広瀬隆「赤い楯」を読み始めた。まだ前半。
ロスチャイルド家の系譜をかなり綿密に調査している。
銀行家のロスチャイルドとワインの「ムートン=ロートシルト」のロートシルトが同じ綴りなので関係あるのかな? と前から思っていたのだがこの本で同じ家系とわかった。
金融、政治のみならず映画産業、軍需産業など根深く広まっている系譜をまとめた労作。系図のまとめかたがすごい!
後半が楽しみ。
「金語楼落語名作劇場」上下巻昭和42年刊行
最近の古本屋はベストセラーや文庫の中古とかマンガの全巻揃いなどが中心で、たくさん読むための手段としてはたしかに便利ではある。しかし「変な」本を見つける楽しみは、むかしからやってる古本屋ならではである。
柳家金語楼の芸道60年記念出版という怪奇なタイトルにひかれて買ってしまった。
「ジェスチャー」でお馴染み(?)金語楼師匠の大正8年から昭和42年までの新作がこの2冊で楽しめる。
残念ながら本で読む落語は面白さ9割引である。また戦前の作はサゲが良く分からん作品が多い。
金語楼師匠といえば発明マニアであったが、自分の顔(似顔絵)を実際に意匠登録したというエピソードは笑えた。自分の似顔絵を袋に書いたものが勝手に売られていたためだそうである。
そういえば東京の会社の近くで金語楼師匠の娘さんが酒場をやっていて、転勤前に一度だけ行ったことがある。「連想ゲーム」(これも古いけど)の赤組でジェスチャーをやってた人である。
一方、最近の古本屋のありがたみはなんといってもマンガの全巻揃いである。
うわさに聞く「忍者武芸帳 影丸伝」全17巻をひとまとめで買い、かつ一気に読むことができた。
居合術の元祖、林崎甚助がけっこう活躍するあたりが面白かった。しかし、白土三平はヒーローやヒロインに否定的であり、魅力的なキャラクター(明美とか)が惨殺されたりするクールさが、読み手にはけっこうしんどい。
「カムイ伝」で慣れたつもりであったが、やはり「カムイ外伝」のように主人公に入れ込んで読める方が正直いって安心である。
マンガといえば、「ファントム無頼」全7巻をようやく読みおえた。なぜか3,4巻が書店で見つからなかったので、2巻までで長らく足踏みしていた。
同じ新谷かおる氏の名作「エリア88」(戦闘機乗りの傭兵の話全23巻)と同様、航空アクションである。しかしこっちは、自衛隊のパイロットとナビの話なので血なまぐさい場面は基本的にはなしである。
戦争場面なしの戦闘機乗りという制約を物ともせず、空の男の意気地を描いた、じつに楽しい作品である。
終盤、複座のファントムF4が単座のF15に交代するという時代の変化が主人公達に訪れるが、
それでもファントムにこだわる2人がじつに良い!