リマ・日本移民・資料館


現在では藤森大統領をはじめ、ペルー政財界に多くの人材を輩出し、その地位を不動のものとしているペルー日系社会ですが、今年(1999年)は移住100周年となります。リマを中心にこの一年を通じて色々なイベントが計画されており、日系社会挙げて祝賀ムードに包まれています。

しかしながらその移民の歴史は決して平坦なものでは無く、初期の貧困の歴史、そして戦争(第二次世界大戦)に左右された苦難の歴史。この100年の歴史を判り易く紹介しているのがこの資料館です。場所は日秘会館の中、リマを訪問した際には是非立ち寄ってみたい場所だと思います。

(写真)日秘会館入り口に在る100周年の看板

100年前まだ日本は明治時代、ハワイ、米国等の移住の後、南米移住の先駆けとしてブラジルよりも早い時期にペルー移住が始まりました。当初の移住は他の国でも同様ですが、永住を目的にしたものよりも主に出稼ぎを目的としていて、故郷に錦を飾る事を夢見て日本を後にするというものでした。当初の移民は非常に苦労したようで、資料館に最初の数年でそのほとんどが入植地を後にしている様子が展示されていました。雨の少ない不毛土地で生活習慣が違う中での先人の苦労は現代の我々には想像不可能だと思います。

(写真)移住者が持って来た品々

100年近く前に持ち込んだ貴重な品々が展示されています、日本もまだ貧しかったこの時代、当時の様子を知る貴重な資料です。

(写真)移住当初の日系自動車工場の様子

中には移住間もなく成功された自動車修理工場の写真がありました。戦前、苦労しながらも真面目な働き振りで財を成した日系人達は第二次世界大戦で敵国民となり、財産を没収、米国の収容所に送られるというような悲惨な体験を経て来ています。

(写真)貴重な記録が並ぶ

(写真)日本からの移住の歴史を示すパネル

現在ではペルー日系社会は成熟した社会となり、ペルー社会の各方面で活躍、なにしろ大統領府の住人が日系人なのですからたいしたものです。

移住100周年を経て、21世紀に向かい今後ますますペルー日系の活躍が期待されるところです。


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