1997.8.2Sat

3日目 Sandiego (La Jolla beach) ->
[Interstate 15]->[Interstate10]->[State111]
->Palm Springs

割と遅めに起床。良い天気だ。 

 サンディエゴシティーカレッジへ寄る。ところが、土曜日は閉まっているらしい。また平日にくるつもりで去る。

 ラホイヤビーチで一日日焼けするつもりでいた。で、街に着いたので、とりあえず駐車場探し。だが、ここはアメリカでも有名な観光地、そんなに簡単に見つからない。
 やっと見つけて、街歩き。ホテルを探すことに。が、今日は週末。ビーチ近くはあるはずが無い。トラベロッジ、から始まって、4件くらい当たって見たけれどすべて『ソールド・アウト』。が、5件目のホテ ルで親切にも教えてもらった電話番号に掛けてみると、ホテルの宿泊の斡旋をしてくれた。ついでに予約もしてくれたが、ビーチから遠いし、高い(140ドルくらい)。この際、しょうがない、1泊くらいは高級なホテルに泊まってもよいか、と意を決し、San Diego界隈では有名らしい地ビール屋へ向かった。こういうのアメリカにもあるんだなあ。名前は「Karl Strauss」。この店の出すビールを全部テイスティングできるセットをたのみ、カラマリ、サラダ、ソーセージ盛り合わせ、をつまんだ。が料理はアメリカンサイズであることを忘れていたので、さすがに食べきれなかった。ビールは、150cc位のグラスが10個並べたトレイが運ばれ、ピルスナーからダークまで、イギリス風のエールやペールエールなども交ざっていた。どれがうまいかは、ううん、コメントしにくい。地ビールとはそんなもんかな。そしてそこが損なもんかな。

なんちゃって

 とはいえ、量は十分すぎるほどあり、二人で飲んでも日本で言えばたっぷり大瓶より多い量だ。テイスティングとはいえ、十分酔うことはできた。
 その後、ラホイヤがあまりにも混んでいたので、いやになり、ビーチにも行かず、どうせならパームスプリングスのアウトレットショップへ行ってしまえ(ここからインターステートを使って、約2〜3時間のところ)、ということになり、即実行。途中ガスを入れる。カードで入れる。満タンにして、15ドル強。何ということだ。

 詳しいルートは後程入力するとして、パームスプリングス迄のフリーウエイの旅は、実にアメリカンドライブを実感するものだった。もしこれが馬力の無い華奢なアスファイヤだったり、他のオートクルーズ機構のついていない車だったりしたら、これほどストレスなく、約80マイル巡行を2時間以上も続けることなどとうてい無理であったに違いない。
 オートクルーズ機構は日本の車にもついているが、その利用価値はあまり無い。曲がり道の多さ、たった2車線、制限速度の厳しさ、自動車の密集度の高さ。日本とは比較にならないほど高速交通網の完備されているアメリカやドイツなど、大陸ならではのものだ。大陸には大陸向きの車があって、それが私が今、駆っているマスタングなのであるぞ。ううん、気持ちいい。

 Palm Springs という看板にしたがって、インターステート10号線から111号線に入る。と、山(といっても、緑はわずかしかない、むしろ瓦礫の山)に、奇妙な人工物が。ひとつやふたつではない。しかも巨大。白い。林立している。それは、「風車」つまり、風力発電装置の林だ。予想をしていないものが目の前にあらわれて、70マイル巡行していて、やや日も陰り、視界が狭くなってきたところに、気が期ではない風景に出会ってしまった。
 とりあえず車窓から美保に写真を撮ってもらうが、あすの朝、写真を撮りにこようと心に誓う。

 パームスプリングスらしき街に入る。なるほど、砂漠に忽然とあらわれた「椰子の木」通りに整然と並んでいる。真っすぐに区画整理された通りのどこにも大きな、立派な椰子の木が、生えている。砂漠の真ん中に突然現れるオアシスのような、一種異様、奇妙な感じがした。
 地球の歩き方に載っている地図からの印象ではすごく小ぢんまりとした街であると想像していたのが失敗。通りの名前がわからず、目的地にしていた所もわからない。ゆけど行けど、迷うだけ。が、ここはアメリカ。スケールは日本の10倍は有ると考えるべきだった。ちょっと進んでは路肩に車を寄せ止まり、地図を見て首をかしげてはまた進む、の繰り返しは駄目だ。とにかく、ガーンと行くこと、少なくとも15分以上は同じ通りを走ること、それがアメリカドライブを成功させる秘訣だ。
 とにかく、色々迷って、腹もすいて、機嫌が悪くなったところで通りの名前に「フランク・シナトラ・ロード(ドライブ?)」なんて言うのを発見、やっと位置関係がわかる。地図はあれど自分はどこに居るのかわからないと、これほどまでに不安になるものか。あの、去年の1号線事件のときはまわりは漆黒の闇、それだけに不安が倍増したが、今回は、その気になれば、ロッジもあるし、スーパーもある、ハンバーガーショップなど色々ある、でも不安なのだ。どこも同じ様な景色、ただっぴろい土地。不思議な体験。
 目的にしていたホテルは、どうも予想していたようなホテルではなく、コテージ式の超高級リゾートの一部で、今はゴルフ場のシーズンオフで、閑散としていた。これはわれわれの目的ではない。時間も遅くなったことだし、今夜の宿探しとしよう。
 途中で見かけた、ロッジ(モーテル:という言葉はここでは使ってはいけない条令があるのだそうだ。何でかは知らない)に入り、今夜のベッドを確保した。またもや70ドル以下ですばらしいベッドを手に入れることができた。すばらしいオプションもあったが。(それは秘密)

 さすが、砂漠の真ん中の気候は暑い。蒸し暑さというよりも、去年ラスベガスで経験したあの巨大ドライヤーで熱風を吹き付けられているような熱さだ。従って、部屋のエアコンをつけずにはいられない。細かい温度調節ができない 旧式な機械のスイッチをLowにして入れると、涼しいというよりも強烈な寒さを含んだ冷気がベッドに横たわる我々に直撃する。巨大ドライヤー対抗するだけ強力でなければならないのだ。そして、決して静かとは言えないが、砂漠のど真ん中で快適な睡眠をとるには欠かせない、この大味ぶりがアメリカンでなんか、とてもいい。
 が、一晩中つけておくとさすがに部屋の中は冷蔵庫になった。朝気付いたけれど、夜は砂漠は温度が下がるんだな。勉強になった。

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