ネットの活用、日米で差
《地球通信コラム》

コーラ・ディクソン
28歳、大学院生 =京都市
1998年8月30日
copyright朝日新聞

 日本に来て、電子メールは私の生命線になってしまった。時差の関係で、
夜中にアメリカから届く、家族や友達からのメールを読むことが、コーヒー
と新聞と共に毎朝の日課となった。 

 異文化交流に関心があり、インターネットが日米関係に与える影響を研
究したいと考えた。そこで昨年、アメリカン大学と立命館大学の交換留学
制度を利用して、来日した。

 私がインターネットを興味深く思い点は、世界中の全く知らない人と簡
単に話せることだ。しかし、日本人はこの機会を十分に活かしていないよ
うだ。インターネット上にも日米間には文化的な違いがある。日本に住ん
でみて実感した。

 日本人の英語に対する苦手意識についてはよく指摘される。しかし、情
報化社会においてこれは役に立たない。英語は完璧でなくても通じるもの
だ。この英語コンプレックスの裏には、日本人の内気な性格がある。

 初対面の人に対して、日本人より米国人の方が社交的と思う。アメリカ
人はバスや電車など乗る時、隣の席に座った人にも気軽に会話ができる。
しかし、日本人は他人と知り合うのに、よく「仲人」を必要とする。

 二年前、文部省の制度で佐賀県伊万里市内の中学校で英語教師の助手を
勤めた。その時、学校にはインターネットがまだ本格的に導入されていな
かったが、アメリカにいる教師の協力で、日米の生徒たちのメール交換を
計画した。有意の生徒たちが集まり、楽しそうにメッセージを打っていた
姿を見て、感動した。

 残念ながら技術的な問題があり、結局この計画はうまくいかなかった。
しかし、成功すれば、私はインターネット上で日米交流の「仲人」になれ
たのだろう。

あなたの声を聞かせて下さい。cora@jmail.co.jp まで。日本語可。



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