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http://decatur.hp.infoseek.co.jp/japanese.htm
ビジネスで見かける間違った日本語の使い方。よく見られる例を集めてみた。 |
まずは誤字。ワープロ・パソコンの使用により減るものと減らないものがある。 |
間違い | 正解 | コメント |
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応待 | 応対 | これを間違えるのは年齢が高くなるほど多いのだそうだ。「接待」の影響とか。 |
ご静聴ありがとうございました | ご清聴 | 自分の話を聞いてくださったことに感謝している(へりくだっている)。静かに聞いてくれたので感謝しているのではない。 |
銀行口座の名儀 | 名義 | |
部所 | 部署 | 税務署、保健所、警察署、裁判所、刑務所、区役所、公共職業安定所。 |
専問 | 専門 | 「専」に点をつける間違いもある。 |
訪門 | 訪問 | 最近は門などない家が多いのだ。 |
口答で報告 | 口頭 | 「口答」は「くちごたえ」と読むのである(「筆答」に対する言葉として「口答」という言葉もあるらしい)。アタマを使うこと。 |
卒先して | 率先して | 「卒」を使うのは軽率であるというのが率直な感想。 |
お問い合わせには明日解答いたします | 回答 | 問題の答えは解答、返事は回答。イカは解凍、タコはカイト。 |
立合試験 | 立会試験 | 「りっかいしけん」などという古い人もいる。 |
この特許申請は独想技術である。 | 独創技術 | 特許には新規性だけでなく現実性も必要である。 |
技術開発は難行している | 難航 | 難行は「なんぎょう」と読む。厳しい修行のこと。 |
対称的な二つの戦略 | 対照的 | |
金融庁検査の対称になる | 対象 | |
一同に会す | 一堂に会す | 一つの部屋(建物?)に集まって議論するという意味。 |
不用な書類 | 不要な | いらないものである。使わないのではない。 |
基準改訂の主旨 | 趣旨 | 主旨:文章・言説などのおもな意味。
趣旨:文章や語のいおうとしていること、趣意。 趣意:意見、特に目的とするところの考え。 要するに、主旨は意味、趣旨は狙い目的である。 |
適性な価格 | 適正な | |
適確なアドバイス | 的確な | |
以下のとうり | 以下のとおり | こおれる月影。とおい道。 |
基ずく | 基づく | |
これには1部間違ったところがある | 一部 | アラビア数字は他の数字に置き換えられるときのみと考えた方がよい。「8方美人」とは書かない。 |
シュミレーション | シミュレーション | simulation |
コミニュケーション | コミュニケーション | コミュニティというのはなぜか間違いが少ない。 |
人間ドッグ | 人間ドック | dogは犬、dockは造船所にあるもの。 |
ロッド不良 | ロット不良 | rodは棒。lotは製造単位。 |
あて字の例。 |
あて字 | もとは | コメント |
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温度計を校正する | 較正する | 較という字をコウと読まないと決めるほうも決めるほうだが、それに迎合して術語を改訂する方も問題だ。 |
耕運機 | 耕耘機 | たしかに運ぶ用途にも使っているねぇ。 |
言葉の意味・用法を誤解している例。 |
間違い | 正解 | コメント |
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山田さんはこのほど4年間のアメリカ駐在を終え、晴れて帰国されることになりました。 | 田中角栄は汚職事件で実刑に服していたが、刑期を満了して晴れて国会に復帰した。 | 新明解国語辞典によれば「晴れて」という言葉は、(副)そのことの進行を妨げていた・(公然とは主張できなかった)事情が解決して、正式に認められることを表わす。「---無罪となる」 |
ご乗車になりましたら中程までお進みください(駅のアナウンス) | ご乗車になりましたら中の方までお進みください | 中程というのは「その期間・距離の中間に位する時・所(新明解国語辞典)」。小田急でも阪神電車でも間違ったアナウンスをしている。毎日何十万人が聞けば、そのうちことばの意味が変わるだろう。 |
食事の洋風化は子供の体格向上を助長した | 食事の洋風化は成人病の増加を助長している | 助長というのは悪い傾向を一層強くさせること(新明解国語辞典)。 |
橋本は総理大臣には役不足だなあ | 橋本は総理大臣には力不足だなあ | 役不足とは役(つまりポスト)の方が十分でない状態をいう。なお、文章の内容ではなくあくまで言葉の使い方について正誤の判定をしめしている点をご了解ください。 |
新しい方法の適応により効果があがった | 適用 | 適応というのは周囲の環境その他の条件に合わせること。恐竜は環境の変化に適応できなくて滅んだ。 |
改革の流れに掉さす抵抗勢力 | 技術革新の流れに掉さして一気に事業を拡張した会社 | 最近は誤って、逆行の意に使用する向きもある(新明解国語辞典)。 |
彼は気の置けない人だから、みんな緊張していた | 気の置けない友人が集まって送別会をしてやった | |
とんでもございません | とんでもないことでございます | 「とんでもな・い」という単語(形容詞)である。「情けな・い」も同じく形容詞。 |
もう前社長の三回忌ですか。3年もたつんですね。 | 2年 | 一周忌の翌年が三回忌。BC1年の翌年がAD1年。 |
品質不良の原因になると彼は口を濁した | 言葉を濁した | 口は濁らない。「口を閉ざした」か。 |
「敗軍の将、兵を語らず」だから部下の悪口を言ってはいけないよ | 「敗軍の将、兵を語らず」ですから、そのことについては言いたくありません | 失敗をした人には、その事について意見を述べる資格がない(新明解国語辞典)。「兵」というのは兵隊のことではなく「いくさ」のこと。 |
御社の住所を教えてください。 | 「所在地」または「郵便の宛先」 | 会社は住んではいない (^_^; |
上司用駐車場(という看板) | 役員用駐車場 | 上司・部下は相対的関係を表す。つまり、上司にも上司がいる(部下に部下がいるとは限らないけれど)。 |
プリミティブな間違い | 初歩的な間違い | 「プリミティブ」は原始的なという意味である。「日本ではプリミティブということばはキンダーガーデンというような意味に使われているらしい」とアメリカ人がいっていた。 |
一番ベターなのは | ベストなのは | ちゃんと最上級というのがある。 |
耳ざわりの悪い言葉 | 耳ざわりな言葉 | 「目ざわり」と同じような語源と思われる。「はだざわり」「てざわり」等といっしょにしてはいけない。 |
ビジネスで見かける間違った敬語の使い方。 |
間違い | 正解 | コメント |
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各位殿 | 各位 | 各位というのですでに敬称なのである。 |
(外部からの電話に)田中部長は本館に行っておられます。 | 田中は席を外しておりまして、1時に戻って参ります。 | 名前のあとに肩書きをつけると敬称になる。 |
山本は課長と話しておりまして(電話にでられません)。 | 山本は別の電話にでておりまして(とウソを言う)。 | 相手は課長よりおれの方がえらいのにと思うかもしれない。 |
あなたの申されることは | あなたのおっしゃることは | 申すというのは謙譲語。しゃべっている人を低めて聞いている人(この場合では自分になる)に敬意をしめす。 |
否定文にも間違いが多い。 |
間違い | 正解 | コメント |
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彼女は来なく、私は失望した。 | 彼女は来ず、私は失望した。 | 「来ない」というのは動詞+助動詞。「このりんごはおいしくなく、私は嫌いだ」という場合の「ない」は形容詞で正しい言い方。 |
規定通りにできていなく問題だ。 | 規定通りにできておらず問題だ。 | 上と同様の例。「できていなくて問題だ」は正しい。 |
その言い方はしないべきだ。 | その言い方はするべきでない。 | 「するべきではない」というのは部分否定ではなく、全面(完全?)否定である。 |
漢字の読み方の間違い |
間違い | 正解 | コメント |
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そうきゅうに改善します | さっきゅうに改善します | 「早急」。さっとするときは「さっ」と読むのではないだろうか。「そうそく」とはいわんしなぁ。 |
じゅっちゅうはっく | じっちゅうはっく | 十中八九。十手、十進法、二十回は「じって」「じっしんほう」「にじっかい」と読む |
そうさつ | そうさい | 相殺 |
じょういげたつ | じょういかたつ | 上意下達 |
やくむ | えきむ | 役務 |
じゅんぷうまんぽ | じゅんぷうまんぱん | 順風満帆 |
いちにちのちょう | いちじつのちょう | 一日の長 |
たにんごとと思ってちゃダメだよ | ひとごとと思ってちゃダメだよ | 他人事 |
かんぱつをいれず | かん、はつをいれず | 間髪を容れず |
芝生にさんすいする | 芝生にさっすいする | 「撒水」。撒くのであって散らすのではない。 |
諸芸にたんのうな名人 | 諸芸にかんのうな名人 | 堪能。 |
しゅな原因は | おもな原因は | 「主な」。「しゅとして(主として)」は正しく、「おもとして」は間違い。 |
下にきすとおり | 下にしるすとおり | 「記す」。 |
電気関係用語で意味を誤解している例と誤字。 |
間違い | 正解 | コメント |
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この発電所の能力は百万キロワット時(kWh)です。 | この発電所の能力は百万キロワット(kW)です。 | 百万キロワット時というのは百万キロワットなら1時間、十万キロワットなら10時間に相当するエネルギーの量(キロワットx時間)である。百万キロワット時で寿命が来たら大変だ。百万キロワットの発電所というのは1キロワットの機器百万台に連続して電力を供給できることをしめす。「毎時百万キロワット」というような新聞記事もあるが、まちがい。ちなみに、ワットは人名から来ているので大文字(W)でキロは小文字(k)で書くことになっている。 |
電圧波形を見ると1ヘルツの間に2回ゼロをクロスしている | 電圧波形を見ると1サイクルの間に2回ゼロをクロスしている | むかし50サイクルといっていたのを今は50ヘルツというのだから「サイクル」が「ヘルツ」に変わったのだという誤解である。むかし50サイクルといっていたというのが誤解で、50サイクル毎秒を省略して50サイクルといっていたのである。つまり、ヘルツ=サイクル/秒。 |
このモーターには裕度がある | このモーターには余裕がある | 裕度というのは専門用語であり、「裕度とは、指定値または保証値と試験結果との差異の許容できる範囲をいう」と決められている。余裕とかサービスファクターとかいう意味ではない。たとえば、効率の保証値が94%でも、裕度の規定によっては92%で合格になることもある。 |
回転数1500rpmである | 回転速度または毎分回転数 | 正式文書では回転速度と書きたい。 |
圧力発振器 | 圧力発信器 | |
比率作動継電器 | 比率差動継電器 | 「差動継電器」だとまちがわないが「比率」がつくとついつい。 |
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