ほとんどの公開鍵暗号アルゴリズムは剰余計算を基礎としている。剰余計算とは、除法において、余りを求める計算の事である。例えば89を9で割ると商が9で余りが8となる。この余り8を求める計算が剰余計算である。剰余計算の演算記号にはmodを用いる。そして、その結果は「nを法とする」または「mod n」と呼ばれる。先程の例を用いると、89を9で割るときの余りを求める計算を89 mod 9と表現する。つまり89 mod 9=8となる。
記号の意味
89 mod 9 → 「89を9で割った余り(の計算)」
89 mod 9=8 → 「89を9で割った余りが8」
(a,b,n,xは1以上の任意の整数)
(1) a mod n<n
(2) 0以上n未満ならばmod nを取らなくても同じ。
(例)
(2×3−4×5)mod 20=2×3−4×5
1100 mod n=1−100 mod n=1
(3) a mod n=b → 適当なxでa=xn+bとなる。
適当なx、b(b<n)でa=xn+b → a mod n=b
(例)1234 mod 100=34 → 1234=12×100+34
(4) a mod n=b → a−bはxnで割り切れる。
逆にa−bがnで割り切れ、b<n → a mod n=b
(5) mod nは計算中に取っても最後に1回取っても計算結果は同じ。
(例){(1 mod n)×(2 mod n)×(3 mod n)}mod n
=(1×2×3) mod n
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