に出席者がチェックされて、まず欠席者というものは無く、また指定席の場合が多いようですが、おおらかなパラグアイでは招待された人が必ず来るというものではありません。従いまして、ある程度は席が余るというの普通です。また式だけ出るという人、披露宴だけに出席するという人もいます。
この日は食事の前に花嫁・花婿が各テーブルを廻りました。記念写真を撮影し、その横にはヴィデオ屋さんが付いています。他の参加者はおつまみと飲み物でテーブルの人とおしゃべりです。
(写真):テーブルを廻り記念撮影
さて、そうこうしている内にお腹が空いて来ました。時計を見ると午後11時、そろそろ食事の時間です。9時に始まった披露宴ですが、ここまで2時間かかっているのです。この日の食事はアサード、要するに焼肉です。サラダは別に個人個人で取るようになっており、肉はボーイさんが持って来てくれます。裏に廻ってアサードの様子を見ると沢山の肉が並べて焼かれており、切ってはボーイさんのお皿に載せていました。
皆にお肉が行き渡り食事が終わったのは11時40分、もう深夜です。そろそろクライマックスのケーキカットです。
パラグアイではケーキカットの前に独身女性が籤をひくという習慣があります。ケーキの中から紐が出ており、それを皆で一斉に引くのです。1本だけ当たり籤があり、それを引いた人は次ぎに結婚出きると言うのです。この時、多くの若い女性に囲まれて男性は花婿だけ、至福の時?です。
(写真):独身女性が一斉に籤を引く
そしていよいよ二人でケーキカットです。日本ですと切る場所以外は張りぼてという事が多いそうですが、当地ではまず全部が本物です。二人でケーキを切るとケーキはデザートして皆に配られます。ケーキカットが終了したのはもう土曜日に入り12:30分、そろそろ帰り支度を始める人も出て来ます。小生もここで退席したのですが、家に帰りついたのはもう午前1時、それからこれを書き始め、現在は2時半です。でも今頃まだ宴はたけなわで若い人を中心に踊りが続いている事でしょう。大体夜が明けるくらいまで続くのが普通なのだそうです。
(写真):ケーキカット
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