花事情 by Y.H.センセイ
食べ物所有権 by K.N.センセイ
香港は花が比較的安い。数百円も出せば、小ぶりな花瓶が充分にぎわう量が手に入る。3000円も出せば立派なフラワーバスケットが出来上がる。
花屋さんはあちこちにあるが、太子(プリンスエドワード)駅から数分のところにはフラワーストリートと呼ばれる花屋街があり、小売店が20軒ほど1列に並んで花を売っている。全部花屋さんだ。香港は談合がないから、店によって値段は自由に設定され、必然的にとても安い。一般向け小売店で同業者がこれだけ並んでいたら共倒れするのではないかと心配してしまうが、買いに来る人も多くなるので販売効率はいいのだろう。花飾りのスタイルは、オアシスを利用した盛り花か、花瓶の投げ入れが主流のようで、剣山は使わない。
私は以前、剣山を探したのだがなかなか見つからず、フラワーストリートの「Japanese なんとか」という店でやっと購入できた。 そういえばその時、剣山を何て言ったらいいのかわからず、メモに絵を書いて
「ケンザン」
「ケンシャン」
「シェンザン」
「シェンサン」・・・
などと、片っ端から変化させて言ってみたところ、そのうちのひとつがヒットしたみたいで、お店の人が
「Oh! ○×▲☆」
と言って持ってきてくれた。全然関係ないものが現れたらどうしようかドキドキだったが、剣山だった 。(こんなにうまくいくことはめったにない)
最近は日本の生け花が人気で、いくつか分校もあり、テレビでもたまにやっている。とくに斬新な生け方が好まれているようだ。また、香港でも、男性が花束を持って女性を待っているというシーンに出くわす。ただ、持っている花束がなんだかデカイ。レコード大賞をとった時に贈呈されるみたいな、ワッサワッサしている花束だ。大きすぎて、かえって女性に迷惑ではないか?
でも大丈夫。香港の女性は重い荷物も重たくない荷物も持たない主義なので、結局花束は彼氏が抱えて歩くのだ。
以上、これまでの発見の紹介だった。
私は、香港の街中にある日本食屋に行くと、「ざるそば」をよく注文するが、時々つい変なことを考えてしまう。
店の客には香港人が多いのだが、香港人は「ざるそば」をあまり食べない。「寿司」「ラーメン」「カレー」「温かいそば」「温かいうどん」などは食べても、冷麺である「ざるそば」を食べる香港人は極めて少ないのだ。
でも、そこで私が食べる。すると、周りの香港人が注目する。「一体なんだ、あの食べ物は!」とでも言っているかのように......。
そこで私は、変なことを考えるのであった。
「もし、僕がここで、まずいきなり『ざるそば』のそばつゆをザル上のソバに一気にぶちまけ、それから麺をほぐすようにして食べたら、奴らはいつか真似するだろうか......」
変に注目されると、「ここでウソ教えたら面白いかも!」などと、よからぬことを考えてしまうのデシタ。
両センセイのエッセイをもっともっと読みたい人は、Everydaylife in HongKongへ行ってみよう。
おもしろい香港体験談がたくさんあるよ!