10月31日。
早足に過ぎる東海岸の秋が終わりを告げようとするこの時季、クリスマスに次いで皆が浮かれるお祭り・ハロウィンがやってくる。 9月に学校が始まって、親子ともに振り回される新学期のゴタゴタや新しいクラスの雰囲気が落着きを見せる頃、「今年のハロウィンはどうしようか?」という声が挙がり出す。
"PARTY CITY"などを筆頭としたパーティ用品専門店は既に9月の段階からハロウィン・グッズで埋め尽くされている。
家庭や学校・職場、デパートや各種団体など、色々な所でパーティやイベントが催されるので、当日をどう過ごすかと、そこに出席する際に着て行くコスチュームをどうするか、で頭を悩ませることになる。
身軽だった頃は、ハロウィンが近づくと玄関先にちょっとしたディスプレイを施し、家を訪ねて来る子供達の為にお菓子を用意しておく事と、何処かのパレードを見に行こうかとか考える程度で、基本的に観る側にいたのだけれど、息子が生まれてからは、彼の衣装を考えて用意するのに毎年結構な手間を掛けている。
ネタと制作に困った去年など、パレード直前までかなり苦労してのたうち回っていたのだけれど、やっぱり祭りは、『踊る阿呆と観る阿呆〜♪』の言葉通り、「何をそんな真剣に・・・」とか思いつつも、その気になって参加して楽しんでしまった方が断然面白い。
親の言いなりでコスチュームを着てくれるのも息子が小さい内だけなので、この三年、息子は母のかなり一方的な趣味と自己満足による着せ替え人形となっている。(笑)
コスプレなんて、究極の自己陶酔遊戯といえますものね。要は達成感が大事なのだ。(^_^)v
ともあれ、量販品とは一味違う個性と、且つ作った自分が満足出来る(笑)クオリティ…
を目指して今年も考え中である。
←やはりギリギリでしか作業しないらい(笑) 残す所10日;;
(完成した暁には、今年のハロウィン模様と併せてご披露したいと思うのでよろしく♪)
Halloweenの起源は、自然信仰であるケルトの大晦日と、キリスト教を用いてその後のヨーロッパを支配していったローマの『聖者の日=All
Saints’Day (古英語で 'Alholowmesse')』にあると言われているらしい。
ケルト人は“夏の終わり”であり、“収穫の日”である11月1日を新年とし、前日の10月31日を“死者の国と生者の国の境が無くなる日”と考え、来るべき冬に備え『Samhain』の祭で新年を祝い、獣の頭や毛皮で仮装して大きな焚き火を囲んで供物を奉げ、地上に戻ってきた霊の力を借りて未来を予言する儀式をしていたという。
(日本のお盆みたいなものだろうか…)
一方のローマは、いくらケルトの神を崇める事を禁じ占師達を追放しても、民族が培ってきた伝統と信仰を捨てられない人々を支配していく過程において、『Samhain』を排除し、11月1日を
ローマ起源の“死”を記念する祭『Feralia』と、“果物と木の女神”を賛える『Pomona』を取り込みつつ、キリスト教を全面に推し立てた聖人と殉教者を賛える祝日・“All
Saint's Day”=『All-Hallows』と定めた。
それによって10月31日は『All-Hallows
Eve』となり、後に 11月2日も全ての魂(=死者)を賛える日・『All
Souls’Day』とされ、その祭事にケルトの風習のように神聖な焚き火を掲げ、聖人や天使、悪魔の仮装でパレードなどをしたのだそうだ。
最終的にこれら10/31、11/1、11/2の三つの祝賀がひとつになり『Hallowmas』と呼ばれるようになり、10/31の『All-Hallows
Eve』が『Halloween』になったらしい。
移民とともにごく一部の人達の宗教行事としてアメリカに渡ったハロウィンは、他民族の習慣と融合しながら次第にお祭りとしての性格を濃くし、
特にアイルランド移民が大量に入植した折りに、イギリスやアイルランドで行なわれていた、“仮装して家々を廻り食べ物やお金を貰う”というハロウィン行事が取り入れられて発展してきたそうだ。
よって、現在のハロウィンは殆ど宗教色の無い、マルチ・カルチャーなイベントとなっている。
ハロウィンは感謝祭(Thanks
Giving)やクリスマスのような“Family
Celeblate”=家族で祝う祝日とは違って、友達や同僚など仲間同士で楽しむイベントだ。
今はプラスチック製や陶器のディスプレーも多いけれど、カボチャを刳り貫いて作る“Jack O’Lantern”、オレンジ色のパンプキンと黒いコウモリ、ふわふわ浮かぶお化け、が基本の飾り。
スナックやケータリング、持ち寄りの料理などで気軽なパーティが家庭だけでなく学校や職場でも開かれ、午後から夕方にかけて子供達が近所にお菓子をねだりに行く。
お約束の合言葉は 『Trick or Treat ?
=イタズラされたい? それとも何かくれる?』
発音としては、尻上がりで
「トゥリッカットリィー?」という感じ。
ディスプレーを施した家々や、子供が入れる類のお店は大抵『Treat』を用意してくれている。
景気の良さもあってか、年々派手なお祭騒ぎとなってきているが、かつて日本人留学生が誤って射殺された事件にみるように、色々と要注意の日でもあるので、一般住宅を訪ねる事を禁止して、大きなショッピング・モール等でだけ遊ばせる親も増えている。
仮装パレードもアチコチで催されるが、中でも有名なのは、マンハッタン、ビレッジ付近で行なわれるパレード。
元々ゲイ・パレードとして始まったので、地域イベントとして拡大した今でも沢山のドラッグ・クイーンが登場する。参加は自由なので、当日現地登録すればよい。
ただ、日暮れ後のスタートなので小さい子向きではないのと、混雑の中、見学する方も結構寒いのでご注意。
ハロウィンが終わると冬だなぁ…と思う。
10月には入れば、たとえ日中の気温は高くても、外に駐めた車が冷えて水滴を纏っている朝の寒さや、視界が失くなるほどに強く長い白金の陽射の眩しさと、日に日に夕暮れが早くなることに季節の移ろいを感じるが、ハロウィンと前後してサマータイムが終わりを告げると、その焦燥にも似た思いは一層強くなる。(冬時間で1時間朝が遅くなる為、更に日暮れは早くなる)
ハロウィンが終わるとデパートや街はクリスマス・ディスプレーに早替わりし、一般家庭の飾りが取られる11月後半には、サンクスギビングが来て全米の道路、空港が里帰りで混雑し、12月の声を聞けば、住宅街のディスプレーもオレンジと黒から赤と緑のクリスマスカラーに取って代わられ、誰もがプレゼントの準備という幸せな課題に頭を悩ませる・・・。
そして私は、 あああ・・・
何をした訳じゃないのに、もう年の瀬だ;;; と一年を振り返る。(爆)
このお祭りは、私の中にも すっかり季節の風物として根付いている。
|