担任雑記No.66 「平和を勝ち取ったダイアナ」

 1997年8月31日未明、フランスはパリの道路で、歴史上最も有名になるであろう、交通事故が起きた。そして、3名の尊い人命が散った。その犠牲者のなかに、元イギリス皇太子妃、ダイアナがいた。

 交通事故の原因は、彼女のスキャンダラスなスクープをハイエナのごとく追うタブロイド紙の記者などと過激なカーチェイスを繰り広げた末に起きてしまったと、マスコミ自身が伝えている。約160Km近くの猛スピードを出していたという証言もあるくらい、彼女らは逃げ惑っていた。

 同乗車は今彼女との再婚のうわさになっている、イギリスの「ハロッズ」と言う超高級デパートのオーナーの息子、エジプト人のドディ・アルファイドという超お金持ちとホテルの運転手である。

 この知らせは瞬く間に世界を駆け巡り、テレビのニュース速報や、特別番組は当然として、インターネットの話題としても半日もたたずに流れ話題となっていた。それだけ、彼女は世界から注目されている存在であり、彼女の名声や美貌、スキャンダルな生活ぶりを利用し、糧として多くの人が日々の営みをしているのだ。

 彼女の死によって、タブロイド紙を初めとする、マスコミ関係はさまざまな方面から大きな打撃を受けるだけでなく、謝罪と反省を強いられるであろう。彼等が自分自身を正当化すればするほど、世論の力によって彼等をつぶすような動きが巨大化して行くに違いない。

 彼女は享年36年。まだまだ人生これから、という脂の乗り切った時期だった。冥福を祈りたいと思う。

 これで、マスコミの夏の薮蚊のような煩わしいまとわりつきから解放され、やっと静かで自由な世界を勝ち取ったのだ。あえて、「おめでとう」を言わせてもらう。

 

 が、私は一つの仮説を持っている。これはあくまでも私個人の思い込みであるから、読後どんなに笑いとばしていただいても構わない。しかし、私はあのサカキバラセイトは中学生だと、犯人からの犯行声名文の報道があったときに予言していた経験を持つことも付け加えておこう。

 

 日本では、テレビ朝日系列で緊急特別番組を組んだ。彼女の功績、彼女の魅力、彼女の、英国皇室との確執、離婚、そして、さまざまな大物との浮き名とそのゴシップ。3度来日しているが、そのときの日本の興奮(当時は、ダイアナ「フィーバー」と言った。懐かしい、今では死語だ)や、さまざまな福祉施設への献身的な訪問などを哀悼の意を込めて報道していた。

 だが、彼女の死の原因についてやその背景になったものについては、同じマスコミの仲間が起こしたという負い目があるのか、それほど詳しくは伝えず、やや口ごもっているような状態だった。原子力施設の不祥事などには糾弾するような強い口調であるのに、これはどうしたことか。

 さて、ほかのテレビ局はどうか。日本テレビ系列は野球中継、ほかはドラマやバラエティー番組、特番を組むような気配は些かも感じられない。ニュース速報で伝えただけだった。

 また、短いニュース番組でも、一番初めの記事として取り上げてはいたものの、「ダイアナが死んだ」と言う事実を述べたに止まり、それ以上は特になにもない。

 緊急特番を翌日に行った局もあるが、何の新しい事実もなく、同じ様な内容であった。もっと盛り上がって、こぞって特番を組んでもよいものを、これだけの話題になったものの割には、実にあっさりとした取り上げ方だとは思わないか?これには何か裏がある。無神経なマスコミ自身の自粛とは思えない。 

 

 元夫である英国皇室のチャールズ皇太子は彼女の二人の妹と彼女の遺体を引き取りにパリに向かうという。

皇太子と離婚した彼女を、皇室が、王位継承権を持つもの自ら引き取りにパリに出向いて行く、という、大きな示意行為のような行動。何か不自然だ。

 そして、翌日遺体を乗せた棺はイギリスに帰る。が、最愛の息子たち二人が悲しみの出迎えをしたかというと、そんなことはない。皇室がストップをかけたのか。彼女の遺体は葬儀の後彼女の実家の墓地へ埋葬されるというが、彼女の死に顔は公開されるのかどうか疑問だ。これには、何か裏があるのか。

 

 あまり大々的には報道されなかったが、彼と彼女の乗ったベンツは、リッツホテルから出たときと高速道路を爆走して事故を起こしたときと違う車だといううわさもあるという。

 

 これらの事実から、私なりの結論を言うと、ずばり彼女は生きている。もし本当に事故を起こしていたあのベンツに乗っていたとすれば、ある程度怪我をしたであろうことは想像するが、命を落としたところまでは行かなかった。それを幸いに、報道では「死んだ」ことにしておく。

 または、この大事故はいわば最初から仕組まれた茶番劇ではないだろうか。影武者のベンツを走らせておいて、まんまと「薮蚊」たちはまとわりついていった。そこに、派手な事故を起こさせた。もしかしたら、あの「薮蚊」たちももしかしたら「さくら」だった可能性もある。

 

 彼女が「死んだ」ことにしておけばメリットはたくさんある。彼女はその後の人生は誰にも邪魔されずに悠々と、自由に生きることができる。「自分にはプライベートがない」と嘆く人生からも解放される。

 おまけに、大富豪の御曹司と一緒なら、誰にも知られていないような無人島か何かに秘密の愛の園を築いておけばよい。おまけに彼女には、一生かかっても使い切れないほどの財産があるのだ。

 それらによって今まで以上に、慈善事業に力が入れられるというものだ。

 

 イギリス皇室にもメリットはある。彼女はいわゆる「目の上のたんこぶ」だった。彼女が「死ぬ」ことによって、今までの皇室に対する悪い印象を払拭することができるし、彼女との縁も切れる。気掛かりなのは彼女の忘れ形身、二人の王子であるが、それは皇室独特の教育と、007の秘密兵器を生み出した科学力を誇る洗脳技術によって何とかなることだ。

 

 いずれにせよ、あの過激で加熱しすぎた彼女を取り巻く報道合戦にも決着がつく。報道が騒がなくなれば良いのだ。いずれ「薮蚊」や薮蚊を育てた「沼」は水が干上がり木が生えて林になって行く。そうやって自然と淘汰されて行けばよいのだ。

 そしてそのマスコミに踊らされている世間も自らの愚かさに気付いて行くだろう。今さら遅いけれど。

 

 彼女はどこかで生きている。そして、静かな人生を送ろうとしている。
 もう一度、

 おめでとう、ダイアナ。

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