皇紀とは

 「皇紀」は、正式には「神武天皇即位紀元」と呼ばれ、その名の示すとおり、我が国の初代天皇である神武天皇が橿原の宮において即位されたとされる年を元年として定められたものです。この年は、西暦紀元前660年にあたります。すなわち、今年、平成15年(西暦2003年)は、皇紀2663年です。
 皇紀は古くから使われてきましたが、正式には、明治5年太政官布告第342号(明治5年11月15日)によって制定されました。
 

明治5年太政官布告第342号

 今般太陽暦御頒行 神武天皇御即位ヲ以テ紀元ト被定候ニ付其旨ヲ被為告候為メ来ル二十五日御祭典被執行候事
 但当日服者参朝可憚事

 明治初期には、元号を廃止して皇紀を唯一の正式な紀年法としようとする動きもありましたが、結局は皇紀は元号の陰に隠れる存在となりました。昭和15年の紀元2600年奉祝式典により、皇紀は広く普及するところとなりました。しかし、大東亜戦争後は、公式に使われることはなく、その存在を知る人すら少なくなりました。

 ただ、閏年の算出は、現在でも、皇紀に基づいて行われるようになっています。
 

明治31年勅令第90号

 神武天皇即位紀元年数ノ四ヲ以テ整除シ得ベキ年ヲ閏年トス。但シ、紀元年数ヨリ六百六十ヲ減ジテ百ヲ以テ整除シ得ルベキモノノ中、更ニ四ヲ以テソノ商ヲ整除シ得ザル年ハ平年トス。

 
この勅令によると、皇紀をいったん西暦に換算した上で、400の倍数以外の100の倍数の年を平年とするようになっています。これは、西暦を使う諸外国の暦法にあわせたものですが、我が国は、現在でも西暦を正式には認めていませんので、このように定められているのです。 1