しかしながら、www.linuxppc.org
サイトに、
linuxppc-user メーリングリストの情報から、
Martin Costabel 氏が iMac DV に LinuxPPC-1999
のインストールに成功した、という記事が掲載されていました。
そこで、私も iMac DV に LinuxPPC をインストールしてみようと、
トライしてみたところ、見事にインストール&起動できたので、
自分の備忘録もかねてここにその手順を公開しておきます。
なお、インストールの方法は、ftp://ftp.linuxppc.org からの
FTP インストールで行いました。
お約束:ここに掲載されている情報を元に 皆さんが行った行為に対して、私は一切責任を負いません。 iMac DV に保存してあったデータのバックアップなど、 データ消失に関しては充分にお気をつけの上、 作業を行うことを推奨致します。
LinuxPPC をインストールするためのパーティションを作成します。
MacOS8.6 または MacOS9 の CD-ROM から boot し、
ドライブ設定で、MacOS 用パーティション, yaboot 用パーティション,
LinuxPPC 用 root パーティション, LinuxPPC 用 swap パーティション
を作成してください。
yaboot 用パーティションは無くても良いと思うのですが、
boot の切り替えが容易になることや、
MacOS 用の swap パーティションとして流用出来ることを考え、
100MB 程度の大きさで HFS 領域として作成しました。
以下私のディスクレイアウトです。合計4つのパーティションになりました。
MacOS 用 …… 8.5GB HFS+
yaboot 用 …… 100MB HFS
LinuxPPC OS 用 …… 1GB HFS (後のfdiskコマンドで変更)
LinuxPPC swap 用 …… 200MB HFS (後のfdiskコマンドで変更)
先ほど取りそろえたファイルを全て yaboot 用パーティションにコピーしておきます。 vmlinux.ibook.x.gz は kernel ですので、 MacGzip 等を利用して復元しておきます。
yaboot 用の設定ファイル、yaboot.conf を yaboot 用パーティションの 第一階層目に作成します。(Simple Text 等で作成してください。)
image=hd:11,vmlinux.ibook.12 label=linux novideo root=/dev/hda9 image=hd:11,vmlinux.ibook.12 label=install initrd=hd:11,ramdisk.image.gz initrd-size=8192 novideo"image" 〜 "image" がひとかたまりになります。 1ブロック目が、インストール後 Linux を起動するための設定で、 2ブロック目が、Linux をインストールするための設定です。 各行を簡単に説明しますと、
yaboot.conf の設定が終わったら、保存し iMac DV を再起動します。
その際、OpenFirmware のプロンプトで起動プロセスを停止する必要があるため、
再起動を選択するとすぐに『Command + Option + O + F』を押したままにします。
すると、見慣れない白い画面に黒い小さな文字で OpenFirmware の
Greeting Message が表示されるはずです。
慌てないでください。これで正常です(笑)。
ここからは、キーボードを多用しますので、カクゴしてください(笑)。
Greeting Message の最後に、">" という、
そっけないプロンプトが出ていると思います。
この後に続けて以下の文字列を入力し、Return キーを押して下さい。
> boot hd:10,yaboot_0.4 <Return>
※注意)OpenFirmware の画面ではキーボードデバイスが US キーボードとして認識されているので、キーマップが一部異なります。 JIS キーボードを使用している場合、アンダーバー "_" は Shift + "-, =" です。
うまくいくと、yaboot の boot プロンプトが表示されますので、 yaboot.conf で設定した install 用の label を入力します。
boot: install <Return>
しばらくすると、画面左上にペンギンのロゴが出て、
Linux の boot が始ります。ここまで来れば 90% ぐらい OK です。
青い画面になって、インストールのための設定を行う画面が表示されるはずです。
この画面は一般的な RedHat Linux のインストール画面なので、 ここでは詳しい設定方法等は書きません。巷の書店などにあふれている、 RedHat Linux (DOS/V 用でもインストール方法は同じです) の 解説本を参考にしてください。
ほとんどGUIインストール出来るのですが、インストーラから、
Linux 用にディスクパーティションをイニシャライズする際、fdisk を選んで、
コマンドラインで設定する必要があります。
既にあるパーティションは4パーティションとも HFS フォーマットになっているので、
MacOS 用と yaboot 用以外の2パーティションを削除し、
新たに Linux Native 用としてイニシャライズしてください。
その後、一度再起動します。
再起動の方法は、Ctrl + Z でインストーラを止め、
プロンプトの後で init 6 を入力してしばらく待ちます。
再起動後、『Command + Option + O + F』を押したままにして、
OpenFirmware の画面で先ほどと同様に yaboot を起動してください。
ディスクパーティションの項目で、然るべきパーティションを root, swap
に設定できたら、最寄りの FTP サイトからインストールを開始してください。
※注意)ftp.kddlabs.co.jp はサーバが PASV に対応していない様で、
インストール途中で失敗することがあります。
ftp.linuxppc.org なら問題ありませんでした。
全てのインストールが終了したら、いよいよ LinuxPPC の Boot です。
が、ちょっとまってください。LinuxPPC はデフォルトで X Window
が起動する設定になっています。ですが付属する X Server
は iMac DV の ATI Rage128, USB デバイスに対応していません。
そのまま起動してしまうと、画面がフリックします。
ここはぐぐっと我慢して、もう一度 yaboot の boot プロンプトから install を選択し、インストーラを立ち上げ、Ctrl + Z で Shell を起動します。その後、root Filesystem をテンポラリマウントポイントに マウントして、inittab を書き換えておきます。
# mkdir /mnt/tmp
# mount /dev/hda12 /mnt/tmp
# vi /mnt/tmp/etc/inittab
以下の様に修正する。
#id:5:initdefault: # X11 Fail Safe (Stop at login: prompt) id:3:initdefault:runlevel 3 で立ち上げ、X が立ち上がらない様にしておく。
これで無事起動する準備が整いました。init 6 で再起動し、
OpenFirmware の画面から yaboot を立ち上げ、
今度は boot プロンプトで linux と入力してください。
ペンギンのロゴが左上に表示され、しばらく待つと LinuxPPC が立ち上がります。
LinuxPPC が立ち上がったら、Xserver の入れ替えや glibc を入れ替えて、 日本語 locale を使えるようにしましょう。それぞれ、以下の URL から get 出来ます。
glibc-2.1.3-j1c.ppc.rpm
glibc-devel-2.1.3-j1c.ppc.rpm
glibc-profile-2.1.3-j1c.ppc.rpm
binutils-2.9.5.0.19-1alxp.ppc.rpm (日本語化されたbinutils)
Xpmac.rage128.usb.rev8.gz は gunzip で復元し、 /usr/X11R6/bin にコピーします。その際実行ビットをつけるのを忘れない様に。 また、/etc/X11/X にシンボリックリンクを張っておきます。
# gunzip Xpmac.rage128.usb.rev8.gz
# cp Xpmac.rage128.usb.rev8 /usr/X11R6/bin
# chmod +x /usr/X11R6/bin/Xpmac.rage128.usb.rev8
# cd /etc/X11 ; ln -s ../../usr/X11R6/bin/Xpmac.rage128.usb.rev8 X
glibc 関連は rpm コマンドでシステムにインストールします。
# rpm -Uvh glibc-2.1.3-j1c.ppc.rpm
# rpm -Uvh glibc-devel-2.1.3-j1c.ppc.rpm
# rpm -Uvh glibc-profile-2.1.3-j1c.ppc.rpm
# rpm -Uvh binutils-2.9.5.0.19-1alxp.ppc.rpm
これらのインストールが終わったら、 先ほど書き換えた /etc/inittab の id を 5 に戻し、再起動します。
id:5:initdefault: # X11 Fail Safe (Stop at login: prompt) #id:3:initdefault:※ 再起動時には、『Command + Option + O + F』を押しておき、 yaboot から起動します。
Apple の Darwin Project
が配布している
Darwin OS
のインストールパッケージ内に、SystemDisk という、
MacOS 上から OpenFirmware のいくつかの項目を変更できる
ユーティリティーを発見しました。
Darwin OS は無料で配布されているので、
Apple のサイトから get してきてください。
使用するのは、その中に入っている SystemDisk
だけなのですが、単体の配布はされていないようなので、
50MB を超えるパッケージ全てを取ってこないといけません。。。
System Disk の設定で、 yaboot がインストールされているパーティションを選択し、 Advanced options 設定内の Boot Device: を yaboot 用に変更します。 (下図参照)
『OK』ボタンをクリックし最初の画面に戻り、『Save』ボタンをクリックすると、
OpenFirmware に記録されます。
MacOS を起動したい場合は、
起動時に『Option』キーを押したままにしておきます。
すると、OpenFirmware が MacOS
として起動可能なボリュームを検索してくれますので、
マウスで該当パーティションを選択し起動してください。
有名な Gregs Browser で可能です。 Info-mac 等で get してきてください。
不可視化したあと、100MB 程度あれば、
MacOS の swap パーティションとしても使用できます。
メモリコントロールパネルから仮想メモリディスクとして、
yaboot 用パーティションを指定してみてください。
不可視化しても、メモリコントロールパネルに
該当パーティションが見えているはずです。