1997.8.5Tue
6日目 L.A.(Woodland hills)->[U.S.101]->Santa Barbara
->[U.S.101]->Solvang->[U.S.101]->Santa Barbaraバカボンインに泊まった街は、101号線沿いにある、ウッドランドヒルズという街。そこから、1時間ほど北へ行ったところが、サンタ・バーバラ。
2度目だけれど、今度は泊まる予定だ。お洒落な町並み。ショッピング街。ちょっと西洋ふうの町並み。たくさんの観光客が来ていた。
街を歩く。ショッピングは美保に任せて、ビーチにでもと思ったが、一応付き合う。
ホテルを探す。ステート、という通りを南へ。すると、ビーチが見えてきた。それも、すごく上質な、いいビーチだ。
ビーチ沿いの道にモーテルが立ち並ぶ。結構個人経営みたいなものが多い。後で気付いたが、通りの端の方に、チェーン経営のものが多かった。
その中で、ちょっと可愛いホテルを見付け、そこに入ることにした。
が、やはり、結構お値段が張る部屋しか開いていないとのこと、この旅は宿泊代はずいぶん安上がりにしてきて、助かっているけど、たまには、ということで、そこに決め、荷物を運び込んで、一寝入り。
広い中庭のようなところを、いくつかのモーテルで共有して囲んでいるような格好であった。芝生が植えてあり、椰子の木の下で、思い思いに日光浴を楽しむことができるようになっていた。
しばらく休んだ後、ややお疲れ気味で眠そうな美保を部屋に残して、私はビーチに行くことに。目の前はすばらしいビーチが広がっているのだから、これをただ見逃すことはない。なるべく邪魔されないようなところで、広い砂浜を占領でき、しかし、目の保養的にはすばらしく眺めの良いところを選んだ結果、ホテルから数10メートル東へ行ったところのビーチにした。桟橋がでている、海に向かって右側である。
砂浜は焼けるように熱くなっていた。サンダルなしでは熱くて歩けない。あんなに焼けている砂浜で水着のお嬢さん方は健康的に戯れていらっしゃるのだ。ああ、ビーチよ、すばらしい。
しばらくアルデータの入力が滞っていたので、適当な場所を探してタオルを敷き、上半身は裸、水着姿になり、寝そべって入力。が、あまりの強い日差しにこの華奢な液晶画面はすぐにヒートアップしてしまう。で、苦肉の策として、偶然持っていた帽子を画面に影になるように掛けてやると、すぐに元に戻った。
ここで考えるに(というか、体験的に実感として、何度も書くようだがしつこいのを承知で)、カリフォルニアの日差しというのは、日陰さえ作ってやれば涼しさを作ることができる。だから、自動車のフロントガラスのカバーなどは日本ではほとんど役に立たないけれど、ここでは立派にその目的をはたしているのだ。(うう、密閉された車内では同じ事かもしれないが)
しばらく入力して、一区切りしたら、背中がかなり焼けているのを感じ、これでは片方だけウェルダンになってしまって、ちょうどよい焼加減であるミディアムレアにならないなあ、と自分の体を引っ繰り返した。
砂浜すれすれに吹いている風が非常に心地よい。フライパンの上で暴力的に焼かれているようなステーキの気分ではなく、表面は適度に心地よさを感じながら体の中からじんわりとあたためられているような、マイクロウエーブか、炭火でじっくりと焼かれているかのようであった。あまりの心地よさのため、自分が深い眠りに墜ちて行くのが実感できた。寝息がすごく心地よいのである。
1時間ほどしたらホテルに帰って、美保を起こす予定だったのが、気付いたら2時間ほど経っていた。あ、気持ち良く、しかし、強い日差しに当たりすぎたかな。まわりの目の保養たちも帰る支度をしていた。よし、そろそろ引き際か、ホテルに帰ろう。
3時半も過ぎていたか、ホテルの部屋はもぬけの殻、美保はどこかへ出掛けたらしい。書き置きくらい残してくれても良いと思ったが、とりあえず探しに行く。
と、ビーチ沿いの道をとぼとぼ歩いていると、向こうから同じくとぼとぼと歩いてくる美保。お互いやはりかなり疲れがたまっていたのだろう。そういえば、今日あたり、ムスタングの距離計は1000マイルこえそうな勢いだ。80マイルでブッ飛ばしているのだ、彼女も助手席で不安に耐えつつ乗っているはずだ、精神的に楽ではないだろう。
が、ここは気ままな自由旅行、予定は未定なのだ。その未定さ故に思いついたら即行動が鉄則。ホテルの案内図にあった情報によると、美保の行きたがっていた「ソルバング」という街はここからフリーウエイで1時間ほどのところらしい。時は4時ごろ、どうだい、行ってみないかと誘ったところ、美保も同じ考えらしく、すんなり乗ってきたので、さっそく実行。まったく予定の無い気紛れな旅はこういう融通が利くから楽しいのだ。
が、街から脱出してフリーウエイに乗るのに手間取ってしまった。碁盤の目のような街は、時折混乱を招く。慣れれば実に安全、合理的な作り、そこが私は気に入っているのだが。
無事フリーウエイに乗り、北上をする。道は海沿いに走っている。交通量が少なく、80マイルに設定して、まったく快適ドライブとなった。途中、工事中のところがあって、なんと片側2車線分を上下線に振り分けていた部分もあったが、こういう道はなにか日本的でなつかしいものがあった。さらに進むと「Freeway End」なる表示が。でも見たところ何も変わっていない。と、今度は「Bigin Freeway」の表示。ああ、それだけ田舎道ということなんであろう。何ともおおらかな。
のどかな牧場風景がつづく。緩やかな丘陵を上ったり、下りたりする。南よりやや緑が豊かのようだ。
6時過ぎ、ソルバングの表示が出た。従って行くと、小綺麗な町並みが。建物もヨーロッパふうである。デンマーク風なんだそうで、その風情からも、デンマークの入植者が作った街だソウナ。風車があったり、ちょっと可愛い町並み。
が、なぜか人が疎らだ。いくら平日とはいえ、これはちょっと。と思って、車を止め歩いてみると、なんと、6時には店を閉めてしまうのがほとんどであった。よく美保が云うけれど、健全なアメリカ家庭は9時には寝てしまうのだそうだから、この街は健全なアメリカ人が多い街なのだろう。写真などを撮って過ごすしかなかった。
と、見かけたところでビヤガーデンというのがあった。へえ、こりゃめずらしい、ここで夕食をすましてしまってもよいなあと、さっそく入ってみる。ビールが色々な種類を置いてあり、なんと、生ビールもあった。10オンス(glass)から33オンス(stein:ジョッキ)、60オンス(pitchier)と、3種類の大きさで出してくれるのがすごくうれしく、いい気になって33オンスを頼んでしまった。そして、店の人のお薦めのソーセージの盛り合わせ、(ポーク、ビーフ、ビール:子羊)を頼む。ザワークラフトがうまい。もちろん、ビールもコクがあって、味気ないアメリカンビールとは比べ様もなくうまかった。その相乗効果で実に気分好く酔ってしまった。
さて、今夜の宿泊場所はサンタバーバラ、どうやって帰ったかというと、それはもちろん、私が運転していった。生まれて初めてあれだけ飲んで、酔っ払って高速道路を走った気分はというと、実にスムーズに、何のストレスもなく、アニメタルのノリもすばらしく、快適に帰ることができてしまったのである。こんなこと、日本じゃ絶対に恐くてできない。それに、アメリカだから許される、何てことも絶体ない。私はたまたま事故もなく、警察にも見つからなかっただけであって、幸運だったのだ。くれぐれも日本国内はもちろん、アメリカでも飲酒運転はやめましょう。
で、無事何の問題もなく(奇蹟的に!!)宿に到着、12時近かったが、快適なベッドに床に就くことができたのである。寝る前にam.pm.というコンビニに出かけたけれど、ビールを1本売りしてくれなかった。